土砂降りの雨。
視界が狭まれている。
こんな雨の中、傘をオレ、山田太郎は手に歩いていた。
平凡な名前に相応しく平凡なオレの日常からすれば、当たり前な日常を送り、先生に ちょっと頼まれごとをしたので、それを片付けていたら遅くなったのだ。
公園の傍を通りかかったオレはそこに佇む女子を発見した。
傘を忘れたのだろうか?
東屋の中で寒そうに震えていた。
しっとりとした黒い髪の毛からすると、突然雨に降られたのだろう。
濡れた全身を抱き締めるように佇んでいた。
オレは黒髪の凛とした表情が寒さに震えているその子に見惚れた。
どれくらい見惚れていただろうか。
寒いのなら傘に一緒に入ってもらって、どこか暖かい場所に入るように言った方がいいだろう、と気付いた。
しかし、近付こうとした時、雨はもう止まないと思ったのか、走って家まで帰ろうと思ったのだろう。
走って東屋を出て行こうとする。
その濡れた胸元の透ける下着の黒色に視線が釘付けになった。
――呆然と見送った、彼女は並中の制服を着ていた。
同じ中学にいるのならば、と探すことにした。
あの凛とした顔立ちをした女性を探せばいいんだ、簡単だろう!
・・・・・全員空振りでした。
おかしいなぁ、全学年、全クラスの女子を調べたはずなんだけど・・・
あの整った顔立ち、どこかで見たような気もするんだけどなぁ。
あの透けて見えた黒いブラジャーも忘れられないが、あの表情が一番忘れられないんだよなぁ・・・
その探している情報が耳に入った綱吉様が咬み殺しに現れた。
なんで!?
綱吉様の関係する人!?
え? まさか、前のいちごの・・・・・
綱吉様、あんな所で雨に濡れている彼女を放っておくのは止めて下さいませ。
こうやって惚れてしまう人が現れる前にできるだけ隠しておいて下さい。
何度も咬み殺されるのは勘弁・・・(遠い眼)
あ・・・綱吉様だ・・・
休みの日に見かけてしまうなんて、オレは何て不幸なんだ・・・
休日の今日、オレは欲しいゲームを買おうと思い、店に向かっていた。
その最中に見かけてしまったのだ。
綱吉様の姿を。
隣に女性がいることから、デート中なのだろう。
あのいちごぱんつで黒いブラジャーのあの、彼女だろう。
それなら、あの彼女の顔を見たい、と少し近付く。
目的の買物は後回しにして綱吉様に近付く。
別に彼女を奪おうというわけではない。
綱吉様の素敵な彼女のお顔を拝みたいだけである。
もう一度見てみたいと思っていたことだし・・・と近付いた。
はぁぁ、やっぱりあの凛とした表情、素敵だなぁ・・・
顔を眼に焼き付けて、それだけで気が済んだので本来の目的に戻ることにした。
――って、綱吉様、何をされているのですか!?
突然の出来事に叫びそうになった。
何故、路ちゅーなんていうことになってるのですか!?
しかも、彼女からしましたよ、綱吉様!!
それを硬直して見ていたら、彼女と眼が合いました。
そして、そのことを彼女が綱吉様にお話になったのでしょう。
直後にこちらへ向かってくる綱吉様。
あぁぁ、なんでまたこんな目に・・・(涙)
もう咬み殺されたくありません。
神様、オレの巡り合せ、なんかおかしくないですか?
ふらふら校内を歩いていた。
ふらふら歩きながら、綱吉様にだけは会わないように意識を割いていた。
もう咬み殺されたくないからな!
そういえば、咬み殺すと言えば、雲雀さんだよな、普通。
なんで綱吉様も咬み殺すって言うんだろうなぁ・・・・・いや、どうでもいいか、そんなこと。
窓から入るそよそよとした風。
気持ちが良い。
ひらっ、と翻って見える目の前の人のうなじ。
真っ白なそのうなじに胸にときめきを感じた。
――って!! なんで!?
今の・・・さっき考えてた雲雀さんだったんですけど!?
男子じゃん? 女子じゃないっつーの!
心臓辺りを押さえてその場に立ち止まっていたら、綱吉様に見つけられて咬み殺されました。
今日はオレ何もしてないですよ!? 綱吉様!!
綱吉様の勘、凄いですね。
なんでオレがいること気付いてるんですか?
本気で止めて下さいよ、もう・・・(涙)
いちごぱんつの後の山田太郎の日常(笑)
こんなに不幸な目に遭ってもらうつもりでは無かったのだけど、同窓会のあのビビリ具合からすると、並大抵じゃないよね?
と言われてしまい、どんな不幸に会えばいいのさ? と聞いてネタ出ししてもらいましたw
2009/5/25 更新
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