「あれ? イーピン、何でここに……」

 隣の家から出て、自分の家へと戻ろうとした時だった。
 今日は学校が終わってから、恭弥から早く帰れたから来ないか? というメールが届き、遊びに行っていたのだ。
 風紀の仕事が入ったと連絡が来て、申し訳無さそうにしている恭弥に別れを告げて出てきた所だった。
 玄関の所で庭の辺りから、こちらをじっと見ているイーピンを見つけた。

「イーピン? どうした?」

 話しかけたら、何かを答えているが、流石に中国語は分からない。

「あ〜、そうだった。リボーンが通訳してくれないと分からないんだった……ごめん」

 ちゃんと謝って、内容を知るためにリボーンの所へ一緒に行くように要請する。
 しかし、嫌がっているのか、どうしても前に進もうとしない。

「……困ったな」
「どうした?」
「イーピンが何でこっちをじっと見てたのか聞こうと思って……って、リボーン!」

 後ろから急に現れたリボーンに綱吉は慌てている。
 綱吉の言葉に一つ頷き、イーピンを見る。

「えっと、何々? お師匠様に似ている人が居たらしいぞ」

 眼がハートになっているイーピンが言っていることをリボーンが通訳してくる。

「え? ……オレじゃないよね? 誰?」
「知らないぞ。気になるなら聞いてみるか?」
「うん……」

 見られたのが恭弥の家から出てきた時からだと考えると、ちょっと気になる。

「…………名前は知らないらしいぞ。この家に入っていくのが見えたんだと……誰の家だ?」
「えぇぇ!? それ見たのっていつ?」
「……今日らしいな」
「…………ビンゴ。イーピン、それは恋愛感情じゃ無いんだよね? そうだよね? ……いや、むしろそうだと言って!!」

 相手はキョウちゃんだ! と慌ててイーピンに訴えている綱吉。
 否定されることにムッとしたのか、餃子拳の構えを取るイーピンに綱吉は飛びのく。

「リボーン! イーピンって、オレの言ってることわかってるんだよね?」
「わかってるぞ」
「じゃ、ちょっとイーピン行くぞ!」

 イーピンを抱き上げて、リボーンから離れていく。

「何処行くんだ?」
「リボーンは来なくていいよ!」

 バタバターッと急いで走っていく。




 向かった先は学校だ。

「イーピン、あの人は雲雀さんと言ってね……」

 何とかしてキョウちゃんへの想いを否定したい綱吉。
 その説得に、お前は敵か! と言った視線を向けるイーピン。

「…………あぁ、どうしよう」

 流石に全然聞いてくれないイーピンに頭を抱えてしまう。



「……何してるの、綱吉。また学校に来るなんて」
「キョウちゃん!?」

 風紀の仕事で学校に来た恭弥が綱吉を見つけてこちらへ来た。

「まぁいいや。あまり学校内をうろちょろされるとマズイ時間にそろそろなるから、応接室ね」
「……はい」

 返事をする前にイーピンを捕まえて帰らなきゃ、と思いイーピンを探して視線を動かしたが、恭弥が来た時からイーピンはいなくなっている。
 どうやら、恭弥が近くに来ることに恥ずかしくて逃げたようだ。



 応接室に入り、少し話してから恭弥は綱吉に口付けを落として仕事を片付けるため机へ着いた。
 恭弥と話していないから少し暇で視線を動かせば、廊下から綱吉を睨んでいるイーピンを発見した。

(ちょっ、何でここにいるのさ……)

 少し焦りつつ、恭弥へと視線を動かす。

「何?」
「キョウちゃん、またサラシしてるでしょ」
「しないで風紀委員の前に出る訳いかないでしょ。女だって知らないんだから」
「でもさ……何度も言うけど、サラシで締め付けてるのって身体に悪いんだってば」
「大したこと無いから大丈夫だよ」
「オレ……キョウちゃんが心配なんだけど」
「はいはい。学校から帰ったらちゃんと取るから」
「むしろ、もう取って欲しいんだけど……」
「…………しつこい」
「…………」

 いつもの問答になってしまっているが、一応は会話の中に恭弥が女だって分かる言葉を混ぜた。
 これにちゃんと気付いてイーピンが諦めてくれるといいけど……と思いながら、溜息を一つ吐いた。

「ごめん。……でも、オレが心配なことだけは分かってね」
「分かってるよ」

 いつものことだけど、最終的に綱吉が折れてこの件は終わりを告げた。



 結局、イーピンは? と言えば。

 恭弥が女だと本人が言っているのを聞いてしまったため、応接室のすぐ前で固まってしまっていた。




「ツナ。*$к%#”&…………」

 トントンッと肩を叩かれて振り返ると、イーピンが綱吉に何か言っている。

「え? イーピン? 何か言いたいことあるの?」

 ペコリと頭を下げて、そのまま去ってしまう。

「……何言ってたんだろう?」

 言っていた内容は分からなかったが、リボーンに頼んで内容を聞いてはいけないような気がした。
 それに、応接室で見られたことから睨まれてたはずなのに、さっきは睨まれなかったことから、理解してくれたのかな? と少し胸を撫で下ろすのだった。




イーピン出してないな〜と思って。
・・・まぁ、地雷なんだけどさ。
イーピンの一目惚れがストーリー上潰されたので、代わりの一目惚れシーン。
キョウちゃんだから、問題は起きないと思って(笑)

2008/1/19 作成
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