「ナルト、久し振りに表で一緒だとよ」
「表?だってシカ、中忍試験の試験官・・・」
「そっちは影で。ツナデさんの命令」
「え?何?任務・・・」
「言われただろ?音の里の」
「え?もう一人の班員?」
「じゃなくて、上忍の方」
「へ〜、めっずらしい」
「なんかもう一人の班員が根の奴だとかいう理由で、暗部の強いのに頼むんだと」


「シカマル、音の里の方に行ってくれないか?」
「音ぉ〜?」
「まぁ、ちょっと違うけどな」

 ツナデは新カカシ班の担当上忍として草の里の天地橋に行き、音の里の情報収集をシカマルに命じた。

「・・・ツナデさま?オレにそんな任務頼むんですか?」
「暗部でも腕利きをつけろとか言われたからだよ。腕利きっつったら、死音かお前だろ」
「めんどくせーな・・・」
「いいだろ?ナルトと一緒に任務、好きなんだろ?」
「・・・あんな演技しているナルトと一緒は疲れるんですが・・・」

 微妙に嫌そうな表情を浮かべ呟いている。

「あ、そうそう。暗部養成部門”根”から新人が一人配属されるから注意を払え」
「まためんどくせーことを・・・」
「その新人はあのダンゾウが推薦してきた」
「あ゛〜めんどくせーな・・・その新人、こっちで勝手に始末してもいいか?任務中なら事故に出来るからな」
「好きにしろ。ただし、同じ班にサクラが居ることを忘れるなよ?あいつがそんなことして黙っていられると思うか?」
「あ〜サクラかぁ・・・」
「それさえどうにかするんなら好きにして構わないよ」
「・・・わ〜ったよ。『まだツナデさんに黙ってたのか?死華の奴・・・』」

 そんなことが先程呼ばれた時にあったのだ。


「んじゃ、死影としての任務なんだ」
「偽名使うように言われてるけどな」
「どんな?」
「ヤマトとか言ってたか?」
「それくらい覚えておいてやれよ」
「ま、どうでもいいじゃねーかよ」

 そんな経緯で新カカシ班の任務はナルト・サクラ・シカマル・サイの四人で行われることになった。




 そして四人の顔合わせの日。

「ども・・・」
「てっ、てめーは!!」

『ってか、こいつだったのかよ・・・もう一人の班員は』
『みたいだな〜・・・』
『?・・・何かあったの?』
『表の方で会ったんだけど、名乗らずに襲撃して去ってった』
『へ〜・・・そうなんだ〜』

 そんな隠話を交わしながら、表では普通に会話をしている。
 ナルトがタマ無しヤローなんて呼ばれて怒ってたり、それをサクラが止めていたり・・・

「・・・でもちょっとアンタ、感じ悪いわね・・・」
「アハハ・・・そうですか?ボクは好きですよ、アナタの様な感じのいいブス」
「ンだとコラー!!」

 食って掛かろうとするサクラにヤマト用の変化をしたシカマルが止める。

『サ、サクラ?本気でやろうとしてないか?』
『ダメだぞ?・・・わかってるか、サクラ?』

 一応、下忍・・・サクラは中忍であることになっているのだ。
 こんなことで仮面を脱ぎ捨てるわけにはいかないだろう。

『わかってるに決まってるじゃないvそんなことしないわよー』

 禍々しいまでの笑みを浮かべニッコリと答える。

『大丈夫だってvちょーっと表向きの全開で行くから』

 ((・・・どこが安心できるんだ?全開って・・・))

 冷や汗をかくような反応をしてしまったナルトとシカマル。
 サクラの表向き全開は地面叩き割りのアレである。

 ((絶対ヤバイって!!))

