「委員長〜、家に来いって、こんな時間に何ですか〜?」
急にお呼び出しの電話が鳴り、朝七時に委員長の家へと来ていた。
先日、一回だけ書類を届けるように言われて来たから、場所は知ってるけど、寝ている時に電話がかかってきてビックリしました。
「こっちだよ」
インターホンを鳴らせば、開いてるから入ってきて。
声をかければ、居間だと思われる場所から声がする。
「眠気覚ましにシャワーを浴びてた所で、悪いね」
そう言う通り、髪の毛は濡れているし、バスローブを着ている。
あぁ、何ていう色気……(爆)
ふらふら〜って吸い込まれそう……(おいおい)
「あまり眠れなかったんですか?」
「書類が片付かなくてね……仮眠だけ」
「……体持ちませんよ?」
「大丈夫だよ。それで、そこの書類なんだけど、計算間違いが無いか確認してくれる?」
「会計ですか……」
「昨日の夕方に急に出してきたバカがいてね……」
視線に凄みが加わっている。
あぁ、咬み殺したんだろうな〜……
この視線に真正面から射抜かれたら、心全部持ってかれるよな〜……カッコイイv
こっそり眼の保養をしているのは秘密にしておかないと……(笑)
「計算終わったら、学校に持っていくから」
「それくらいなら私が持っていきますよ」
「……なら頼むよ」
さっきから委員長が何をしているのか、と見れば服を拾っていたようだ。
「あ、あった」
そう言って、私が座っているソファの影から物を取ろうとしている。
――と、まず私の眼に入ったのは、大きく開いたバスローブの合わせ目…………
「い、い、いいんちょ?」
「どうしたの?」
変にどもっていることに怪訝そうな顔をしている。
「そ、それ……」
「これ? いわゆる、サラシと呼ばれる物だね」
「…………」
「何、思考停止してるの? 早くしてよね」
「……いいんちょーって、お名前、雲雀恭弥さんでしたよね?」
「そうだよ」
「恭弥って普通、男の名前じゃ……」
「そうかもしれないけど、親の名前から決めたらしいから」
そんな簡単に終わらせようとしないで下さい!
っていうか! えぇぇ!?
「別に僕の性別なんて気にしなくても……」
「気になります!」
力一杯言いますよ!
気になるに決まってるじゃないですか!!
……だって、私の知っている内容じゃ…………
「……そう。なら……」
パサリッという音と共にバスローブの前が開かれた。
「……って! 羞恥心は何処に行ったんですか!!」
「別に同性の前でそんなのあってもね……」
「異性ならあるの!?」
「何で男にわざわざ見せなきゃいけないの」
「……そうですか」
流石にその点はちゃんとしてたのか。
少しホッとしました。
「にしても、性別を知らなかった私がおかしいんですね」
「僕が女だって知ってるのなんて、両親と幼馴染くらいだから、そんなこと無いと思うけど……」
「お、幼馴染!?」
「何? 僕に幼馴染がいるのはおかしいって言うの?」
「え、や、そんなつもりじゃ……」
これ以上怒らせると咬み殺される!?
「えぇっと……何で男装されているのですか?」
「楽だから」
「そんな一言で……」
「じゃ、便利だから」
どっちにしても一言ですか!
「それはそうかもしれないけど…………」
「で? 女だったからって、君の対応は変わるの?」
対応? 委員長に対する態度ってこと?
「いえ……変わる訳……」
女? 女なら……
「いや、変わりますね」
「……そう」
少し詰まらなさそうな声だ。
期待外れ? そんな感じだろうか?
「まず、少しは女性らしい所とかあるか探して、美味しいケーキ屋さんめぐりとか、何か一緒に楽しそうなことやってもらうでしょ。それから、それだけ整った顔してるんだし、化粧してちゃんとしたら同一人物だとわからないだろうから、女装してもらって一緒にお買い物とか……」
うん。そんな感じで二人で出来ることとかやりたいよね!
色々と楽しそうだと思うことを上げていく。
「クッ……あはははは……」
「え? 何?」
急に笑われて、驚く。
「それは友達にでもなろうってこと?」
「……そりゃあ委員長は群れが嫌いなんだから、友達なんていらないかもしれないけど……」
「いや、そういう意味じゃなく……雲雀恭弥初の友達だなって」
「…………え? いいんですか?」
「それ、僕のセリフだと思うよ。僕と一緒に居たらいつ咬み殺されるか分からないし、敵に狙われるかもね」
……それは今更だと思います。
現時点でも、風紀なんだから、狙われたりしてるし……
「僕はいいよ」
「委員長と友達か〜……あ、友達なのに役職名で呼ぶのはおかしいか……」
雲雀さん、恭弥さん……などと言って悩み始める。
「何でもいいけどね、」
「あ、私は名前でお願いします」
「だね」
「はい。恭弥さんじゃ男っぽすぎるし…………あ」
そうだ。これがあった。
「?」
「恭さん、でどうかな?」
「いいよ」
「じゃあ、恭さん。とりあえず服を着ちゃって下さい」
「あぁ、そうだね……」
未だに肌蹴たままだったバスローブに気付いて、サラシを巻き始める。
「は朝食食べてきた?」
「そんな暇無かったので、後でコンビニにでも寄ろうかと……」
「じゃ、二人前ね」
「?」
あっさりと言われた言葉の意味が頭に伝わらない。
どういうことか、と振り返ると、ズボンを履いてシャツを羽織っただけの姿で台所へ消える所だった。
「……まさか、料理できるの?」
呟きつつ、手元の電卓を叩く。
「こんなに原作と違うなんて思いもしなかったな……」
「……? 何? 原作って」
げ、口から出てた……(汗)
恭さんがテーブルにベーコンエッグとトーストを持ってきて言う。
まさか近くに居ないと思って呟いたものだから、焦る。
