応接室でのんびりと過ごしたその後。
恭弥とゆっくりと歩いて帰る日常。
二人きりで過ごせる時間が過ぎるのは早過ぎて、まったりとした時間の流れなのに、早い。
どこまでも熟年夫婦のような雰囲気を醸し出す二人は、外見から逆に初々しいカップルにも見える。
そんな二人の前に、ザッと足並みを揃えた女性が二名立ちはだかった。
「お探ししておりました」
どこまでもシンメトリーな彼女たちをうろんげに見遣る。
「何の用?」
ヴァリアーとのリング戦を取り仕切り、未来ではミルフィオーレの幹部となっているはずの彼女ら。
チェルベッロ機関。
所属する彼女たちは同じ姿でクローンめいた外見は、人に異様さをのみ感じさせる。
「大いなる海の支配者の資格保持者にお会いしに」
海、支配者、資格……単語から予想すれば、つまりはそれは。
「マーレリング」
知らないはずの単語を口にした恭弥に驚きの感情を表にする。
「まさか、継承者がボンゴレリングの継承者の血縁とは思いもよりませんでした」
「しかもボンゴレリングの持ち主の妹君であられるとは」
「うるさいよ。ツーは関係無いでしょ」
オレがどこの誰でも関係無いはずだ。
そうは言うが、大空の資質は遺伝に依る部分が大きい。
そういう意味では、これもありえた未来。
「トゥリニセッテの一角を担えって?」
オレのこと巻き込むなよな。
「あさりと言い、海と言い、オレのことこだわりすぎだ」
つい先日あった出来事を思えば、そうボヤきたくもなるだろう。
「仕方ないんじゃない?」
ナツなんだから、と恭弥に言われ、奈津美は溜息を吐いた。
「いらない、と言っても無駄なのかな?」
オレは平凡に暮らしたいだけなんだけど。
そんな奈津美の呟きに、平凡? と問いたげにチェルベッロは見返してくる。
「あれはあれで楽しそうだけど?」
「炎の羽のこと? 確実に無駄」
バッサリと切り捨てる。
「見えるように大きくするってことは、その分薄くするか消耗するだけ」
効率悪いよ。
「やろうと思えばできるよ、オレもキョウちゃんも」
「え? そうなの?」
どうやるのか、と聞きた気な恭弥に、ちょっと待ってと伝えて。
「先にお帰り願わないと、ね」
チェルベッロを見て奈津美は笑った。
「ってことあったよね」
「あぁ、二度目の時?」
「そうそう。あれ受け取ったら、白蘭強制停止できるんじゃない?」
「た、確かに」
「んじゃー、今回はそれで行こっか」
強制的に巻き込まれること確定した今回は数歳年上のはずの家継は溜息を吐いて二人を呆れたように見た。
何週目か不明。
けれど、大半は二週目に起きた出来事ですよw
一応、設定では、家継はいたりいなかったり、の人生を送ってます。
なので、家継がいない時もあるし、家継が一人謳歌している時もあります。
何度も同じ時代なので、いっそ話をずらして遊び始めた頃かもしれないし、逆に言えば同じすぎるのも楽しくないってことだよね。
ちなみに、二週目の大学時代の話ですね。
2010/3/10 作成
シリアスな最終局面。
白蘭と最後の戦いをするために迎えた時。
ユニを守るために立ちはだかった。
「ユニちゃん、……」
ユニに何か言いかけた白蘭は背中から踏み潰された。
ぐふっ、と息が詰まった音をさせ、倒れ込んでいる。
その背中を踏み潰した人物は炎の翼が邪魔だとばかりに掴んでいる。
「やぁ、ツー」
ニコッと笑って片手を軽く上げてみせた綱吉に、戦闘態勢に入ってたのが必要無くなった家継が肩を落とした。
「ツナヨシ、どこに行ってたの……」
チョイス戦の時に全員と言われていたから、いないことに焦ったのに平然と現れた綱吉を見返した。
「来ていること知られてなかったし、ちょっと骸回収に付き合ってただけだよ」
ただいま、キョウちゃん。
もう家継のことを視界から追放して綱吉は恭弥に笑いかける。
「うん、お疲れ様」
そんな翼なんか握ってたら手が汚れちゃうよ、と恭弥は手を離すように言っている。
まぁ、それもそうだよなぁと思った綱吉は蹴りつけるように白蘭の背中を踏み込み、恭弥の近くに飛び降りた。
「君……沢田綱吉君?」
踏まれたままで倒れた状態の白蘭が疑問の声を発する。
「だったら何?」
「ボンゴレリングに選ばれなかった異端児――」
呆然と呟く白蘭の声に、眉間に皺が寄る。
異端児なことはあまり否定できないが、ボンゴレリングから選ばれなかった?
そんなことあるわけないだろう。
「なんか勘違いしてるみたいだね」
オレは選ばれなかったんじゃなくて、オレが選ばなかったんだよ。
「それに、今選びに来たんだから――」
綱吉のその発言に期待したのか、家継の指に嵌まったボンゴレリングと、白蘭の指に嵌まったマーレリングが勝手に動く。
さぁ手に取って! とばかりに綱吉の目の前で明滅する。
「お前ら、元の持ち主に悪いとは思わないのかよ……」
喋るわけが無いリングに言ったって意味は無いだろうが言いたくもなる。
「流石はツナヨシだよね……迷惑になるから戻ってきなよ」
諦めと理解をしている家継は苦笑しながらボンゴレリングを呼び、白蘭は何故!? と悲鳴じみた声を上げている。
先に綱吉を狙ってたのはこっちなのに、と言わんばかりに不服もあらわに家継の方へ向かうボンゴレリング。
マーレリングはどこと無く嬉しそうだ。
完全に奪おうとマーレリングに手を伸ばして、綱吉は固まった。
「――ってか、おしゃぶりにまで来られても困るから!」
流石の綱吉でも叫んでしまったのだった。
この後、マーレリングゲットしたら、その途端に真六弔花の手からリングが消えた。
そして、綱吉に相応しい守護者たちの元へと自動転送したのだった。
「だよね、僕以外の所に行ったら、壊してやるよ」
ニィっと笑って恭弥はマーレリングに笑いかける。
「僕の所に来なかったら、流石の僕でも怒りますよ」
今回は幼馴染みでは無いものの、バックアップをし続けていた骸が笑う。
「――うん、ツナヨシのためなら、いいよ」
選ばれたリングの石の色が緑色なことに苦笑しながら、綱吉に降りかかることを引き受ける立場なことは確かだから、と受け取る家継。
「私にできることならば」
選ばれたことにただただ頭を下げ粛々と受け取る草壁。
「えぇぇ!? 拙者ですか!?」
まさか自分の元に飛んでくるとは思わなかったバジルが掌の上をわたわたと取り落としそうになっている。
「まさか、オレに、か……?」
自分の元に来るなんて思いも寄らなかったリボーンが呆然と目の前で光るマーレリングを見つめていた。
まぁ、こんな話w
とりあえず、この話に言えることは『人外から総愛されなツナ様』
間違った言い方のようでありながらも、どこも間違ってないというw
2010/3/12 作成
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