「…あ」
「「「ナルト!?」」」
それは1つの事故と。
「…それでナルトは?」
「どうやら頭を強く打っているようで…」
恐るべき偶然と。
「……誰?」
「う、嘘だ――――――――!!!」
1人の少年の叫びから始まった。
本人に伝えよう
うずまきナルトが崖から落ちて運ばれた。
それを聞いた8・10班のメンバーは何故か病院ではなく火影邸に集まり、ナルトがいると思われる部屋の前で、突っ立っているカカシを見つける。
「カカシ!うずまきは?」
「あ?ああ全員来たのか……」
その、何処か歯切れの悪い口調に全員が「まさか!?」と思うも、カカシは困ったように頭をかく。
「……カカシ?」
首を傾げる紅にあはは〜とカカシは笑う。
「いや、無事は無事だし、いや無事じゃないんだけどそれよりサスケが……」
「え!?サスケ君がどうかしたんですか!?」
「いや〜なんていうか、もう見て」
言って、扉を開ける。
雪崩込むように入ったその先には、呆然としたサクラと。
「じゃああの時俺が間違って禁呪書燃やしたことも覚えてないのか!?」
「……いや、だから全く」
「これは喜んでいいのか!?」
「……いや、だからそんなこと言われても」
ある意味必死にナルトと問答を繰り返す、サスケの姿だった。
全員がぎぎぎ…っとサクラに顔を向ける。
「サクラ、あれ、なに?」
「おかしいだろ!?なあ赤丸!」
「……変だ」
「…うん。変」
「うん。取り敢えずサスケ君はおいておいて、ナルトは記憶喪失みたい」
『記憶喪失!?』
「うん」
どういうわけか今日の任務の最中に間違って崖から足を滑らして、落ちた先で頭を打っていたらしいとのこと。
「……じゃあ、うずまきは本当になにも?」
「はい、私たちのこともわかりませんでした」
そうか、と頷いて。全員が今だに問答を繰り広げる二人の姿を見る。
「で、あれは?」
「いや、それが………」
なにがなんだかと首を傾げるサクラ。
だが、先ほどからサスケの問いかけはなんだがとても可笑しい。
なぜ「禁呪書」とか「暗部の」とか「SSランクが」とかという言葉が出るのだろうか?しかもそれに対するナルトの口調もなんだかいつもと違う。記憶が無いからといえばそれまでだが。
と、そこで。
「サスケ君」
ぴたっと、サスケ停止。
「ひ、ヒナタ?」
「これはどういうことかしら?」
「そ、それは」
サスケは怯えた。というより全員怯える。
だって、ヒナタが天使のような外見で悪魔のような笑みを浮かべている。
「どうしてナルト君が崖から落ちたのかしら?」
「それは不注意で!」
「どうしてサスケ君がかわりに落ちなかったの?」
「そんなこと言われても!」
どんどん笑みが深くなるヒナタ。いつのまにかシカマルがサスケの肩をポンと叩いている。
「……諦めろサスケ」
「俺のせいじゃな――――――い!!」
しばらくお待ち下さい。
「で、本当にナルト君なんにも覚えてないの?」
「……最初に聞けよ、それ」
引き攣った笑みで答えるのはシカマル。
横で頷くサスケは何処かズタボロ。
「なんにもわかんないんだけど取り敢えずあんたら誰?」
一連のことを見つつも全く動じなかったナルトは首を傾げる。
「あのさ〜、それはこっちも聞きたいな〜って思うんだけど?」
「そうよ!いったいどういうこと!?」
「そうだぜ!」
「……うむ」
あーそういえばそうだったと、今更ながらに思い出した3人は仕方無しに暗部だとバラすはめになった。
またまたしばらくお待ち下さい。
実は暗部でしたという説明を受けた彼らは、仕方無しに取り敢えず無理やり己を納得させる。
納得させて、まず、目の前のナルト記憶喪失事件をどうするかに集中させる。
いったいどうすれば記憶が戻るのかと、悩む彼らの前でナルト本人はというと。
「俺、お腹空いた」
「お菓子持ってるけど食べる?」
「おう!サンキューヒナタ」
「いいえ」
なんていうか、本人全く気にしてません。
「あーナルト?」
「なんだシカマル?」
「普通、記憶無くなったらもっと焦らないか?」
そうだと、全員が頷く。
自分が誰かもわからなかったら不安になるものじゃないのか?
