リング戦という巻き込まれたくも無いものに巻き込まれました。
 ――否、それもまた、二人の・・・三人のためならば良いでしょう。

「・・・・・僕が守護者、ですか?」
「ダメツナを護るってぇことならお前は異存もないだろう?」
「えぇ、ツナ君とキョウちゃんを護れるのならば、それも良いでしょう」

 あっさりと受け入れるくらいにはマフィアに対する恨み云々より彼らのことが大好きなのだ。

「僕の出番の時は連絡を下さい」

 とだけ言い、最近の日課である彼女へと会いに行くのだった。



「・・・・・お前は初孫を喜ぶじいさんか・・・」

 とアルコバレーノが呟いていましたが、そんなことは関係ありません。




 そんなリング戦も終盤。
 最終戦である大空戦。
 はめられようが毅然と立つ綱吉を守護者たちは見ていた。

「あ゛〜ぅ〜!」

 そんな場所へはいはいをして現れた赤ん坊の姿。
 こんな夜遅くにどうしてこんな場所に赤ん坊が?
 そんな驚きに全員が硬直する。
 ――というか、その赤ん坊のやったことが一番の恐怖であり、驚愕だ。
 楽しげに声を上げて赤ん坊がやったことは・・・・・


 ザンザスの首から下がった飾りに手を伸ばして引っ張ったことだった。


「ちょっ!! ま、ま、待て!」

 そんな赤ん坊を見逃すわけがない、大人気ないザンザスに、慌てて止める綱吉。
 赤ん坊を抱き上げて逃げるように後ずさる。

「相手はまだ零歳児! 多少のことは大目に見ろ!!」

 銃に火を灯して撃とうとしていたザンザスに綱吉は叫ぶのだった。



「すみません、沢田綱吉」
「何ですか?」

 声をかけてきたチェルベッロたちに、綱吉は抱き締めたまま振り返った。

「その赤ん坊は?」

 今、死ぬ気の炎を身に纏っていたかと思いますが・・・

「俺の娘の流奈。死ぬ気の炎なんて使えるわけないだろ、まだ一歳にもならないんだから」
「いえ、でも、あの・・・今、確かに死ぬ気の炎で飛んでザンザスの首元まで飛んでいたと・・・」
「眼の錯覚じゃないですか? ちょっと元気すぎるのでジャンプしたんでしょう?」

 それで、首を引っ張られて怒ったんでしょう? ザンザスは。
 すっとぼける綱吉に、チェルベッロたちは困っている。

「それにしても、どうやってここまで来たの? 流奈」

 家で母さんとお留守番してたはずだろ?

「ぅ〜・・・」
「はいはい、お父さんとお母さんに会いたかったんだな」

 ごめんごめん。
 そう謝って笑顔を向ければ、嬉声を上げる。



「ツナ君。後ろが睨んでいますから、ルナちゃんは僕が預かりますよ」
「あぁ、よろしく、骸」

 まぁ、骸ならいいだろう、と綱吉はあっさりと流奈を手渡し、ザンザスへと向かった。
 そしてそのまま戦いを始める。




 受け取った流奈に、骸は笑顔で話しかける。

「ルナちゃん、こんにちは」

 笑って頬をつつく。

「う゛〜・・・」

 楽しそうに自分へと小さな紅葉のような手を伸ばしてくる流奈の可愛さには敵わない。
 ジジ馬鹿とか、言われましたけど、それを否定できない程度には自覚がある骸であった。

「・・・おい、六道骸!」
「フルネームですか。・・・なんですか?」

 流奈との時間を邪魔された、と不機嫌さを隠そうともせずに振り返った。

「その方が10代目の子供だってのは・・・本当のことか?」
「えぇ、事実ですよ。見た目も似てるじゃないですか」

 フワフワした茶色の髪の毛に、茶色い瞳。
 綱吉をただ女の子にしたかのような少女の姿が見えないんですか?

