喉が渇いた、とやってきた店。
いつもなら人気の無い喫茶店に入るが、近くに見当たらなかったため、某ドーナツショップに入った。
適当に注文をし、二人でドーナツにかぶりつく。
甘くて甘くて美味しいドーナツは、綱吉のように甘いと思う。
「あ、キョウちゃん、付いてるよ」
スッと伸ばされた指は頬を触り、離れていく。
白いクリームが付いた指をペロリ、と綱吉は舐める。
その仕草に、ドキッとしつつ、ありがと、と何とか口にする。
さらりとこういうことをするから、綱吉は性質が悪い。
頬に昇った血を誤魔化すようにコーヒーをゴクリと飲み込む。
よく考えれば、今日はデートなのだから、最初からこの店でも問題は無かったか、とも思う。
膝上の赤いチェックのスカートから覗く自身の足を見て一つ頷く。
「どうしたの、キョウちゃん」
「うん? あぁ、この店でコーヒーを飲んでる僕っていうのが、あまり思い浮かばないな、と思っただけ」
「キョウちゃんの舌に合わないか、こんなコーヒーじゃ……」
「いや、思ったより美味しいから大丈夫。そうじゃなくて、この雰囲気といつもの僕じゃ、ね……」
「あぁ、そっち! 思いつかなかった……」
言われてみれば、いつもの学ランじゃ、今頃ここパニックの坩堝だよね……と呟いている。
「そういうこと。……あ、それ一口貰っていい?」
「どうぞ」
カフェオレを飲んでいた綱吉からカップを受け取る。
自分が飲んでいたコーヒーのカップを渡し一口。
「これはこれで、美味しいね」
「たまにはそういうのもいいよね」
「うん、そうだね」
ありがと、と綱吉にカップを戻しながら微笑んだ。
――それでもやっぱり、応接室で落として綱吉と二人きりで飲んでるのが一番美味しいかな……?
の少し離れた場所で大量に買い込んだドーナツをパクついている骸がいた。
甘いドーナツを沢山買い込み、山のように盛ったお皿から一つ一つ手に取り口に運ぶ。
飲んでいるのは砂糖が大量に入ったカフェオレ。
見ている方が甘さで胸焼けしそうな骸の姿に、客は一人二人と去っていく。
「すみませーん、カフェオレのお代わりいいですかー?」
それでも、そんなお菓子妖怪がいることに気付かずにほのぼのした雰囲気を作り上げている恭弥と綱吉だった。
――な、お菓子妖怪オチも考えていた。
ってか、言わなくても皆の脳内には浮かんでいたのではないかと思う(真顔)
2008/10/15 更新
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