掌から。
零れ落ちていった。
それは、全て。
掬っても、掬っても。
零れ落ちて。
残らない。
手についた雫も直ぐに乾いてしまう。
世界は、白い。


欠けた真円



夏だというのに。
その日、木ノ葉には雪が降った。
呆然と見詰める、里人。
全てを覆い尽くすまで、それは降り続いた。
奇跡だ。























同じ頃。
任務中の下忍達も、同じ事を体験していた。
雪が、降りしきる。
寒くない。
暑いにも、関わらず。
動揺して騒ぐ中。
一番最初にはしゃぐだろう、ナルトが呆然と空を見上げていた。
「・・・・・・ル・・・?」
記憶の逆流。
あれは、いつだったか。
いつかの、昔。












興味本位で、聞いてみた。
『お前、死んだら何になりたい?』
暗部の服装のナルトが、寝巻き姿のシカマルに問う。
シカマルは、突然のそれに驚きつつも。
『雪・・・』
『雲じゃないのか?』
『雲だと近くにいけねぇじゃねぇか』
『近く?』
『雨はあんまし好きじゃねぇんだ。だから、雪』
『良くワカンねぇ』
『わかんなくてもいーつーの』
『じゃーオレ、お前に呪いかけてやるよ』
『いらねぇっ!断固拒否する!!』
『ちげーって。死んだり、二度とオレと会えなくなったりとかお前が思ったときに、雪が降るようにv』
『・・・・・・・楽しんでやがるな?』
『もちv』
『オレに拒否権なんかねーんだろ・・・?』
『あったりまえー』
笑ったオレは、まじでアイツに呪いを掛けなかったか?
これは、似ている。
オレの、チャクラの波動に・・・。












はっと顔を上げた。
シカマルの気配が里のどこにもない。
もっと、注意深く探ってみる。
あった。
里の中心部・・・。
アカデミーの・・・地下?
弱々しい、気配が、する。
瞳に、怒りが灯る。
何をしているというのか。
殺気があふれた。
「ふざけんな・・・」
呟かれた声を聞き取ったのは、いのとサクラ。
振り返るが。
そこにナルトの姿はなかった。












幾重もの結界の中に。
横たわる、人。
何をしようというのか。
真坂・・・人柱・・・?












暴れるナルトを取り押さえるのに、上忍が二十人ほど怪我をした。
綱手の渾身の一撃で、やっと、沈んだ。
医務室に運んで、拘束具をつけて。
それから、起してやった。
「・・・・・・・・・ル・・・」
ポロポロと、大粒の涙が溢れて。
服を、濡らした。
慌てるのは綱手だ。
どうしてこうなっているのかが、判らない。
声なき声で、たった一人を呼びながら。
泣き崩れる。
止め方なんて、知らない。























九尾と違う、また別の神と重鎮達は契約をしていた。
それは、一年毎に生贄を伴う契約だった。























涙はとめどなく溢れて。
任務にも、いけそうにない。
今、任務に行ったら・・・逆に殺される。
殺して欲しいと思ってしまう。
心が降らせた、雪に溶けて。
一緒に・・・。
逝けたらいいと思う。
大人は・・・どうして。
どうして、この里は・・・。
子どもを犠牲にするのだろうか。
止まらない。
止まら、ない。












外は雪。
やまない。
中は雨。
やまない。



END
2005/07/19
脳内毒電波受信中


泣かせてみましたが・・・。
どうして泣かせる=死にネタと脳味噌はインプットされているのでしょう?

『20のお題詰め合わせ ++不思議言葉お題』より
06.欠けた真円




脳内毒電波受信中さまで、40万打記念にリクを取っていたので、お願いしてみました。
確かナルトを泣かせてほしいと言ったと思います。

シカナルにどっぷり嵌ってしまった理由のサイトさま。
でも、有名なサイトさまなので、皆知ってるのではないでしょうか?

阿津緋さま、素敵な物をありがとうございます!