だがしかし、ナルトはごくんと、お菓子を飲みこんでのたまった。
「だって焦るだけの記憶も無いし」
ごもっとも。
「あ―――――――もう!」
「やってられないわ!」
ばんと壁と叩くいのとサクラ。
「お、おい?」
「「本人気にしてないんだからもう様子見るしかないでしょ!!」」
と、いうことになった。
しばらく任務は休むことにして(カカシ、アスマ、紅が代わりに働いてます)、下忍たちは、森の中にあるナルトの屋敷で過ごすことになった。
だが、記憶の無いナルトは大変危険だった。
まず、日常生活は問題無かった。本当に基本的なことは頭に残っているらしく、全員が胸を撫で下ろした。
だがしかし。
忍としての知識が、基本から抜け落ちていた。
なまじ元が暗部であるということからさまざまな技術を体だけが覚えているという状況で、火をつけようと何故か火遁をつかい屋敷を燃やしかけ、ソレを消そうとして水遁を使い水浸し。さらには、そのクナイをとってくれといわれて思わず投げたそれは、サスケの首ぎりぎりに刺さったりした。
これはさすがにマズイと、ヒナタがイルカを呼びに行って(この時、下忍たちはイルカが暗部大隊長であることを知った)、丸1週間かけてナルトに忍の何たるかを教育し、ようやく事態が収集した。
この時点で誰もがナルトの記憶をどうしようかと悩んでいた事を忘れているのはご愛嬌だ。
とにかくこれでやっと静かになる…と、誰もが思ったその矢先に事件はおこった。
なんとナルトが単独で外出。
全員が慌てて捜しに出た頃、ナルトはよりによって里の商店街にいた。
「ん――――――――っと」
最近ずっと家にいたから肩凝ったな〜と、伸びをしながら歩く。
別に家にずっといて騒いだりすることに不満があるわけではない。でも、あの森以外の所に行ってみたい。そんな思いで、つい抜け出してしまったのだ。
「人がいっぱいいるな〜」
記憶が無いナルトの目には全てが珍しいものに見える。
だから人々が不穏な目で見ていることにも全く気付かなかった。
おかしいな〜と、ようやく気付いたのは商店街の真ん中辺りに来た時。
ひゅんと飛んできた石を条件反射で避ける。
「?」
「化け物が!」
「なんでお前がここにいるんだ!!」
見ると、いつの間にか怖い顔をした人々に囲まれていた。
だが、ナルトにはいったいなんなのか全くわからない。
「なんか用?」
「ようじゃねぇ!」
「なんで化け物が人様の商店街にいるのか聞いてんだ!!」
「化け物?」
首を傾げるナルトの様子が癇に障ったのか、人々は火影から口止めされている事柄を口に出す。
「九尾の化け物が!」
「お前のせいで里が崩壊しかけたんだ!」
「出て行け―――!!」
そんな様子に、ナルトは臆することも無く、ポンと手を叩く。
「ああ!ひょっとしてこいつ?」
言って、己の腹のあたりを触る。
「でもさ、なんで俺に言うわけ?本人に言ったら?」
「お前が九尾だろ!」
「だから違うって」
「騙されるものか!」
そうだそうだ!と騒ぎ立てる人々。
ナルトは困ったように頬を掻き、そうだ!といい事を思いついたようににこっと笑った。
「じゃあ、今からこいつ出すから言いたい事あったら言って」
『は?』
「そしたら俺とは別ものだって証明できるしさ」
いい考えだよな♪と、なにか不思議な印を結び始めるナルトを止めようとして……。
『うわ―――――――――――――――――――!!!!!!!』
里に、絶叫が木霊した。
その後、ようやく騒ぎに気付いた者たちが見たのは巨大な九尾と、土下座して誤る里人の姿だった。
ちなみにその後ろで突っ立ってるナルトは、イルカが全力で投げた黒板消しが頭に命中し、意識を失い、九尾はヒナタの説得よって再びナルトの中へと姿を消した。
ちなみに目覚めたナルトは記憶が戻っており、記憶が無かった間の事は綺麗さっぱりと忘れていたらしい。
なので。
「な、ナルト様!」
「ごきげんよう!」
「らっしゃい!今日は何に致しますか!?」
などなど、たまたま訪れた商店街での人々の対応に物凄く首を傾げる事となる。
一度は書いてみたかったナルト記憶喪失もの。でもでもなぜかうちのナルトだとシリアスになりません(笑)しかも記憶なくてもまったく気にしてないし!あ、これ特にシリーズ設定はありませんので。
ひまりさまが十万ヒットフリーをしてましたので、喜び勇んで頂いて参りました。
クククw最強なナルト様に不幸属性のサスケ君です。
ナルト様とヒナタ様、そしてイルカ様が素敵なんです。
私はずうずうしくも三作とも奪っちゃいました。
素敵なものをありがとうございましたw![]()