「シカ〜v」
「・・・・・何だ?」

 ナルトがこんな声を出すなんて、いつも面倒をお願いされる時だと分かりきっているシカマルはちょっと躊躇った後、返事をした。

「お願いがあるんだ〜v」

 やっぱりだ。
 そう思ったシカマルはふぅ、と一つ溜息を吐いた。

「今日はどうしたんだ?」
「えっとさ・・・ちょ〜っと別の世界まで一緒に行ってくれない?」
「別の世界?」
「火影岩の裏手に群生している毒草あるだろ?」
「あぁ、あれ・・・」

 結構一般的な毒草なのだが、あんな場所に群生しているとは誰も気付いていない。

「明日の任務で必要になったんだけど、今日あそこでアカデミーの授業やってて取りに行けないんだよ」
「・・・別にアレならいのん家で手に入るだろ」
「さっき問い合わせた。けど、ちょうど品切れ」
「タイミング悪いな・・・」
「ホントにな。んで、あんなの必要になると思わないから家の庭じゃ栽培してないし・・・」
「それで、別の世界で取ってこよう、ってことか」
「そういうこと!」
「・・・仕方ないな」

 そうシカマルは頷き、ナルトが次元移動の術を発動させたのだった。




「・・・と、着いた」
「そういや、ナルト」
「どうした?」
「ナルたちの場所じゃないだろ、ここ」
「うん、適当に組んだけど?」
「別にナルの所でも良かっただろ・・・」

 溜息を吐く死影に死音は笑って誤魔化す。

「まぁ、それでも良かったけど」
「・・・来ちまったもんは仕方ねーか」

 とっとと取って帰るぞ!と死影は言う。
 それに逆らうつもりも無いから、死音もすんなりと一直線に火影岩の方へと向かうのだった。



「・・・何者だ」

 キラリと煌めく刀を死音の首へと突きつける黒ずくめの洋服を着た人物の姿。

「なっ!」

 驚いて死影がクナイを手にする。
 声がしても気配は全く無く、それまで気付くことができなかったのだ。

「・・・クッ!」

 逃れようと移動しようとするが、その死音の動きにピッタリと付いて刀が動く。
 逃げれないことに死音も驚きで眼を見開く。

「答えろ、ここは俺のシマだ」

 淡々とした響きの声でそう告げる。

「・・・オレたちは別の世界から来た」
「別の世界だと?・・・そうか」

 ここに来た時はナルトとシカマルのままだったため、姿はそのままだ。

「別の世界の俺ということか」

 別に変化をしていたわけでも無いため、姿などから納得したようだ。

「・・・は?」
「え?・・・まさか・・・うずまきナルト!?」
「おぅ!俺はうずまきナルトだぜ」
「「・・・・・」」

 何か今までに会ったことの無いタイプの性格のナルトだ・・・と放心する。


「お前、暗部所属か何かか?こんな場所で侵入者狩ってるなんて・・・」

 気を取り直して死影が問いかける。

「は?何でこの俺様がそんなめんどくさいことしなきゃいけないんだよ」
「・・・・・」
「俺はただ、自分の認識範囲内に変なのが入ってくるのが嫌なんだよ」

 ただ自分が嫌だったから死音と死影の足を止めたようだ。

「つーか、そう言うってことは、お前らこそ暗部所属なのかよ」
「一応暗部だよな」
「あぁ、正式な暗部じゃないから、部隊とか組んでないけどな」
「へ〜・・・」

 完全に納得したナルトは刀を引いた。

「んじゃさ、ちょっと手合わせ願えねーか」
「手合わせ?」
「同じくらい強そうな奴と戦う機会なんて滅多にねーからな」

 どうだ?と楽しげに笑っている。

「・・・そういうことなら、いいか」
「死音、お前がやれよ」
「わかってるって」

 死影は九尾の狐のチャクラを使用できるようなナルトと戦うのは願い下げだ、と死音に任せることにしたようだ。

「降参するまででいいか?」
「引き際くらいは見極められるからそれでいいんじゃねー?」
「そうか。じゃ、死影、合図頼む」
「わかった」

 死音の依頼に頷き、死影が二人を見てから始まりの合図をした。

「試合開始!」

 ナルトと死音が戦い始める。


 死音は強気に攻める。
 闇の世界からいつの間にか出した刀でナルトと切り結ぶ。

 カンッ、カカンッ!