 ちなみに裏の全力ならば、死なない程度に苦しむ毒+桜散華よりエグい幻術+殴りの3コンボである。殴りは表以上で確実にお迎え召喚レベルでだ。
 まぁ、裏の場合、長く苦しませることも目的としているため掌仙術も組み合わせ、一ヶ月は確実に苦しませ続けるだろう。



 確実にヤバイと思ったナルトとシカマルの息の合った説得にサクラは今回は引くわ、と引いた。
 サクラの逆鱗に触れたのは《ブス》の言葉もあったが、ナルトに対する《タマ無しヤロー》というナルトを貶したという事実に対する物も含まれている。

 一時間後、正門で集合した四人は出発した。

『・・・シカ?思ったんだけど、こっちのシカは大丈夫なのか?』
『影も使ってるけど、他の皆が変化でも手伝ってくれるって言ってた』
『なんだったら闇の世界で帰ればいいじゃない。どうせ、一瞬なんだし』
『それもそっか』

 風見家の皆は隠話と声を出しての会話を同時で進められるスキルが異常に発達しているようだ。
 ちなみに、そんなのほほんとした会話の表側ではサスケを貶されて怒ったナルトとサクラの演技が行われている。

『あれ?シカ、なんで木遁?』
『なんか一応設定として、昔大蛇丸が初代火影の遺伝子を組み込んだ遺伝子操作の犠牲者の子供の成れの果てがヤマトっつー設定らしい』
『んな設定作ってあったのか?』
『らしいな。木遁とか尾獣とか関係を表に出して、それを印象つけとけばいいだろ』
『だな〜』

 ヤマトが木遁忍術の四柱牢の術を使ったためにそんな会話となったりしている。

『それにしても、さっきのサクラ、ちょっと本気じゃなかったか?』
『いや〜ね〜vアレは表向きの限界までよ?』
『限界までいっちゃってんじゃん!』
『いいの!一応設定がサスケラブだから、サスケを貶されたことに対してだったらアレくらいありなのよ』
『・・・それはそうかもな』

 道中はそんなような他愛も無い話をし続けていた。




「今日はここで野宿だね」
「これ・・・野宿って言わないんじゃない」

 四柱家の術で家を作ったシカマルにサクラが突っ込んだ。

『・・・何これ・・・』
『いや、だって、な。野宿〜とかでずっと一緒に居たらサクラ切れるだろ?』
『嫌ね、そんなこと無いわよv』
『はい、嘘!』
『二階は部屋分けにしてあるから、安心してくれ』
『それよりサイが部屋に入ったら家に帰ろうぜ』
『だなー』
『そうね!』

 (サクラの精神安定剤はやっぱ、いのだよな)
 (多分、一回家に帰れば少し落ち着くだろ)

