転生した先で名付けられた名は沢田綱吉。
 ツナヨシは存在しなかったのだろうか?
 最近ずっとこの名前を付けられたことなど無かった家継は自分では動けない赤ん坊の状態で考え込む。  考えながら、そのまま眠りに落ちてしまうのは赤ん坊であるから仕方ないことなのだろう。


 ツナヨシも恭弥さんも存在しない。
 しばらく経ってその事実が判明した。
 身の回りに居ないだけならいいけれど、並盛好きである彼らがここと全く関わろうとしないことはありえないだろう。
 そう、中学生になった家継は考えた。
 中学生――つまりは、ボンゴレが存在するのであればリボーンが現れる時期である。
 実際にボンゴレの門外顧問をしている父の存在があるため、これは確定事項。
 父は家継が気付いていることには全く気付いていないが。




「いない……」

 呆然と呟いてしまった。
 世界の矯正力なのか、黒曜事件があった時期に起きた大々的な暗殺事件。
 骸がこの世界にいないことに気付いてしまい、愕然としてしまった。
 綱吉と恭弥がいなかったとしても、骸だけはいると思い込んでいたのだから。

「いない……」

 誰もいない、会えない……会いたい。

「……どこに」

 骸の気配の欠片を掴んだ家継は視線をそちらへ向ける。
 遠い未来、もしくは過去?
 時間がズレてしまったのだろうか……

「もう、二度と……会えない、の?」

 イレギュラーが続いていただけで、これはもう終わり?
 なら、何で最後の時に、一人きりで放り出すんだ……
 最後くらい、素直に――――


 目線を彷徨わせる家継の姿を目撃してしまった獄寺と山本は近付くことができなかった。
 一人隔離された空間に籠もっているかのような家継に、つな……と口の中でだけ呟いて山本は踵を返す。
 あの状態の家継に関われるわけがない、と理解したのだ。
 同じように泣きそうな表情で十代目と呟いた獄寺も同じく去って行く。
 一番最初に家継を見つけたリボーンは、その場から離れることすらできず、ただその場を遠く離れた場所から護るかのように立ち続けるのだった。




うんっと、とあるイメージCD(ある漫画の)の中にある「恋人」という曲のイメージがこのシーンに合うなぁ、と思ってちょっと突発で書いていました。
ちなみに、この話は四人の会話みたいな来世シリーズの中にあるアレの、家継が言っていた一人だった時の話、ですよね。
イレギュラーはこの回なんだけど、自分の存在自体がイレギュラーでもう二度と会えないのでは?と思ってしまった、という話です。
結構投げやりな人生を送ったらしいよ、この回(笑)

あ、そうそう。曲はニコ動に上がってました。
谷山浩子さん作詞作曲らしいです。

2010/12/23 作成
   戻る   ≫