「アホ牛、テメー・・・」

 リボーンの怒りを滲ませた声にランボは振り返って一つ溜息を吐いた。

『・・・牛? どうした?』
「すみません、ツナ」

 見つかっちゃいました。
 てへ☆ とばかりに苦笑して電話先の綱吉に告げる。
 今日の会議にて、綱吉と恭弥(とおまけの骸)を追うための作戦を立てていた守護者たちの会話の内容を綱吉へと連絡していたのだ。
 少し急ぐ必要のある情報があったため、誰も来ないだろう会議室の影に隠れて電話をした。
 それで話し込んでいれば、ランボに用事があったのか、リボーンがやってきて冒頭に至るわけである。

「どうあっても捕まらねーと思ったら、テメーが情報を流してやがったのか・・・」

 イラッとした感情を隠しもせず、ランボに銃を突きつける。

『牛、お前わざとか?』
「止めて下さいよ、ツナ。冗談でもそんなこと言うの」

 でも、少しだけ嬉しくもありますね。

「これからは堂々と協力できるから」

 後でまた連絡しますね。
 流石にマジメにリボーンに対応しないと、危ないだろう、とランボは電源ボタンへ手を伸ばす。

『いや、ちょっと待て』
「はい?」

 かけられた声に、ランボは止まる。

『少し代われよ、アルコバレーノに』
「いいんですか?」

 話したくないと言ってなかっただろうか?
 いや、そうでなくとも、会いたくないのだから、話したくも無いだろう。

『少し話したら場所を変えるさ』

 そろそろまた移動するつもりだったからな。
 リボーンに代われと言う綱吉の言葉にそういうことなら、と頷き、ランボはリボーンに電話を手渡した。

『やぁ、久し振りだね、アルコバレーノ』

 顔を見なくなって清々したとばかりに晴れやかな声。
 恭弥と二人きりの楽しい生活を送っているのだから、気持ちが晴れやかなのも当たり前だろう。

「てめぇ、どこにいやがる」
『そんなの答えるわけないだろ、バカかよ』
「お前はボンゴレ10代目なんだぞ」

 いつまで逃げてんだ!

『オレはマフィアになんかならないよ』

 あの日も言ったと思うけど。

『五歳のオレに殺されるようなクズ――そんなマフィアになんて誰がなるか!』

 いい加減滅べばいいよ、否、滅ぶべきだ。

『骸にお願いして色々動いてもらってるから、そろそろあさりも終わりでしょ?』
「ダメツナ・・・」
『その呼び方いい加減止めたら? オレの姿すら見つけることができないんだからさ』

 鼻で笑うような綱吉の言い方に、ギリッと手に力が入っている。

『オレとキョウちゃんの生活の邪魔をしないでよね』

 まぁ、捕まえられるわけが無いんだけど。

『それと、そこの牛を締め上げても情報なんて一つも出てこないから』

 情報を流してもらってたけど、ただそれだけだし。

『まぁ、10年前からオレのことを知っていた内の一人だからね、ランボは。余裕で逃げるだろうけど』

 久し振りに綱吉から出た人名。
 人として認識されていない代名詞でしか呼ぶことの無い綱吉から出た、その名前。
 五歳以前からの知り合いでも無いのに名前で呼ばれるという栄誉を賜ったランボは、綱吉のその声に曇り一つ無い笑みを浮かべた。





ランボもバレておかないとね!
ということで、スレツナ×スレキョウちゃん連載終了です。
ご愛読ありがとうございました!

2009/12/ 作成


そして、例によって例の如くおまけ。
ただし、今回スレランボさんがにょたですの(笑)




「もしもし?」
『聞いてくださいよー、恭弥さーん』

 うぐうぐ、と息を引き攣らせたような悲鳴染みた声が耳元に響いた。

「うるさい。いくら君でも咬み殺すよ」

 数少ない仲間の内でも同性は彼女くらいしかいないのだ。
 だから、と多少のことは大目に見ても、電話に出た途端にこれでは怒っても仕方ないだろう。

『ひっく…恭弥さん、だって……』
「はいはい、またアルコバレーノに何か言われたの?」

 こうやって電話をかけてくると言ったら、それくらいしか理由が見当たらない、と恭弥は答えた。

『あいつ、あろうことか、いきなり胸を揉んできたんですよ!!』

 泣いていただろう声が、綺麗に通り……あれ? 本当にさっきまで泣いてた? と聞きたくなるほどに力強く響いた。

 彼女の話によるとこういう経緯だったようである。



 いつものように行われていた守護者たちによるボス奪還作戦会議。
 どっからどう考えても奪還ではなく、ただの強制、拉致。
 そんな犯罪めいた計画を出し合う年上の男たちを見ている。

「ランボの意見は?」
「あ゛ー? 何かあんのかよ」
「ご、獄寺氏、こちらで目撃されたという情報は…」
「それはただのフェイクだろ!」

 んなこともわかんねーのかよ、アホ牛。
 そうはきはきと言う獄寺に、落ち込んだ表情を見せ、会議の喧騒から少し心持ち離れる。
 その表情の影では、そっちの情報が正しいのになぁ、と笑いながら。

「じゃー、これで行くか!」

 計画が立ったようだ。
 どうせ今回も空回ることが確定している計画の概要を覚え、後でメールで連絡でもしようかと計画を練る。

「それでは、オレはこれをやってきますね」

 準備段階の一つの工程を行うために席を立つ。

「ちょっと待て。オレも行く」
「え? リボーンも?」

 こんな地味な作業は嫌いであろうリボーンが何故?
 実際、彼らの妨害等でこの作業以外はとてつもなく大変なことになることを分かっているランボは困ったように眉根を寄せた。

「なんだ? 格下が何か文句あんのか?」
「い、いえ!」

 勝手についてきてよ、とか呟きながらランボは歩く。

「……おい」
「ん? 何?」

 何だろう? と不思議そうな表情で振り返ろうとするランボに、リボーンは手を伸ばす。

「いつの間にこんなに乳がでかくなったんだ?」
「……………ばかー!!」

 いきなり揉まれたことに、ランボはリボーンを突き飛ばし、離れる。
 その突き飛ばすための行動は、察知したリボーンがスッと避けてしまい、実際はただ離れただけであった。

「しかも、第二ボタンまで外すから谷間が丸見えだ。お前、襲われたいのか?」
「何言ってんだよ!!」

 怒りを表して睨みつける。
 その瞳がうるっと涙が浮かんでいることにリボーンは少しだけ動揺する。

「リボーンなんか大っっっっっ嫌いだー!」

 バタバタと子供めいた走り方でリボーンから距離を取り、そして部屋に鍵をかけて籠もった。


「……はぁ。何あれ」

 ビックリしたのは確かだし、怒ったのも確かだ。
 けれど……

「いきなり揉むって、あいつの愛人の数ってただの飾り?」

 バカらしい、とランボは首を振る。

「まぁ、この胸は邪魔ではあるんだけどね」

 それでも、洋服と化粧で男を騙して情報を得てくることもできるのだから、ある意味重宝しているのだ。

「それでも、あいつ嫌い」

 恭弥さんとツナに訴えて、どうにか殺してもらえないか、と打診してみよう。
 だって……女に手を出すってどういうことか、理解してないわけじゃないでしょう?
 ふふ、と笑うランボはまだまだ年少なでありながら、女であった。



正直意味不ですの。
ただ、ちょっとキョウちゃんと同性ながらの仲良しさがあるランボとかってありじゃね?とか思っただけです(笑)
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