 などとシカマルとナルトは考えていた。




「・・・・・サスケを・・・返せ・・・・・」
「返せは無いだろ・・・ナルト君。ズレてるよ、それ・・・」

 天地橋でカブトに会っていたら、大蛇丸が現れ、ナルト・サクラ・サイの三人は橋に降り立った。
 ナルトが九尾の狐のチャクラを纏って大蛇丸に殴りかかった。

「・・・今は私のサスケ君が強くなってるか。ためしに目の前のナルト君とやらせてみたいわね」
「てめーのもんじゃねぇ・・・」

 ナルトの身体の周りをポコポコと言っていたチャクラが静かに収まる。

「・・・サスケをてめぇのもん扱いすんじゃねぇよ」
「ナ、ナルト?」

 暴走を収めてしまったナルトに対し、サクラが眼を見開いている。

「・・・てか、いい加減ムカつくんだよな・・・お前」

 淡々と言う姿にサクラとシカマルが慌て始める。

「てめーはここで消す」
「ナ、ナ、ナルト!!」
「・・・死華、そっちは頼む」
「・・・え?・・・いいの?それで・・・」

 突然、死華の名を口にしたナルトに本当にいいのか?と尋ねる。

「あぁ。それと、死影もそっちで。これはオレの獲物な」

 舌なめずりをし、笑みを浮かべるナルトにサイがそちらに向かおうとする。

「サイ、止めておけ」
「・・・?」
「あぁなったら止めれる訳が無い」

 しみじみと言いながら、もしサイがナルトの邪魔をしようとするのならば、全力で止めると眼が言っていた。

 そして、ナルトが大蛇丸に向かい攻撃を開始する。

「大蛇丸さま!!?」
「ダーメv貴方の相手はわたしよ。ふふふ」

 ナルトもサクラも本気だ。
 本気も本気。
 裏も何もかも曝け出して戦うナルトとサクラにシカマルは溜息を吐く。

 ナルトが大蛇丸を踏み潰すように上からクナイを振り下ろし、首を落とそうとする。

 ひゅっ!

 そんなクナイを振り下ろすナルトに黒い物が絡みつく。


 ―――影だ!

「・・・何をする、死炎・・・」
「何をするって・・・そいつを殺すのはオレだ」

 揺らりと影を解き立ち上がるナルトの横へと影から現れたのはサスケであった。

「いいじゃねーか、殺したって」
「二年前、オレに殺させてくれるって約束しただろう?・・・サクラもだ」

 スッとナルトが目線を動かすと、サクラも同じように影に縛られている。
 もちろん、カブトや大蛇丸も動けないようにされている。

「・・・わかった。んだよな、約束だったもんな」
「っつーか、その注連縄?は何だよ、死炎」
「音の里の正装?」
「ってか変。着替えてくりゃ良かったじゃねーかよ」
「そんな暇くれなかったのは死音じゃないか!!オレだって、こんな格好で出てきたくなかった」
「ん〜と、音に居た誰だっけ?・・・あの平安貴族風の人の服に似てない?」

 サクラもあっさりとサスケの影から抜け出し、サスケの傍へと集まっている。

「あ〜、どうすんだよ。これ・・・」

 周りの様子を確認してみるナルトたち。
 穴が開いたりしている橋。
 黒い物に雁字搦めになって転がっている大蛇丸とカブト。
 シカマルに引き摺られるように連れてこられ、状況把握が出来ないような様子のサイ。

 キョロキョロと目線を動かし、見なかったことにしたサクラ。

「えぇっと、無かったことにしようか?」
「うん、それがいいよな」
「は〜い、じゃあわたし、消してくる〜」
「よろしく、死華」

 パタタッとサクラがカブトの方へと走っていき、三人は眼を合わせて溜息を吐いた。


「・・・死華、死影、死炎、死音・・・・・木ノ葉の死神・・・?」

 四人の呼び合う名前からサイは不思議そうな顔をして見ていた。

「あ、こいつはどうするんだ?」
「・・・消す?」
「めんどくせーよな・・・」
「っつーか、サスケも一回帰れよ」
「え・・・んじゃ、引き上げ?」

 ワクワク〜vみたいな弾んだ声で風見家に帰れるの?と聞くサスケ。

「違う。家じゃなくて音の方。もう少しだろ?」
「・・・わかった」

 諦めてサスケは影へと消えていった。

「お待たせ〜!って、サスケ帰ったの?」
「あぁ。消したか?」
「もっちろん!んで、合図と共に、サスケ自分の物発言の直後になるようにしてあるわ」
「んじゃ、早速やるか」

 ちょっと気合を入れて、九尾のチャクラを纏い始めるナルト。


 ・・・サイはそのまま放置されている。




 記憶を消そうともしなかったナルトたちに、サイは彼らの邪魔をしなければ何もされないのだろう、と判断した。
 そして、サイは大蛇丸へと渡りを付け、ナルトたちから離れていった。

「・・・行っちゃったね」
「どーすっかな〜、あれ」
「殺っちゃマズイの?」
「あ?・・・一応、サクラさえどうにかできるなら始末してもいい許可は貰ったが?」
「サクラさえ・・・?どういう意味だ?」
「あぁ、そっか。まだ教えてなかったっけ、わたしたちのこと」
「いっつも傍に居るから教えたのかと・・・」
「そんなわけないじゃないvただでさえ、仕事の量がありえないくらい多いのに」

