少々未来に飛びます。
次回、時間軸は戻りますがちょっと10年後をw
ツナが10代目就任するのが15歳(中卒)で、それから10年――
「ミーは、ヴァリアーなんて入りませんー!」
拉致された先で入れと言われて拒否する。
睨まれ威圧されるが、これくらいは軽く受け流せる。
「それだけの幻術の才能、使えるから金の卵もいいところだよ」
もったいない、と続けるマーモンにフランは眉根を寄せる。
その表情に何か記憶の欠片を刺激されるが、何が原因かわからない。
「誰が何と言おうと、ヴァリアーは無理ですー」
フランが拉致されたのは、街中を買物中、難癖を付けられたマフィアへの対応に幻覚を使ったのが原因だ。
金の誘惑はかなり美味しいが、そうはいかない事情もある。
「……どこだったらいいんだ?」
妥協しようとでも言うのか、ザンザスにしては珍しく力が入っている。
あれだけの実力を持つ人物を野に放ち、敵対されては目も当てられない。
そこまで考えてザンザスは言った。
「そうですね〜……」
一番はこのまま帰してくれることですけど。
「百歩譲ってボンゴレ本部の中枢、かな?」
無理難題を言う。
身許も明らかでは無い人物を易々とボスに近付けられるわけは無い。
「流石にそれは無茶じゃないかしらぁ?」
ルッスーリアが苦虫を噛み潰したかのような表情を浮かべている。
「だったら早く帰して下さい〜」
早く帰らないと怒られちゃいますー。
「いいだろう、付いてこい」
「ちょっと、ボス!」
あっさりと本部に連れて行こうとするザンザスにヴァリアーの幹部たちは狼狽した。
立ち上がったザンザスを見ていたフランは、超直感が働いているのだと見て取って、嘆息した。
「仕方ないですよねー」
覚悟を決めたらしいフランは、その後ろを付いていった。
ゆったりとした様子でありながらスタスタと進むザンザスとフランにヴァリアーたちが付いていく。
心配から、付いてきている部下たちを気にも止めずに進むザンザスにフランはクスリと笑う。
「何がおかしい?」
「いえいえ〜、大したことじゃないです〜」
ただ、ドッキリの醍醐味はここかもしれない、と思っただけで、とは口には出さずに思っただけの言葉。
少し楽しみだ、と吊り上げた笑みは、悪い笑みだっただろう。
「10代目はいるか?」
ノックすらせずに開いた執務室の扉。
礼儀くらい守れ、と睨み付ける隼人を無視して綱吉に近付く。
「呼ばないのに来るなんて珍しいね」
「こいつ、くれないか?」
ヴァリアーで使いたい、と言ったザンザスに、首根っこを掴まれたフランが綱吉を見返した。
「はぁ。それ欲しいならオレと恭弥の二人に許可取らないと無理だよ」
とりあえず、そんな掴み方しない、と言えば解放されたフランはザンザスから離れ、綱吉の斜め後ろ辺りへ移動する。
その位置はいつでも窓から飛び出せるギリギリの距離。
「フラン、窓から逃げたら逆鬼ごっこ始まるよ」
フランを捕まえるために、複数で攻撃もありのバーリトゥード鬼ごっこが始まる、と言えばフランは逃げるのは諦めたらしい。
流石に、綱吉・恭弥・リボーン・骸に襲われるのは嫌だ。
その場に座り込んだ。
「分かっていて連れてきたんじゃないの、ザンザス?」
超直感働かなかった?
「この子、オレの子供だから、次期ボンゴレ第一候補だって」
…………
「はぁ!?」
言われた言葉が伝わるまでに数秒かかってしまった。
「あぁ、今まで誰にも会わせてなかったね、ごめんごめん」
軽く言う綱吉の言葉に、知らなかった隼人たちが呆然としている。
「九代目がやったんだけど、いわゆる試験管ベイビーね」
だからオレと恭弥の子供、と続けた内容に付いていけない全員を見ながら、楽しいは楽しいよね、とフランは笑う。
その笑みは、恭弥と綱吉の笑い方を足して割ったようであった。
「ぁ、ヴァリアーに捕まって逃げられなかったみたいだから、今日の修業は一時間延長ね」
宣言された内容に、そうなると思っていた、とフランは頷いた。
それを覚悟して、ここに連行されたのだから、と。
ヒバツナの息子フラン、でしたー。
かなり前になりますが、拍手でフランはどうなりますか?という一言が届いたことがありまして・・・
え?フラン?フラン・・・・・
で出た答えがこれです。
ありですか?と数名に聞いたら、大丈夫だと言われたのでこのまま確定しましたw
年齢質問ありましたが、10代目になる時期に試験官から出てきた設定なので、一応10歳でしょうか。
むしろツナたちが若すぎる気がしないでも無いw
2011/3/3 更新
おまけ
「さて、はじめようか」
指を鳴らす綱吉にフランは頬を引き攣らせながら戦闘準備をしている。
親だというのに大人げない彼らとの修行はいくつ体があっても足りない程だ。
「お手柔らかに」
延長かけられているということは、それだけキツイことになるのは目に見えている。
だからと言って、手加減をしてくれるような相手では無いため、ただ言うだけ言っただけだ。
「じゃあ、先手譲るからどうぞ」
どこからでもかかってきて、とグローブに包まれた手を広げる綱吉に、フランは幻術を交えて攻撃を開始する。
超直感持ちの綱吉に幻術はそうそう効かない。
勿論同じ血を引いているフランにだって幻術はあまり効かないのだからおあいこだ。
それでも幻術を使うのは、多少なりと視界のコントロールが可能なためだ。
「いつもと同じことしかしないなら、こっちから行くぞ」
たまには違うこともしてみせろ、と余裕たっぷりの綱吉。
下手な手を出すと戦闘意欲に火をつけてしまうようなことになる雲雀や骸と違ってその問題は起きない。
「お言葉に甘えて!」
幻術のために霧属性に近付けていた炎をオレンジ色に輝かせ機動力を上げる。
歴然としてある年齢差による体格差が大きすぎて体力が違いすぎる。
だけれど瞬間的に肉薄することならば可能だ。
後ろを一瞬でも取ったことに綱吉は感嘆の声を上げる。
「流石オレと恭弥の息子!」
戦闘センスだけはずば抜けているよなぁと言っている。
「ミーは勉強の方が好きですぅ」
戦闘も嫌いじゃないが、まだ知らないことが多いから本を読んだり勉強することが楽しくて仕方ない。
「……仕方ないなぁ」
次の対戦相手が来るまでは勉強でいいよ、と部屋の隅へと移動する。
炎を使った戦いを行っても大丈夫な、丈夫な部屋の端には見学用のスペースがある。
そこには今日フランのことを知った人たちが見学に来ていた。
テーブルにはフランが最近気に入って読んでいる本が数冊置かれている。
「すげぇな、お前!」
今度オレともやらねぇ? と武が言い、それならオレも是非、と隼人も手を上げる。
声はあげないものの戦闘に参加するつもり満々のザンザスの姿まであれば――
「モテモテだねぇ……」
そんな風にからかうような発言をしてしまうというものだ。
「ミーの身が持ちませんよ〜」
本気で止めてほしい、と全力で訴えながら、本を盾に少し距離を取ろうとするフラン。
まだまだ小さい子供がやることに、大人たちは微笑ましく笑ったのだった。
フランの休憩時間は、戦闘訓練を楽しみに十分後やってきた恭弥によって終わらせられるのだが、それも仕方ないことだろう。
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