「それは・・・確かに似ているが・・・」
「間違いなくツナ君の娘ですよ」

 この年齢で産んだ彼女を凄いと思います。

「骸、ちょっと貸して」
「あぁ、はい」

 恭弥にかけられた声にあっさりと手渡す。
 恭弥が声をかけたのは、獄寺と話していると邪魔だろうから、という理由だった。
 が。

「ヒバリ、てめぇ、10代目のお子さんなんだから大事に扱えよ!」

 首根っこを掴んだり、雑に扱いそうだ、と獄寺が声を上げる。

「うるさいよ」
「そんなことするわけないでしょう。バカですか、貴方は」

 いえ、バカですか、じゃなくてバカなんでしたよね、すみません。

「駄犬なら駄犬らしく大人しくしていて下さい」

 あまりにキャンキャン叫ぶようなら、契約して黙らせますよ。

「契約ってなんだよ!?」
「契約は契約ですよ」

 今までに契約を見たことが無かった獄寺が理解できずに叫ぶが、その契約を知っている恭弥は頷いた。

「それ、邪魔だからしていいよ」
「えぇ、まぁ、後でツナ君の許可を取ってから、ですね」
「あぁ、綱吉なら気にするかもね」
「ですよね」

 後で綱吉に話して契約をしよう、と二人で決め付けるのだった。



 ぐずる流奈をあやして笑顔にさせた恭弥は、綱吉の試合がどうなったのか、そちらへと意識を向けた。

「やっぱりお父さんともなると強くなりますねぇ・・・」
「元から綱吉は強いでしょ」
「まぁ、そうですね。ルナちゃんはあの戦いを楽しそうに見つめていますねぇ・・・」

 キョウちゃんに似ちゃったんでしょうか?

「さぁね。この前は僕のトンファーに興味を示していたよ」
「あぁ、そういえば、手榴弾にも興味を示していましたね」

 危ないですよね、赤ん坊を育てるに相応しい環境じゃないですよ、沢田家。

「でも、僕も面倒見切れないからね」
「・・・後でツナ君に今後どうするべきなのか、相談することにしましょう」

 なんだったら僕も一緒に住むようにして、手分けしますし。

「凪たちにも手伝わせれば何とかなるでしょう?」
「あぁ、それはいいかもしれないね」

 戦っている綱吉の知らぬ間に、骸たちなどと一緒に共同生活するような予定が立てられていくのだった。





このルナがやらかすこととして決まってたこと。
とりあえず、骸の立ち位置がおかしいです(笑)
あと、大空戦なのに、毒が無いのはチェルベッロがパニックに陥っててツナ様勝手に戦い始めたからだったりします。

2009/4/12 回収


下にオマケー♪



「あれ? なんで骸いんの?」

 ザンザスを倒した日の夜、自宅にいた骸に、綱吉は不思議そうに言った。
 疲れを癒すために、風呂に入ってきたし、もう帰ったと思ったのに……

「ちょっと相談がありまして」

 勝手知ったる他人の家、とばかりに、お茶を差し出し、座るように促す。

「一緒に住みませんか?」

 キョウちゃんとツナ君だけではルナちゃんの面倒を見きれない、んですよね?

「まだ、僕たちは学校に通っていませんし、クロームもいます」

 日中、奈々さんだけに任せないで、僕たちの手が入れば、少し違いますよね?

「キョウちゃんとは先程話して、それもいいかもね、と」
「髑髏に迷惑かけるなよ……」
「私もそうした方がいいと思う…」
「髑髏……だとしても! 家賃とか生活費とか……」
「それこそ問題無いでしょう?」

 これでも僕に資産が無いわけじゃないんですよ?
 黒曜センターなんかに陣取っていた奴が言う台詞じゃない。

「僕も金銭での問題は無いよ。一応、使える家もあるし」
「まー、キョウちゃんなら、用意してそうだけど」
「後で奈々とも話してから、って思ったけど、いいんじゃないかな?」
「それもそうだね……」

 綱吉の許可を得て、綱吉・恭弥・骸・髑髏・犬・千種で住むことが決まったのだった。



 ちなみに、住む場所は親の希望で恭弥の家になったとのことである。



「――あ。君の所の駄犬、契約しましたから」
「ちょっと待て! お前、何やってんだよ!」

 それはまた、別の話。
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