「ツナ兄〜」
窓から顔を出して、声をかけてくる。
「ツナ兄、がんばれ〜!」
体育の時間中に花壇の影から応援してくる。
「何であちこちに出現してるんだよ! 何か恨みでもあんのかよ〜!」
「だって、ツナ兄の傍にいたかったんだもん」
うるうるの眼で訴えている。
「死ぬ気のお前を見て以来、すっかりお前を気に入ったみたいだな」
「え゛え゛!?」
「ねぇ、ツナ兄! 何か手伝うことない?」
「な……なんもないよ! とりあえず、学校来ちゃだめ!!」
「え〜〜」
小動物のような眼で見つめられて、どうしてもはっきりと拒否することができなかった。
そのせいで…………
(はぁ。今日も色んな所でフゥ太と眼が合うよ……)
いつもなら、授業をサボって応接室へ行く所だが、フゥ太の眼が気になって行くこともできない。
リボーンなら、すでに付き合ってることも知ってるから、気にせずに行けるんだけど……
ビュン! ガッ!
何やら微妙に重たい音がする、と、そちらを見れば、トンファーで弾き飛ばされた不良の姿。
「あ、キョウちゃん……」
「やぁ、綱吉。久しぶりだね」
「そうだね……」
会いに行けない理由はすでにメールで送ってあるから分かっているだろうから、当たり障りの無い会話を交わす。
――と。
「……何見てんの?」
「ぅ……わ〜〜〜」
バタバタッとフゥ太が柱の影から走って逃げている。
「……あれが?」
「そう……」
「…………咬み殺す」
「ちょっ! キョウちゃん!! 相手は子供! 子供だから!!」
綱吉が止めるが、折角久しぶりに会ったのにじぃっと見つめてきて邪魔だったフゥ太を咬み殺すために恭弥はトンファーを手に追いかけてしまった。
「…………ごめん、フゥ太。オレにとってはキョウちゃんの方が大事なんだ」
あっさり見捨てることを決めた綱吉だった。
「追いついた。逃がさないよ」
フゥ太を追い詰め、トンファーを構え唇をペロリと舐めた恭弥は酷薄に笑った。
「ぅ、うわ〜……」
転倒しつつ逃げようと後ずさっている。
「こ……これで許して下さい!」
紙を出して、恭弥に渡そうとしながら訴える。
詰まらなさそうに、その紙を見下ろす。
「ツナ兄の欲しい物ランキングに好きな物ランキング! あとあとっ、お気に入りのものランキングです!!」
「…………何それ」
「えとっ、えっと! ぼくはフゥタ・デッレ・ステッレって名前で……ランキングフゥ太って呼ばれている情報屋です」
何とかしてランキングが正しいことを伝える。
「ツナ兄の愛してる人ランキング一位のヒバリさん! 許して下さい!!」
「…………」
かなり機嫌が悪かったが、綱吉の一番愛している人だという言葉に少し機嫌が上昇したようだ。
「…………」
差し出したままで固まっていたフゥ太が持つ紙を奪い取るように手にして、そのまま去っていく。
見逃されたのだと気付いてフゥ太は崩れ落ちながら息を吐く。
「……良かった。し、調べておいて良かった……」
ツナ兄の愛してる人の一位が知らない男性の名前だったので、それは誰? と並盛中のランキングをしている最中に知った。
――ヒバリさんは並盛の秩序で並盛中のケンカの強さランキング一位の風紀委員長だと。
一般人にはありえない強さと威圧感に恐怖とランキングしたい衝動に駆られた。
そして、見える場所であればランキングできるということで、遠い場所で恭弥を見ながらランキングした。
その時に恭弥の愛してる人は綱吉であることを知った。
流石にその時は驚いた。
驚いたが、ある意味で納得もした。
両想いなのだから付き合っているのだろうと推測し、ツナ兄のランキングで何とか今回は命を繋いだ。
しかし、怖いからもう並盛中に滅多に来るのは止めよう……そう決めるフゥ太であった。
短いから没になったと拍手に一時放置してた文。
加筆をちょっとして回収しましたv
2008/1/30 作成
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