わたしの両親          うちは カゲツ

 わたしにはたくさんの親が居ます。こう言うとパパとママには悪いけど、親という定義にすると沢山居るのです。
 まず、本当の両親。パパもママも上忍で、火影さまの側近をしています。実力的にも上の方だと思います。
 次に、ヒカゲくんの両親。わたしとヒカゲくんは兄弟のように一緒に育ったので、もう一組の両親です。
 それから、パパとママの下忍になった時の同期のみなさん。ヒカゲくんのお母さんも同期らしいです。当たり年と呼ばれていたとかで、その年の下忍合格者たちは現在、火影さまの側近など上層部で働いています。本当の両親とヒカゲくんの両親以外のみなさんは結婚していないので、わたしとヒカゲくんが自分の子供のように感じているそうです。
 ママとパパが忙しい時にはだれかが来てくれて、勉強とか術のこととかを教えてくれます。お仕事が忙しいだろうに、ひまを見つけて遊んでくれます。
 全部で10人の親が居て、わたしはとっても嬉しいです。大好きな両親たちがたくさん居ることを幸せに感じています。




     ぼくの両親            日向 ヒカゲ

 ぼくの両親は日向の分家らしいです。お母さんはもともと日向家の当主さまのお姉さんだったという話で、当主さまはたまにぼくに昔のことを話してくれます。お母さんはお父さんと結婚するために、無理を通して分家に来たそうです。
 なので、お父さんとお母さんはとっても仲が良いです。仲が良いので時々、ぼくの居場所が無くなります。
 そんな時はカゲツちゃんの家に遊びに行きます。カゲツちゃんの両親はぼくの第二の両親のような存在です。同じように、カゲツちゃんにとってはぼくの両親が第二の両親だと思います。
 カゲツちゃんの家にはカゲツちゃんの両親のお友だちが良く来ています。下忍合格した時の同期の人たちで、みんな、ぼくとカゲツちゃんを可愛がってくれます。お母さんも同期なんだそうです。
 一緒に遊んだり、勉強を教えてくれたり、仕事の合間をぬってうちは家に来ています。そのお友だちは、ぼくとカゲツちゃんを自分たちの子供でもあるんだよ、といつも言っています。ぼくもみんなが親であると思っています。
 たくさんの両親に囲まれて、カゲツちゃんとぼくは幸せに育っていると思います。




「・・・読み終わりましたか?」
「えぇ。・・・これが何か?」
「お前たちが仲良くって、皆で育てていても全然構わないんだが、流石にこれはマズイだろ?」

 未だにアカデミー教師の任に就いているイルカ先生がカゲツとヒカゲの作文と通信簿を広げている。
 見せられているのはサスケとサクラ、ネジとヒナタの四人だ。

「確実に中忍レベル、超えてますよね?」
「あ・・・ちゃんと隠しとけって言ったのに」
「言ったのに、じゃないぞ!!いくらなんでもやりすぎだ!!!」

 筆記に関しては誤魔化そうと頑張っている姿が見えるような、出来たり出来なかったりの成績。しかし、平均から考えると前後の幅が大きすぎ。
 体術も本気を出していないのはわかるが、強い相手には勝つのに弱い相手に負けたり、といった矛盾が生じている。
 術に関しては誤魔化しきれなかったのか、普通に中忍レベルの術も使えてしまっている。

「しかも、だ!これでもまだ実力を隠している様子があるんだ!!」


 (上忍レベルを超えちゃってますからね・・・)×4


「というわけで、お前ら全員、反省しろ―――!!」

 反省しても何も変わりませんが・・・?




「カゲツ〜、ヒカゲ〜。ちょっと来なさい〜」

 風見本家の屋敷の中、サクラとヒナタが風見の面々を集め、話した後、二人を呼んだ。

「「は〜い」」

 素直に二人はすぐにやってくる。どうやら術の練習でもしていたのか、手に巻物を持っている。

「実力隠すの下手じゃない」
「もっと上手く隠せなかったの?」
「「え?ダメだった?」」
「まぁ名家の子供だから、ってことで納得してもらったけどな」

 反省をさせられた後、名家だからという理由で納得してもらった。しかも、『うちは』はサスケとイタチ、そしてカゲツしか居ないのだから。

「でも、やっぱり教えすぎたのよ。ね、ナルト」
「でもなぁ、こいつらも一応風見だからな〜」

 ナルトが中心になって教えてきたんだから、と怒る。

「そうは言っても、もっとちゃんと隠すことを覚えなきゃ、後々大変よ?」
「だよなぁ・・・よし!ヒカゲ、カゲツ、ちょっと出掛けるぞ」
「・・・どこ行くの?」
「一度、任務に連れて行っておこうと思ってたことだし、これから行ってみよう」