 任務量が多すぎるために使える忍が何人も居ることを教えようとしていなかったようだ。

「それもそうだよな・・・」
「ってことは、殺せないってわけか」

 今まで隠していたことなどを含め、大量の任務を渡されそうだ、と思った三人は悩み始めた。

「・・・とりあえず、追う?」
「だな」

 もう周りに知られたら困る人も居ないから、素で普通に会話をしている。
 そして、そのままサスケの居る場所まで移動したのだった。



 一応、普通にサイを追いかけていたということを示すためにサイに接触し、サイがサスケに会いに先に行ってしまう。
 それを追いかけ、サスケの居る部屋に入った三人は無言になった。

『何、無言になってるんだよ・・・』
『『『・・・お前はどこの大ボスだ』』』

 サスケが部屋の奥で座り込み睡眠を取っていた上、寝起きが悪いような演技をしていたからだ。

『たいしたことじゃないから。機嫌悪い状態なら、ちょっと本気でカマヘビや陰険メガネに攻撃しても大丈夫だろー?』
『そんな理由だったのか?』
『そんな感じ』

 あはははvと四人で会話が弾んでいた。
 そんな中、現実にはサスケがナルトの首に手を回し、

「お前はオレの気紛れで生きているんだよ・・・」

 などと腰から剣を抜くような動きをする。


 ――――ピキッ!


 そんな状態のまま、サスケは固まった。

『・・・!?殺気?』

 ビクビクッとしそうになりながら、殺気を感じた方へと眼を向ける。

『いい度胸だな・・・サスケ』
『シ、シカマ・・・ルゥ〜!?』

 表向きの演技のまま、表情も変えず、サスケをただ見ている。

『ちょ、ちょっ・・・待ってくれ!これは演技!演技だから!!』
『・・・とっととハナセ?』

 言葉は柔らかい。柔らかいが、カタカナで発音しているあたりが怖い。

『今!今、離すから!!』
『・・・シカ?サスケにまで妬いてどうすんだよ?』
『そうよー?サスケなんて所詮ブラコンよ?』
『・・・・・気に食わない』
『おいおい。落ち着けよ』

 そんなナルトとサクラの取り成しによって、サスケは無事にその場を脱せられた。




 なんとか無事に木ノ葉の里へと帰還した新カカシ班の四人。
 一番、命が危なかったのはサイであることは、風見家であることから納得してもらえるだろう。

 まぁ、結局無事だったので、良しとしましょう。



「仲良くなるにはあだ名などで呼ぶといい・・・」

 図書館で人付き合いに関する本などを手にしているサイの姿があった。
 サクラがサイを見つけ、カカシの見舞いにと誘い、サイ・サクラ・ナルトの三人は病院へと歩き始めた。

