素敵な具合にパラレってます。(何語だ)  スレ→ナルト・シカマル・キバ・シノ・ネジ・テンテン










『最初はグーっ、じゃんけんポイ!!!!』←必死


………。


「よっしゃー!」
「ウィナー!」
「…めんどくさいから代わってぇ」
「「じゃんけんした意味ないやん」」←真顔





















毎度白熱するじゃんけん大会が、自分の負けで終わったのは今から数十分前。
はぁ、と軽く溜息をついて、コートの下に隠してある麻酔銃の弾を確認しながら事務所を出た。


「…暑い」


まだ昼間。
普段の仕事内容からして、昼間に外を歩くのはずいぶんと久しぶりな気がした。買い物も自分は行かないし。(もっぱら事務処理があると言い訳をしてパス)
いつのまにか日光が目にしみる。サングラスが手放せない。
このジリジリとした日差しの中、黒尽くめの服は大失敗だった。うっかりしていた。夜であれば、光がない場所ほど黒は世界に溶け込む。ところがどっこい。


「めっちゃ目立ってるし…」


当然である。


「ここか…」


事務所でラッキー!と笑うキバのこめかみをぐりぐりとしながら覚えた。
駅前に立つ、ボロ臭いビル。そこに、今回の仕事の依頼者が待っていた。

こちらは一切の所在を明かさぬということで、だいぶそれが浸透してきた。当初は、料金前払い制の為に、とんずらされるのではないかと随分疑われ、それを一々説明するのも面倒だったが、依頼された仕事の成功率・確実性、それがだんだんと裏の世界では有名になり。


「…最近仕事多すぎ…」


もともと、表の世界に飽きた者や、そこでは生きるという事ができなくなった者、いろいろな者の集まりで、楽しさを求めてテキトーに暇つぶし程度の仕事を望んでいたのに、いつのまにか大きな会社にした方がいいのではないかと言うくらい仕事が増えた。
まるで表の世界には姿を見せないようではあるが、実際、警察等方面でも繋がりがあり、正規の仕事も入ってくる。そこでバレないようにするのが、最近の彼らの楽しみだと言う。もっとも、警察・国の上流の者からは、表沙汰に出来ない事も頼まれる事があるわけで、こちら側が断然有利の地位にある。何かこちらに不都合があれば、脅してしまえばいいのだから。


「どもー。ちつてと宅配ですがー」
『…ダークトレインか』
「…ですからちつてと宅配ですってば」
『…今開ける』


我ながらだっさい名前だと思う。…ちつてと宅配ってなんだ…!!(考えたのはアホ代表キバだ)(それを浸透させたのは…アホ2、ナルト)
自分達は偽名で名乗る。それは、正体を隠すためで、事務所内では本名連呼だが。事務所自体には名前がなく、だがそれでは呼べないと、いつのまにか『ダークトレイン』といえば自分達を指す言葉となったらしい。意味は――…なんつったか。


「入ってくれ」
「ども」
「アンタは―…」
「影華」
「えいか、か…」


煙草臭い事務所の奥の、応接間らしきところへ連れて行かれる。(こんなとこでもあるんだな、応接間って)
若い下っ端であろうやつが、どうぞと腰を下ろすよう進めた。…思わず、少しの力を使って金属系統を探知した。依頼されているのだから、殺される事はないだろうが。
明らかに裏の人間っぽい顔をしたおっさんが影華の向かい側に座った。


「面倒な世辞や、茶、菓子はいらない。依頼内容と予算をさっさと話してくれ。ああ、やっぱ冷たいお茶が欲しい。外、暑すぎる」


さて、と自分の前に座る男よりもリラックスして影華は言った。
凛と響く声に、肩を強張らせた男は、入り口付近に待機していた若者に「冷えた茶を」と手短に告げた。
その様を見て、影華は静かに口元に弧を描いた。
静かに自分の目の前に置かれた茶を、影華は一瞬止まって、それで一気に飲み干した。


「あー、生き返った…。で?」
「依頼だが…、うちはの――…」
「(またうちはか…)」















シャッシャッシャッシャ…。
リズムを崩す事無く、クナイが研がれる音がする。


「…俺、あの音マジで嫌いなんだけど…」


力が入らない。
人によっては、黒板に爪を立てて引っかいた音や、スプーンとフォーク、金属同士が擦れる音が嫌いだという、そんな感じの嫌悪感。
人よりもいい耳を持つキバは、必死に耳を塞いだ。


「こんな暑い中外でやれって言うの?!アンタあたしを殺す気?!」
「別にこの部屋でやらんでもいいだろ!」
「…ほーぅ」


シャッシャッシャッシャ…。


「ぎぃゃあー!お前はもうーー!」
「もっと近付こうか?」


シャッシャッシャッシャ…。シャッシャッシャッシャ…。


「やめっ!ちょ、マジでヤメテー!!」
「ォホホホホホ〜」

「…内部戦争勃発?」
「お前ら、暑苦しいからやめろ」


もうクナイを研ぐ為ではなく、キバに対する嫌がらせ目的で、『ダークトレイン』武器系担当・テンテンは音を発しまくった。
それを静かに読んでいた雑誌から目を上げ、呆れ顔で呟いたのはナルトで、パソコンに何かを打ち込み続けるネジはピシャリと言い切った。
ちなみにシノは外出中。


