「あれ? キョウちゃん?」
どうしたの?
にこにこと笑いながら、先程まで殴っていたものをぽいっと放る。
「どこ行ったのかと思えば・・・折角会える時間ができたから、って楽しみにしてたのに勝手に消えないでくれる?」
「ごめんごめん。ちょっと、こいつらがうざくて、ね」
放り投げたものをげしっと蹴り、何事も無かったかのように笑う。
「何? またカツアゲでもされかけたの?」
「ううん、今日は問答無用でサンドバックにしようとしてたなぁ・・・」
「そう」
そんな奴らどうでもいい、と倒れているものの腕を踏みつけ、骨が折れる音をバックに綱吉の近くへと移動する。
ただ単に、近付くのに邪魔だったからである。
折られた腕に悲鳴を上げるものを無視して、綱吉は恭弥に手を伸ばす。
「応接室行こ? あまりうろちょろしてると駄犬がかぎつけてくるかもしれないからさ」
「あぁ、駄犬ね」
それじゃ、と手を取り合って応接室へと向かう。
「あ、ツナ。汚れてる」
ハンカチを取り出し、顔と手に付いた血痕を拭う。
「ありがと」
それら全てがいつものこと、とばかりに二人は密室へと消えるのだった。
並盛の秩序である雲雀恭弥にできないことは無いと言われる。
しかし、その恭弥に言わせれば、沢田綱吉にできないことは無いよ、とのこと。
並中で有名なダメツナ。
そんな表向きの猫かぶりの皮を剥げば、悪魔のような表情が現れる。
綱吉の中で人間として認識しているのは、第一に恭弥。二番目に奈々。
はっきり言ってその二人だけである。
残りは、どうでもいい有象無象。
邪魔をする奴はどんな手段を使っても排除する。
そんな冷酷な面も持ち合わせる綱吉が何故ダメツナをやっているか、と言えば。
それは五歳の頃まで遡る。
いつものように恭弥と二人の楽しい日常。
そんな日常を引き裂くように現れた黒ずくめの男たち。
ボンゴレの十代目候補であった何とかっていう分家の人間だか何だかが、九代目が綱吉に超直感を感じたという話を耳にしてしまったそうだ。
そのために現れた男たち。
自分がボンゴレという大組織の頂点に君臨しようという欲望に取り付かれた馬鹿のやらかしたことだ。
「お前が沢田綱吉だな」
とだけ言って攻撃を開始しようとした彼らは、目撃者にも死を、と恭弥にもその凶器を向けた。
そんな事態に綱吉はプッツリ堪忍袋の緒が切れてしまったのだ。
向かってくる銃弾を避け、一人ずつ倒す。
自分に飛んでくる銃弾はトンファーで弾き、銃の持ち主へと距離を詰めトンファーを振るう。
敵の持つ銃を奪い、命で贖わせる。
五歳の子供に、大の大人たちが血塗れになって倒れていく。
あたり一面と、自分の体を赤く染め、二人以外に立っているものはいなくなった。
「マフィア、だってさ」
こんな大人たちの勝手な都合で、楽しい日常を崩されることは許しがたい。
「マフィアなんて滅べばいいのに」
この時、初めて彼は手を汚した。
同じく、彼女も手を汚した。
そんな状況に気付いたもう一人の幼馴染である骸がその場に現れ、その場を処理。
これ以上、狙われてはたまらない、と綱吉はダメツナの仮面を被るようになったのだった。
「そういえば、骸から連絡あったよ」
「あいつから?」
何だろう? と綱吉は恭弥の手元の携帯へと視線を移す。
「いくつか潰したけど、捕まったから日本にひとまず戻るってさ」
「へぇ〜。ついでに居候たち殺してくれないかな?」
「ツナが言えば二つ返事で殺してくれるんじゃない?」
「そうだよねー」
あぁ、面倒だ。家に帰りたくない・・・
ころり、とソファに横になる。
恭弥の膝枕に、綱吉は恭弥の指を掴むように手を伸ばす。
「今日も家に泊まる?」
「そうしよっかな」
空いた手で綱吉の髪の毛を梳きながら、微笑む。
「それじゃ、赤ん坊を出し抜かないとね」
「いつも通り見当違いの方向を探してもらうよ」
今もここにいること知らないしね。
「うん、そうだね」
絡めていた指に口付けてから綱吉は体を起こした。
「う〜ん・・・骸が着くのはいつ頃だろう?」
「多分、明後日くらいには来てるんじゃない?」
急いで来るでしょ、あいつなら。
事実、翌日には骸が二人の前に滅ぼしたマフィアのリストを持って現れるのだった。
こんなんでしょうか。
なんていうか、個人的に書き出すと止まらないんですよね、残酷系描写。
殺人場面とか、嬉々として書きだす自分。
スレ万歳!だな、こうなると(笑)
2009/2/19 回収
ちなみに、削除した骸オチの最後の一行が残っていたのでコピペ!
翌朝、恭弥と手を繋いだまま寝ている所に「ぐっもーにん、キョウちゃんツナ君!」などと寝室なのもお構いもなく現れる骸に、トンファーと拳が飛ぶのは当たり前のことだった。
こりゃ笑われるわけだ(笑)
それから、下にはおまけ書き下ろし。
五歳の手を汚した後の骸が現れた所から。
「キョウちゃん、ツナ君!!」
「・・・・・むくろ」
血塗れになった状態で途方に暮れていたら、骸が現れたことに目を瞬かせる。
「あぁぁ、遅かったんですね。すみません」
今回は情報が手に入るのが遅くって・・・
「・・・今回、は??」
「あぁ、今までにも門外顧問の息子だから、と狙ってきたのやら何やらいたんですよね」
それらは二人に知られる前に処理したわけですが・・・
「・・・そんなこと、してたんだ」
「えぇ、せっかくツナ君とキョウちゃんが幸せになれそうな人生を歩み始めているのに、邪魔するなんて、許しがたいですから」
「・・・・・」
裏に隠された骸の事情もあるようだ、と綱吉は黙り込む。
「ひとまず、僕の家の一つでその血を洗い流しましょう?」
「・・・ここ、そのままにしておいて大丈夫なの?」
「僕が何とかしますから、二人は安心してお風呂へどうぞ」
骸に案内されるがままにアパートの一室でシャワーを浴び、骸が用意してきた服へと着替えた。
「二人に迷惑をかけた奴らを片付けてきますので、普段通りの生活をしていて下さいね」
「・・・マフィアなんて滅べばいいよ」
「そうですね。ツナ君もそう思ってくれているなら安心して行えますね」
そのためにも、と骸はイタリアへと渡るのだった。
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