「・・・あだ名を付けるといいって書いてあったから・・・二人に何か付けてもいいかな?」
「・・・うん、いいんじゃない?」

 歩み寄りをしているのだろう、とサクラは笑顔で受け入れる。

「う〜〜〜ん・・・・・ブス」

 プチッ。

「しゃーんなろっ!!・・・・・コロス」
「ちょっ!サクラちゃん、ダメだってばよ!『里の中での里人の殺生はマズイって!』」

 あたふたとナルトがサクラを止めている。

「第一、サイは一応、これでも班員だってばよ!」

 さりげなく酷い。

「そんなんどーでもいいわ!言うに事欠いてブスよ!ブス!!」
「気持ちは分かるってば!わかるけど・・・」
「そうね・・・微塵切りがいいかしら・・・」

 本気なのだろう。《桜華》まで手にしている。

「サクラ!マジにそれはヤバイ―――!!」

 涙目でサクラを羽交い絞めにしているナルト。

「サイ!ぼさっとしてるな!逃げろ!!」
「え?え?え?・・・?」
「ってか、シカも手伝え!」

 道の先に居たヤマトの姿のシカマルにナルトは声を発する。

「・・・いや、それ・・・殺っちゃった方が後腐れなくないか?」
「そうよー!だから放しなさい、ナルト」
「ダメだって!いくらなんでも殺るな!!」

 ギャーギャーとわめき続け・・・
 本気で一発殴るということで妥協した。

 輝かんばかりの笑顔でサクラは右拳を顎へと入れた。・・・下から抉るように。

 ―――キランッ☆

 顔の形が変わり、お星さまになるくらい吹き飛ばされたサイは重力によって元の場所に戻ってきていた。


「・・・・・ダイジョーブ?・・・返事は出来る?」

 流石にこんな状態になっていたら、と声を掛けるナルト。
 墨になっていないことの方が奇跡的な黒焦げなサイの姿に。

 (・・・大気圏抜けかけたんじゃねー?)

 そんなことを思っているシカマル。


「・・・う゛・・・・・」
「すっきりした☆あ、カカシセンセーのお見舞い行くんだったっけ」

 なんとか、といった感じで声を出したサイを無視し、サクラはそういえば、と言い出す。

「・・・マイペースすぎ、サクラ」
「行きましょー!」

 先を行くサクラを追いかけ、サイの両腕だったあたりを手に取り、ナルトは引き摺りながら歩き出した。




「・・・ナルト?・・・それ、誰?」
「あ、これ?新しい班員のサイだってば!」

 もう諦めたのだろう、ナルトの笑顔はキラキラしている。

「さい?・・・病院に連れて来たのは正しいだろうけど・・・医師に見せないと意味無いぞ?」
「そうだってばね」

 カカシがナースコールで看護師を呼び、サイは治療のため運ばれていった。
 どうやって、あぁなったのか理解できないと思いながら。


 治療が終わり戻ってきたサイを交え、ナルト向けの修行の話をしていた。
 新術を作れという話の最中、アスマ班が入ってきた。
 うやむやの内に話は打ち切られ、いの・チョウジ・シカマル・ナルト・サクラ・サイの六人で焼肉屋へと向かった。



 焼肉屋の席に着き、ナルトは冷や汗を掻いていた。

 (・・・絶対、こいつ逆鱗に触れる)

 言い切りである。先程から、チョウジにデブと言おうとするなど、焦り続けている。

 (チョウジはまだいい。デブの言葉に怒るのは演技だから・・・でもっ!)

 いのに対して、何を言い出すかが分からない。
 いのがもし怒ってしまったら・・・もうサイの命は無いと見ていいだろう。
 なんで自己紹介とかそんな話になったんだよ・・・と遠い目をしてしまう。


 (・・・・・女性に素直な感想を言ったら怒るのか・・・なら)

「サイです。よろしく、美人さん」

 とサイはいのに向かって呼びかけた。


「「「「「・・・・・」」」」」

 皆が沈黙の反応を取ったのは、サイが考えていることが読めたからだ。

「(ニコッ)ありがとう。根性曲がりさん」

 (((ピシッ!)))