「ネジ何してんの?」
「前期の経費「ああ、ご苦労さん」…最後まで言わせろ」


雑誌を読んでいた集中力が切れたのか、ナルトは寝転がっていたソファから起き上がり、ネジの肩辺りに顔を乗せて画面を覗き込んだ。
そしてたくさんの数字が目に入った瞬間、興味がないのか、ネジの言葉も聞かずに、自分から話を持ち出しておいて、話をぶち切った。


「…キバ、テンテン。下まで響いてる。うるさい。迷惑だ」
「あ、おかえりなさーい」
「(た、助かった…)」
「人の話を聞いているか?お前たち…」


おそらく聞いていないであろう。
外出、と言っても、下の表向き事務所にいたシノが、床から頭を出して戦争中の二人(テンテン優勢)に声をかけた。

表向き事務所は、雑居ビルの三階に位置し、そこの本棚を登って天井を開けると、本業事務所の床になってるというわけである。
外から続く階段は三階までで、外から見れば四階建てのビルなのに…?と訪問者を混乱させている事で身内では有名だ。(聞かれたら、書類やデータなどの保管庫だ、ととりあえずもっともらしい事を言っておく)
普段、三階には人がいない。鍵を開けていれば、客が入ってきたところに四階から降りてくるとせっかく苦労して作った ここ が無意味な為、鍵も普段は閉まっている。事務所の扉のインターホンを鳴らせば、四階にもその音が回り、下事務所担当のシノが下りる、というわけである。

よっとシノが完全に身を四階事務所へと移す。


「依頼?」
「ここは、探偵事務所ではないはずだな…?」
「は?」
「そうだけど」


テンテンの「音攻撃」から解放されたキバが、シノに問う。
なんだかとても微妙なシノの言葉に、キバは思わず首を傾げた。
キバの代わりに、ナルトが答える。


「迷い猫探しの依頼…」
「っぶ」
「なんっだそれ!!」
「もちろん断ったな…?」
「当然だ」
「あ、断ったんだ」
「他を当たってくれ、と丁重にお断りした」


断ったんだ、と笑いを噛み殺しながら言ったのはテンテンだった。テンテンはどんな依頼が入ろうとも、よほどの事ではない限り仕事には出向かない。
噴き出したのはキバで、笑ったのはナルトだった。ネジが恐る恐る聞き、ほっとした。


「他人事だと思いやがって」
「うるさいな。耳元であの音だしても…」
「申し訳御座いませんっ」


キバが少しテンテンを睨む。
キバは盛大にテンテンに頭を下げた。
情けない。


「…シカマルは?」
「俺とキバにじゃんけんで負けて、依頼聞きに言ってる」
「…どこの」
「なんつったっけ…、あの下痢止めの…」
「全然ちげぇよ、露団(ろだん)だ、露団」
「…違った。露団だって」
「(どこをどう間違えたらそうなるんだ…)」


シノがふとシカマルが欠けている事に気づく。
ナルトのイマイチわからない頭を、一人で相手にするのは疲れたと思ったシノだった。
後ろでテンテンとキバが笑い転げていた。


「露団ー?…ヤァなとこに依頼されたもんね」
「知ってんの?」
「知らないの?」
「知らないから聞いてんだけど」


ナルトの口から聞いた名前で、ピク、とテンテンが反応した。
あまり外部に興味のないナルトは、けっこう無知だったりする。


「露団、って言ったら…、ホラ、国際指名手配犯も所属してたりする」
「へぇー、ホントだ」


テンテンがネジに向けて頷く。するとネジは、膨大なデータが詰め込まれているパソコンに何やら打ち込み、ゴロゴロと椅子ごと動いた。こんな時、足一本で動けるタイヤのつく椅子は便利だと、無関係だがネジは思った。
ネジがいなくなったスペースにテンテンとナルトが。その後ろにキバが画面を覗き込む。


「…タダじゃ、行かないわよ。この仕事」
「ま、どんと来い、ってやつだな」
「負ける気がしねぇさ」
「勝ち負けじゃないでしょ」


パコン、とテンテンは薄い雑誌を丸めてキバの頭を叩いた。


「なんにしても…、俺達は、成功率,生還率ともに100%を誇り続けるんだ」
「その為にゃぁ…、いつだって全力だぜ?」


ニヤリと、ナルトとキバは笑った。


(そしてテンテン、ネジ、シノは溜息をついた)















