急に窓が開き、一人の人影が中へと入り込む。

「何だ?」
「……流石だね、赤ん坊。警戒してるんだ」
「こんな時間に何の用だ、ヒバリ」
「ちょっと、彼に話が、ね」
「……そうか。だが、当分起きねーぞ」
「いいよ、叩き起こすから」

 クルクルとトンファーを回し、構えると綱吉に向かい振り下ろす。

「いった〜!!」

 当たった場所を押さえ、飛び起きる。
 涙目になってしまっているが、多少手加減されていたようだ。

「ねぇ」
「? キョッ……雲雀さん」
「おはよう」
「おはよう。でも、何でここに?」

 こんな朝早くから何でここにいるんだろう? と首を傾げている。

「聞きたいことがあったんだよ」
「こんな朝早くに?」
「……気になったから、聞きに来ただけだよ」

 自分が思った時に動く辺り、自分勝手とも言えるが、それが恭弥かと納得し、綱吉は向き合った。



「綱吉の妻を名乗る女性がいるって聞いたんだけど?」
「ゲッ、ハルのことですか!?」
「ハル? ハルって名前で呼んでるんだ。ふぅん……」
「ち、違うって! キョウちゃん。向こうが勝手に言ってるだけ!」
「焦るのが怪しいよ。恋人にそんなのが居たら、咬み殺されるのも仕方ないよね?」
「だから、違いますって!」

 慌てて否定している綱吉にトンファーを突きつける恭弥。


「――ちょっと待て! ……お前ら付き合ってるのか?」
「それがどうかした?」
「ツナはいつでも京子を見ているから、京子が好きなものだと思ってたぞ」
「…………そっちも気になるよね」
「それも誤解ですって!」

 トンファーが喉に食い込み、息が詰まる。


「わ、わかった! オレが京子ちゃんを見てて思ってたこととか全部言うから!」

「……何?」

 言うことをちゃんと聞こうと思ったのか、トンファーを下げ、聞く体勢に入る。
 リボーンも気になったのか聞いている。

「まず、学年一カワイイって評判だったから見てて、キョウちゃんの方が可愛いよな、惚れた欲目かもしれないけど……」
「……カワイイか?」
「別に綺麗でもいいけどね! 10年前は可愛いで、今は綺麗なんだから!」

 リボーンが恭弥がカワイイ? と疑問を発し、それに綱吉が力一杯答えている。

「で、見てたら発言が天然だったから、そういえばキョウちゃんもそういう面があるよなー、少なくとも純粋な部分はあるよね、って今までに言ってたこととか思い返して――」

 まだまだ続く。
 いつまでも続く恭弥への想いなどに恭弥は少し照れて言葉を発しない。

「もういい」
「名前もちょっと似ているから、呼ぶ度に思い出すし――」
「……もういいって言ってるだろ」

 ズガンッ。
 リボーンの銃が火を吹く。

「危ないな、リボーン!」
「つーか、オマエら、いつから知り合いだ!」
「……言ってなかったの? 綱吉」
「言いたくなかったんだよ」
「綱吉は誰にも言ってないみたいだけど、幼馴染だよ」

 綱吉が何で言いたくなかったのか理解が出来ず、あっさりと答える。

「ツナ、そんなの居たのか?」
「5歳くらいまで一緒にずっと居た幼馴染が、ね」
「お前らが……?」
「そんなに疑うなら、奈々に聞けばいいでしょ」
「それもそうだな」

 リボーンは頷き、階下へと降りていく。


「……で? 何で言いたくなかったの?」
「それは……今度話します」

 リボーンが死ぬ気弾などを使うとかは話したが、マフィア関連の話は今までしていなかった。
 話したら確実に恭弥もマフィアにならざるをえなくなるだろう、と躊躇していたのだ。

「ちゃんと話してくれるならいいけどね」

 頷いて、少し甘えたくなったのか綱吉を抱き締めるのだった。




「ママン」
「あら、リボーンちゃん。どうしたの?」
「ツナに幼馴染っているのか?」
「キョウちゃんのこと?」
「……やっぱいるのか」

 幼馴染の言葉に、すぐに『キョウちゃん』という言葉が出たということは事実なのだろう。

「ツー君ったら、キョウちゃんを守るんだーって言って、いつも怪我して帰ってきてたのよね……懐かしいわ」

(怪我して帰ってきてたって……不甲斐ないな)

 そう思ったが、よく考えれば相手はあのヒバリだ。
 小さい頃も同じように咬み殺して回っていただろうことを考えると、守ろうなどとすれば怪我の一つや二つは当たり前のことだろう。

「でも、突然どうしたの?」
「……いや、何でもない」

 ナイトキャップを被り直し、綱吉の部屋へと戻る。



* * * * *


 パン、パンッと連続して銃弾が放たれる。
 その銃弾は恭弥がいつの間にか取り出したトンファーによって弾かれている。

「何してるんだ、オマエら」
「何か問題でも?」
「問題ありまくりだぞ」

 押し倒している恭弥に向かって、レオンが変身した十手を振り下ろす。
 ガキッ、と音がしてトンファーに止められた。

「キョウちゃん、とりあえず除けて」
「……仕方ないね」

 綱吉が言うことだから、とすんなりと移動する。


「それで? 幼馴染ってことは分かってもらえたの?」
「あぁ。……それにしても、『キョウちゃん』な」
「何? 呼び名に文句でも?」
「いや、並盛の秩序ともあろうヒバリがその呼び方でよく怒らないな、と……」

 リボーンに言われて、ちょっと考え込む。

「……綱吉?」
「い、嫌ですよ? 何が悲しくて恋人を苗字で呼んだりしなきゃいけないんだよ」
「……下の名前、呼び捨て」
「ム、ム、ム……ムリです!」
「一回くらい呼んでくれても……」
「えぇ!?」

 下の名前を呼べ、と言われて目線をキョロキョロと動かし、困惑している。
 じーっと見つめる恭弥に覚悟を決めたのか、恭弥を見る。

「きょ……きょう……や…………」

 どうにか呼び捨てられたか、と思えば、真っ赤に顔を染め、俯く。
 それが伝染したのか、それとも名前呼び捨てに照れたのか、恭弥も顔を赤くしている。



 そんなピンク色の空気に包まれた部屋を、銃声が空気を切り裂いた。

「ウゼェぞ、テメーら! オレのいる前でイチャつくな!」

 リボーンはフンッ! と鼻を鳴らして出て行った。

 銃声に切り裂かれた空気に、怒られちゃったね、とお互いに見合う。
 眼が合った瞬間、先程のテレを思い出し、再び二人は真っ赤になるのだった。




リボーンへの幼馴染バレと付き合ってることバレですv
一応、まだ性別はバレてません。
なんで、ちゃん付けで呼ばれていることに違和感を感じています、リボーン。
性別バレはまた別のネタがあるんですよね・・・
最初、黒曜後にしようと思ってたんですけど、これがバレるのはこの時期でいいやw

2007/12/16 作成
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