帰宅してきた恭弥が扉を開けると同時に軽快な音がした。
瞬間、視界を覆った色とりどりの紐状の物体にようやくクラッカーか、と気付いた。
「ツナ…?」
「誕生日おめでと」
そう笑う綱吉はクラッカーをゴミ箱に捨てている。
クラッカーから繋がったままになっていた紐も一緒にゴミ箱の中に入っていく。
「お帰り、キョウちゃん」
今日は用事があるから、と学校へ来なかったのはこのためか、と気付いた。
「一応、日付が変わると同時にメールはしたけど、ちゃんと祝いたかったんだ」
だから母さんに手伝ってもらって料理して、準備したんだ。
「さ、座ってよ」
椅子を引いて待つ綱吉に促されるままに席に着く。
「…ツナが作ってくれたんだ?」
「キョウちゃんには全然、足元にも及ばないけどね」
母さんに手伝ってもらったから味は食べれなくは無いよ。
「ありがとう、いただきます」
キョウちゃんの好きな物を、と作ってくれた料理に顔を綻ばせ、感謝の気持ちを告げる。
「おいしいよ」
「良かった」
同じ家のご飯を食べて育ってきたのだから、味覚がほぼ同じだとはいえ、大丈夫か心配だったのだ。
美味しそうに平らげることに微笑みながら綱吉も食べた。
「やっぱりキョウちゃんの料理の方が美味しいな」
「そう? ツナのも美味しいよ」
「ありがと…」
褒められ照れて赤くなる綱吉に笑った。
「ご馳走様でした」
「お粗末様でした」
食べ終わった食器を流しへと下げ、水にうるかせて綱吉は振り返った。
「キョウちゃんが何欲しいかわからなかったんだよね」
「別に。ツナがいれば何もいらないよ」
「そうやって言うしさ。それに大抵の物は簡単に手に入っちゃうからね」
並盛の支配者なのもあり、手に入らない物は滅多に無い。
欲しかったらすぐに買えるだけの金銭を持っているためでもある。
「で、悩んだんだけど、これにした」
包まれた物を手渡す。
「ありがとう」
誕生日プレゼントを綱吉から受け取れるという喜びを噛み締めるように言う。
何年も会えなかった日々を思えば、やはり一緒にいれるだけでも嬉しいだろう。
「……これ」
「うん。同じ時を刻んでいく、って意味合いがあるんだよね?」
「――うん、ペアウォッチはそうだったね」
ということは? と綱吉のほうへと視線を動かせば、同じ時計。
「ペアウォッチでキョウちゃんに似合うのを見つけたから、それにしちゃった」
同じ時を、も何も、ずっと一緒にいるつもりだけど。
他の人と同じことをするのは嫌いだけど。
「たまには、いいよね」
「ね……」
嬉しそうに、大切に貰った腕時計を握り締めた。
ベタベタじゃん、時計って。
よくあるプレゼントすぎるかなぁ、って思って敬遠していたんだけどね。
私も捻くれてるけど、うちの子たちも一筋縄じゃいかないんで、上のようなことを言っちゃってます(苦笑)
雲雀さん、誕生日おめでとうございますー!
2009/5/5 作成
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