 金属同士がぶつかり合う音が絶え間なく聞こえている。
 移動し続けながら死音の攻撃を受け流すナルト。
 受け流すだけだったナルトが一度強く押し返し、距離を取る。

「・・・へ〜。やるな、お前」
「そういうお前もな」

 ニヤリと笑い合い、今度はナルトが切りかかる。

 カンッ!

「・・・っ!」

 死音はそのナルトの攻撃を受け流すのが精一杯のようだ。
 さっきの死音の攻撃は様子見で軽く受け流されていたと言うのに・・・

「ちっ!」

 舌打ちし、死音は術を使うために印を組み始める。
 長い印の組み合わせに、死影が反応する。

「おまっ、それ禁術の・・・!」

 それに対応するためにナルトも同じように長い印を組み始める。

「くそっ!」

 こんな場所でとんでもない禁術を組み始める死音たちに死影は影を広げる。
 闇の世界を強制発動させ、何の変哲も無い森の亜空間へと二人を連れ込む。
 その移動の瞬間にナルトは違和感を感じ首を傾げる。
 首を一瞬傾げながらも、印は一瞬も止まることなく組まれ続けている。

「いけっ」

 死音が放った術は森の木々を薙ぎ払いながらナルトへ向かう。
 ナルトに術が辿り着く前に、ナルトが使った術により阻まれている。

「・・・ここはどこなんだ?」

 術の余波が収まった時、ナルトは死音と死影に問いかけた。

「ここはオレたちの作った亜空間だよ」
「亜空間?」
「周りに迷惑をかけることなく思う存分戦えるってことだよ」
「それはいいな」

 死影と死音の説明に楽しそうに、凄惨な笑みを浮かべるとナルトは再び死音へと向かうのだった。



「・・・うわっ。信じらんねー」

 いくら亜空間だとは言え、周りに起きる余波は現実の物。
 死影は二人の容赦の無い攻撃の数々に、ただ頭を抱えるしか出来ない。

 (というか、闇の世界に引き摺り込んで正解だった・・・)

 こんな攻撃を現実世界でされていたら、里の一つや二つ、とっくに消え失せている。

「・・・そして、どうやら死音の負けらしいな。この様子だと・・・」

 呟きながら死影がやっているのは、空間の修復作業だ。
 あまりにもとんでもない二人の応酬に、いくつか空間に綻びができてしまっていたのだ。
 これは直していかないとここに居る間に壊れる可能性がある・・・ということで、直していたのだ。

「流石に九尾のチャクラとかまでは受け止められないか・・・」

 仕方ないよな、うん。
 二人の戦闘は、ナルトが死音にクナイを突きつけるという形で終わりを告げた。


「お前、強いな・・・」
「そう言うお前もな」
「一応暗部やってるし?でも、やってないお前のが強いとはな・・・」

 その言葉にニヤリ、と笑いを浮かべ、死音が立ち上がるためにナルトは手を差し出した。

「サンキュ」

 楽しい戦闘ができたからだろう。
 二人は握手をして、死影の方を振り返った。

「終わったぜ」
「お疲れさん」
「疲れたな〜・・・チャクラ全然残ってねーし」
「そんだけあれば明日の下忍任務程度なら何とかなるだろーが」
「まぁな」
「暗部の方は手伝ってやるからさ」
「おー、頼むな、シカ。・・・あ、毒草」
「そういや、今日の目的それだったな・・・」
「毒草だ?んなもん取りに別の世界に来たのか、てめーら」
「そうそう」
「取ったら帰るか〜・・・」
「だな」

 ナルトに挨拶をして毒草を取りに行き、次元移動の術を死影が発動させたのだった。




「それにしても、闇の世界に引き摺り込んで正解だったな」
「ホントにな。あんなに強いとは思わなかった」
「ナルト、初の黒星じゃねーか?」
「いや、九重に負けまくってるからそれは無い」
「あ〜・・・まぁ、そりゃそうか」

 帰ってきて死音と死影はそんなことを話していたのだった。


後書き

俺様何様ナルトさま?
・・・今までとは違う喋り方させてみましたが、どうだったでしょうか?
あまり強さの表現が出来なかったような気もしますが・・・
私ではこれが限度です!(脱兎)


2007/11/18 作成

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題名は思いつかなかったので、適当で変なお題。より借りました。