 笑顔で呼びかける言葉ではない。


「口に出さなくても思った時点で失格ね」
「・・・いのに向かって美人さんの反対、ね・・・」
「「うふふふふ・・・」」

 自分を貶されるのも大嫌いだが、好きないのを貶されたことの方が怒りを煽ったようだ。


「・・・あ゛〜、死んだな」
「流石にフォロー不能」
「二人とも?後始末はちゃんとねv」
「「わかってるわ」」

 とりあえず焼肉屋の席でやることではない。
 しかし、三人は観戦モードに入り、後始末さえしてくれればどうでもよいという反応だ。

「しかも、サクラに何度もブスって言ったんですってね?」
「命はいらないのね」



「あ〜、美味い」
「このタレ、何使ってると思う?」
「・・・隠し味に何を使ってるかがビミョーだ」
「あ、このカルビ3人前追加ねー!」
「サガリも5人前」

 阿鼻叫喚の地獄絵図を無視し、肉を食い散らかす。
 ・・・ってか、逃避だ。

「つーかさ、サクラが死華だって天地橋でバラしたよな?」
「死音と死炎とオレのこともな」
「・・・記憶消さないでやったってのに、学習能力の無い奴だな・・・」
「消しても消さなくても同じことするなら、カカシセンセー以下だね」
「あいつも同じ反応してたっけ」
「後でしっかり消したけどねー」

 あははははvと笑い合う三人。



「・・・何やってんだ、あれ?」
「あ、アスマセンセー。遅かったってばね」
「つーか・・・何そんなに先に食ってんだ?」
「美味しいからつい・・・」
「それはいいにしても、いのとサクラは何してんだ?・・・あのサイとかいう奴、大丈夫か?」

 一呼吸置いてから返事があった。

「二人の逆鱗に触れたんだってば」
「自業自得」
「雉も鳴かずば打たれまい、だよね」

 うんうん、とナルト・シカマル・チョウジは説明する。



「お前ら、いい加減にしとけよ?」
「あ、アスマ・・・もう来たの?」
「もうって、オマエな・・・・・」
「仕方ないなぁ・・・サクラ、フィニッシュにしましょう?」
「もうそんな時間?これにする?」
「うんうん♪それがいいんじゃない?」

 楽しげに最後の薬を盛っている。


「あ゛ー!先に食べてる――!!」
「んなの、お前らの遊びが長かったからに決まってるだろーが」
「ほらほら、このカルビとサガリ、美味しかったから食べるってばよ?」

 美味しかった物を勧めていく。
 いのとサクラは怒りを食事に向けたのか、何故か5人の食欲は凄かった。
 積み上げられていく皿にアスマは水だけを手にしていた。

「食いすぎだ・・・お前ら。金足りるかなぁ・・・」

 溜息と共に財布の中を確認している。

『・・・流石に食べ過ぎたか?』
『仕方ないんじゃねー?最近ゆっくり食べる暇が・・・』
『あぁ、そうだったわね。・・・払う?』

 天地橋に行ったり、暗部任務を詰め込まれすぎていたから。
 任務中はあまり食べていなかったのもある。

「『・・・そうだな』オレが払うってばよ!!」
「あ゛?ナルトが!?・・・お前、まだ下忍だし、ずっと旅に出・・・」
「大丈夫だってば。前にカジノで大当た・・・」
「はぁ!?そんな場所にも出入りしてたのか?」

 子供がそんな場所に?と驚いているアスマ。
 実際には、かなり昔(子供の頃)、大当たりで店を潰す手前までいった時のお金である。

「エロ仙人だから仕方ないってば」
「・・・じゃあ、足りなかった分、頼むな」

 とアスマはナルトの好意に甘えた。


「これから修行だってばよ!」
「めんどくせーな・・・」
「サクラ?勝負しましょうか?」
「いいわよv」

 などなどとアスマとは別れ、演習場に向かった5人は誰からも見えない場所で風見家へと帰ったようである。

 ―――サイの存在をすっかり忘れ去り。


 サクラといのが最後の薬を飲ませた後、ゴミとして処理したためらしい。


後書き

綱手も言っていますが、
「暗部の中でより優秀な者を一人選抜して隊長にするべきだな」
というダンゾウの言葉を見た瞬間、風見家なら死音か死影だ!!
と思ったためにこんな話が浮かびました。

多分、風見家本編には入らないでしょうが、こうなりました〜!
注文をつけてしまい、申し訳ありませんでした。


2006/6/29 作成

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題名は思いつかなかったので、適当で変なお題。より借りました。