 今日はこの後、暗部任務が入っていた。死音指名の。

「「え!?いいの?」」

 いのたちの子供の時のように任務に興味を持っていて、いつか行くことを楽しみにしていたカゲツとヒカゲはナルトに飛びついた。

「本当はダメだから、このお面を絶対外さないで、フードから見えてもダメだからな!」

 暗部のマント(予備)と暗部面(これも予備)を渡しながら言う。

「「わかった〜」」

 嬉しそうにマントと面を受け取り、武器の準備に走っていった。

「・・・いいの?そんなことして・・・」
「これで任務のことと、実力を隠すことの大切さを少しでも学べるといいんだけどな」

 そうなったのも、英才教育を施しすぎたからだろう。
 あれは、ヒカゲが生まれた日。ナルトが決めたことだった。




「あ!生まれたのか?」
「うん!・・・って、一番喜んでいるの、ナルトなの?」

 生まれたことを一番喜んでいるのはナルトだった。

「だってさぁ、ヒナタとネジの子供なら、オレたち全員の子供も同然だろ?」
「それはそうかもしれないけどね」
「でも、わたしとサスケの子が生まれた時はそんなに喜んでなかったじゃない」
「あれは『うちは』の子供だろ?」

 風見を受け継ぐ子供の誕生を喜んでいたらしい。

「ヒナタはハナビに当主を譲ったから、この子は風見の子供だろ?」
「・・・そういう区別なのね」
「・・・ってわけで、この子に風見の全てを教えようと思う」
「それって差別よ〜」

 いのの差別発言にナルトは少し考える。

「ん?じゃ、やっぱりカゲツにも教えるか」
「その方がいいわよ〜!だって、風見はどこかの当主と受け持ちでも構わないでしょ〜?」
「それじゃあ、この二人にいろいろと教えることにするか」
「まぁ、それならいいんだけど。カゲツも風見なんだから」

 それからカゲツとヒカゲは風見の面々による英才教育を施されることとなったのだ。




「お前が死音か?」

 合流場所に居たのは一緒に任務を行う予定の暗部。

「あぁ。虚亜だな」
「そうだ。・・・そちらは?」
「オレの私兵だ。死月、死陽」
「「よろしく」」

 ペコリとお辞儀をするだけで、ナルトの影に戻る。

「陽動にこいつらを使って、その間に任務を完遂する。いいか?」
「わかった」

 長く暗部をやっている先輩であり、噂に良く聞く死音が立てる策であれば問題無いと頷く。



 陽動にと二人が飛び出して行き、その様子を確認すると、死音と虚亜が忍び込む。
 策通り、何事も無く終わり、陽動の二人の方へ向かう。

「・・・・・バ、バケモノだ・・・」

 そう虚亜が呟いた程、その場は凄かった。
 地は赤く染まり、池が出来ている。肉片が飛び散り、面に血の痕がべったりと付いている。
 マントは黒いため判別できないが、ぐっしょりと濡れているだろう。

「虚亜」

 たしなめるように名前を呼ぶが、虚亜は答えない。

「・・・あんな子供のような体格で・・・いや、あいつらは確実に子供なはずだ!」

 全く変化をしていないカゲツとヒカゲに恐怖を感じている虚亜。

「・・・虚亜、お前は暗部を辞めるべきだな。あれくらいのことを行えないようでは暗部を名乗るのは止めろ」

 そして、虚亜をそのままにカゲツとヒカゲを連れて木ノ葉へと戻ってしまった。




「何かわかったことがあるか?」
「・・・はい」
「わたしは、バケモノ・・・」

 虚亜の呟きも何もかもが全て聞こえていた二人は自己嫌悪に陥っていた。

「違うからな。鍛えたら強くなるのは当たり前だ。  化け物と言われるくらいに強くなるのは難しいことじゃない」

 ナルトの言葉をしっかりと聞きながらも沈んだまま。

「ただ、この強さをありのままに見せていたら化け物と呼ばれるんだ。だから、隠す」
「「・・・はい」」
「そうやってオレも、お前らのお父さんもお母さんも力を隠してきたんだ」
「「わかりました」」
「大人になれば、少しくらい強くても皆喜ぶだけなんだけどな・・・」

 子供が強いと、拒絶するか抹殺しようとする。

「まぁ、まだまだ両親に勝てるようにならなければ大人だと認められないけどな」

 子供たちが可愛いという風な瞳でナルトは笑った。


「いつか抜かしてやる!!」
「強くなるんだから!!!」

 今日もカゲツとヒカゲは修行に励むのだった。




 しかし、完璧に隠すことが出来なくて、今度は10人全員がイルカ先生に呼び出され、久々の説教を受けるのは確実だ。


後書き

漢字で書くと、花月、日影になります。
子供の設定を考えている内にこうなりました。
由来としては、花の名前と雅語で日の光って意味です。

それより、美千琉さまのリクはこういう話じゃないはず!
ご、ごめんなさい!!(土下座)

2005/8/2 作成

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