「…以上が今回の依頼だ」


ふぅ、と男は一息ついた。
その男の前では、影華が書類に何かを書いていた。


「――ああ、わかった。その依頼、正式に受けよう。ただし、我々は一切の責任を負わない。罪がない、とは言いはしないが、それを被りはしない。それでもか」
「それぐらい、アンタらに依頼する側にとっちゃ常識さ」
「そうかよ…」


一枚の書類を影華は男に渡す。
ん?と男はそれに目を通し…


「契約書だ。もちろん、破られた場合にはそれ相応の対処を、こちらは行います」
「……っ、いいだろう…」
「それでは一部の前金とご一緒に」
「わかった…」


慣れた手付きで男は書類にサインをし、自分の脇に置いてあったアタッシュケースを机の上に置いた。
パカン、とそれを開けば、この国で一番高額な紙幣の束がいくつもあった。影華はそれに手を伸ばし、五つほど適当に取り、パラパラと一通り確認した後、それを無造作に鞄の中に放り込んだ。


「んじゃ、決行日が決まり次第また出向く」
「頼んだぞ」
「…ああ」


飄々として影華は立ち去る。
当然、男には背を向けて行った為、その男がニヤリと笑った事など――…


「あーあ、めんどくせぇ事になりそうだぜ…」


鞄から出した札束を、影華は、燃やした。
パチパチと音を立てながら、それは、たくさん文字が書かれているものへと化した。

偽札――…















「というわけで、とんでもなく面倒な事になりそうだぜ」
「やっぱりねー。簡単に行くわけないとは思ってたけど」


おっかえりー影華ー、とニヤニヤ笑ってシカマルを出迎えたキバはシカマルに綺麗さっぱり無視され、キバがしくしくと泣いているところをナルトはよしよし、と頭を撫でた。
そんな二人を尻目にシカマルは、ネジ、テンテン、シノの三人を呼び、自身はパソコンの前に腰掛けた。
カシャン、と小さな音を立てて、ゆっくりと出てきたそれに、シカマルはディスクを乗せ、またそれを押し込んだ。


「知っての通り、相手は露団。…だけだとよかったんだが」
「は?」
「――迷い猫」
「来たか」
「ああ」
「???」


テンテン、シカマルとシノの会話を理解できず、眉間に皺が寄る。
もっとも、それはネジも同じで、二人の単語抜け抜けの会話にハリセンをぶちかましたいと思っていた。…会話にするのか、二人にするのか。


「…詳しく説明してくれ」
「ネジに同意。二人で通じ合われてもこっちは困る」
「あー…っと…、つまりな……んー…?」


動き始めたCDは、次々と画像を出し始めた。
四人の後ろのソファで、キバとナルトは静かにそれらを見ていた。


「…ナル」
「んー…。行くか?」
「俺はいいけど…」
「んじゃ、決行だ」
「了解ボス」


四人がディスプレイを見ながら話し込んでいる間に、キバとナルトはこそこそと会話を進めた。


「…ってわけで、明日会議。問題なけりゃ明後日決行、でいいか?」
「ええ、そうね。じゃあ私は武器倉庫にこもるからー」
「会議用の資料出しておく」


ぐるりとシカマルが椅子を回転させてナルトたちを含めて確認する。
うんうんとナルトとキバは頷き、テンテンはニヤリと笑って奥の扉を"ナイスガイ"なポーズで指差した。シカマルが立ち上がり、空いた椅子にネジは腰掛け、テンテンと同じように笑って、キーボードが音を立て始めた。
静かに手を顎に当て、何やら考えていたシノは、それぞれがそれなりに動き出した時、シカマルと目を合わし。


「俺は…、キバとナルトの見張り」

「「えー!!」」

「頼んだぜ、シノ。超大役だ」
「ああ、それなりの覚悟でいる」

「俺らなんなわけ…」
「なんつー扱いだ…」


ポツリと言えば、シカマルは果てしなく頷いて同意し、頼んだ、と握手を交わした。
ソファでは、がっくりと肩を落としたナルト&キバ。どうやら丸聞こえだったようだ。





ミッションスタートまで、残り丸二日―――…
















後書き。
…パラレルってるけどシカナルってない…!!(ガビーン…)(そしてリクに沿ってない…!/ごめんなさい。これが精一杯でした…(泣))
中途半端に感じられるかもしれませんが、ここで終わり…、です。(だから↑みたいな事になるんですか。なるんですね…)
紗奈さま、こんなものでよければ持って帰ってやってくださいませ。その後、消去するなり食べるなり(?!)してくださって構いませんので…!
本当お待たせいたしました。少しでも楽しんでいただけると嬉しく思います。
リクエスト、ありがとうございました。

紗奈さまへ
2005/05/09
皐月柚夏が精一杯頑張りました(笑)。




(でもパラレルって面白いね)(やりたい放題できるからね…(笑))




うふふふw頂いちゃいましたよ。

「夢の終わり」のあとがきに書いてあった
パラレルの話を見て、それ読みたい!!
と、ちょうどキリ番踏んでたので頼みました

「ちつてと宅配」って・・・(笑)


素敵な物をありがとうございますw