「きょ、きょ、恭さん……な、な、何でも無いですよ……」
冷や汗を流しながら答える。
「……まぁ、いいけど」
テーブルの上に並べ終わったのか、椅子に着く。
「ほら、さっさと食べて」
「えっと……?」
「いいから食べる!」
「はい!」
怒られた、と条件反射的に返事を返して、素早く椅子に座った。
静かに食べる二人だが、沈黙に耐えられなくなったが口を開いた。
「恭さん、料理できたんですね」
「これくらいで料理とか言われても……自分で作らないと食べれないでしょ」
「あれ? 一人暮らしなんですか?」
「一応、家族で暮らしてるけど、忙しいらしくて滅多に帰ってこないよ」
「あぁ、なるほど。家事って大変ですよね」
「そういえば、君も一人暮らししてたっけ」
「えぇ、まぁ…………」
気付いたらこの世界に居たし、親は亡くなっていますって手紙に書いてあったよね……
「ごちそうさまでした」
「おそまつさま」
とりあえず、原作発言に対しては追求されずに食事を終えた。
茶碗をカチャカチャと台所に下げ、水をつけて恭さんは戻ってきた。
「計算は終わった?」
「あとちょっとです」
「ならやってて」
携帯をいじっているのを見て、何をしてるんだろう? と思う。
メールを送ったのだろう、と様子から判断していると、電話がかかってきた。
み〜どりたな〜びく〜♪
「もしも……」
『これ、何ですか! 急に今すぐ来いって……』
「いいからおいでよ。10秒ね」
『無茶だよ!』
「じゃあ15秒にしてあげるから。急いでね、綱吉」
それだけ言ってプツッと切る。
え? 綱吉って……沢田君?
っていうか、原作で名前呼んでたことあったっけ? 10年後で確かフルネームで呼んでたはずだけど……
しかも15秒って……校内で応接室に呼び出しだとしても、無茶がある時間設定よね……どうし――
ガチャ。
え? 今の音……
「キョウちゃん! 何かあったの!?」
バタンッと音を立てて居間へと入ってきたのは沢田君だった。
しかも、キョウちゃんって……何?
思い切り戸惑うしか無い。
しかし、彼の眼には恭さんしか入っていないらしく、私は無視されている。
「今日の予定が全部開いたから。それと、珍しいことがあったから呼んでみた」
「え? 今日って風紀の仕事じゃ……」
昨日、急に仕事が入ったってメールに書いてたと思ったんだけど……と続けて言っている。
って、メールやり取りしてるんですか? お二人さん……
「さわ……だ……くん?」
「……え、? 何でここに……?」
「くす」
「わ、笑わないで下さいよ、雲雀さん! これってどういうことですか?」
「何今更敬語にしてるの? すでに口にしてるんだから、無駄に決まってるじゃない」
「……そうですね。珍しいって……のことですか?」
「うん、そう。珍しいこと」
「……え?」
私?
「オレが最初に言ったことだけど……キョウちゃんが回りに女子を置くなんて珍しいって……けれど、今になってわざわざ珍しいって、何?」
「は僕の友達になるんだってさ」
「へ〜、キョウちゃんの……色々大変なのに」
しみじみと言われてしまうと、確かに大変なんだろうな〜と思う。
「いや! それより!! 何で沢田君が恭さんとそんなに仲良いの!? 第一、どうして15秒で来れるのよ!!」
「それは幼馴染だから」
「オレの家、隣」
「……え?」
「さっき言ったでしょ。僕には幼馴染がいるって」
「確かに言ってたけど……隣って…………」
原作と違い過ぎないだろうか?
いや、その前に性別が違う時点で全く違うか・・・
ここ、かてきょーヒットマンリボーンの世界だって、私が来た時にあった手紙に書かれてたのに……
「これから、会う機会も多そうだし言っておくよ」
え? 何を?
「綱吉と付き合ってるから、応接室とかで会うかもしれないから」
「…………え?」
恭さんの方を見て固まる。
「恋人ってやつだったりするんだよね」
「……え?」
続けて言った沢田君の方をぎぎぎ、と首を動かして見る。
「えぇぇ!? 付き合ってるの〜〜〜!!?」
付き合ってるって……恋人って…………うそ〜〜〜!!?
「うん、一年以上になるよね」
「そうだね」
「…………ツワモノすぎ……」
あまりの事実に頭の回路が切れたような気がした。
「……それって周りの人知ってるんですか?」
「うちのかてきょーは知ってるけど……」
「あ、母さん知ってるよ」
「え? いつ話したの!?」
「結構前。ついでに奈々も知ってるよ」
「……それは何となく分かってた」
頭を垂れるようにして沢田君が答えている。
……というか前はずっとツナって呼んでたし、いつまでも沢田君って呼び続けるのもな〜……
「沢田君、ツナ君って呼んで良い?」
「別に構わないけど?」
「ありがと。あ、私も名前で良いからね」
「わかった」
「恭さんとツナ君が付き合ってる……ね。学校関係者じゃ私が一番に知ったってこと?」
「そうなるね」
「……ちょっと嬉しいな」
「何で?」
「秘密を明かしても良いと思ってくれたってことでしょ? 嬉しいよ」
「……そ、そう」
恭さんがそっけなく答えていた。
「それじゃ、二人の邪魔しちゃいけないし、計算も終わったから私は失礼するね」
それじゃ、また学校で。
そう言って二人を置いて恭さんの家を後にしたのだった。
前振りが長すぎるのかもしれない、と思いました。
けれど、まぁ、書いちゃったものは仕方ないので・・・
一つにすると、かなりの量だったので、分割しましたv
何か一人称になっちゃったな〜・・・
2007/12/29 作成
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