「奈々」
「あら、キョウちゃん。何の用かしら?」
「えっと……綱吉が好きな料理や味付け、教えてくれる?」
「あら、ツッ君の?」

 ちょっと頬を染めて奈々に頼んでくる恭弥の可愛らしさに微笑ましく思う。

「そうね……一緒に作りましょうか」

 奈々は恭弥の手を引き、台所へと入っていった。



「おはよ、母さん」

 トントン、と軽めの音を立てて階下へと降りてきた綱吉が見たのは仲良く料理中の自分の母親と彼女の姿だった。

「キョ、キョウちゃん?」
「おはよう、ツナ」

 皿を運んできたついでに、綱吉に笑いかけて朝の挨拶をする恭弥。

「お、おは、よ……」

 何でキョウちゃんが朝からここにいるの!? と驚きの表情を浮かべたまま、テーブルに着く。

「ツッ君、今日の朝御飯はキョウちゃんが手伝ってくれたのよ」

 ほわほわと微笑みながら料理を運んでくる奈々が綱吉に言う。

「オレも手伝うよ」
「いいよ、綱吉は座っていなよ」
「そうね。もう終わるから大丈夫よ」

 疎外感を少し感じながら、椅子に座りなおした。



「「「いただきます」」」

 静かに手を合わせて箸を動かし出す。
 幼少時に奈々から躾けられた綱吉と恭弥は同じ箸の持ち方をしている。

「キョウちゃん、今日は朝からどうしたの?」
「ちょっと、ね」
「? えっと、今日は学校行かないの?」
「一緒に行くかい?」
「うん、行く」

 ポツポツと会話を交わしながら朝食を食べる。

「あらあら、忙しいわね。キョウちゃんもツッ君も」

 いってらっしゃい、気をつけるのよ。
 奈々は並中へと向かう二人を見送った。



* * * * *


「キョウちゃん、今日は何を作ろうかしら?」
「昨日は和食だったらしいから洋食がいいんじゃないかな?」
「そうね、そうしましょう」

 時間がある時には沢田家に訪問して、一緒に料理をしたりしている恭弥。
 最近、忙しくて訪問が全くできなかったので、久し振りのお手伝いだ。
 しかし、綱吉の昼食のお弁当を作ったり、色々と綱吉から話を聞いていたので、昨日の朝食を知っていたのだ。



 ズキューンッ
 唐突に朝の静寂を破る大きな音がした。

「…………うるさい」
「リボーン君もツッ君も元気よね」
「そういう問題じゃないよ、奈々」
「そうかしら?」

 サラダとドレッシングを用意した恭弥は、手を洗い、奈々を振り返った。

「ちょっと綱吉の所行ってくる」
「あら、そう? それじゃ、もしまだ寝てたら起こしてきてね」
「任せておいて」



 コンコンッ
 ノックをし、扉を開ける。
 階段を昇る足音は全くしていなかった。

「綱吉、赤ん坊、食事できたんだけど」
「…………は? 雲雀?」
「あ、キョウちゃん、おはよう。今行くよ」

 さっさと準備をして恭弥の肩を押すようにして階下へと向かおうとする綱吉に、リボーンは銃を押し付けた。

「どういうことだ?」
「別に幼馴染が食事に来ていようが問題は無いと思うけど?」
「そうだよね? 何も間違ってないよね?」

 どこが間違っているんだろう? とばかりの恭弥と綱吉にリボーンは溜息を吐いた。

「……もういい。邪魔だ、どけ」

 階下へと先に降りていくリボーンを少し見送って、その後を二人で付いていく。



「「「いただきます」」」
「いただきます」

 三人が揃って言っていることに少し眼を見開きつつ、自分も言うリボーン。

「今日は、サラダをキョウちゃんが作ってくれたのよ」

 ドレッシングも作り方教えちゃったわ。

「へぇ、美味しいよ」
「それは良かった」

 無言でパクパク食べていたリボーンはサラダを口にしていた手を一瞬止める。
 美味しかったが、雲雀が作ったのか? と。

「綱吉、巡回付き合って」
「了解。リボーン、そういうことだから」
「あぁ、わかった」

 止めねーよ、巡回なら少しは修行になるだろうしな。

「うん、そうだね」

 はいはい、そんなのどうでもいいけどね。

「じゃ、母さん行ってきます」
「いってらっしゃい、ツッ君、キョウちゃん」




というようなことがあって、リボ様はツナ様がキョウちゃんと巡回をしていることを知っていたのだった。
そして、料理がうまい彼女持ちのツナ様良かったねー(笑)という話←


2008/10/5 作成
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