獄寺と山本が勝手に応接室へと突入してしまった。
 獄寺はダイナマイトを恭弥に放ち、山本も戦っていた。
 勿論、綱吉が何とか応接室に入れた時には二人共咬み殺された後だったのだが・・・

「キョウちゃん!」
「やぁ、綱吉」
「キョ、キョウちゃん! 怪我は!? 何とも無い!!?」
「大丈夫だよ」

 わたわたと慌てて綱吉は恭弥を心配している。
 そして恭弥をソファに座るように促している。
 その最中に窓の外からリボーンが自分に向かって銃を構えていることに気付いた。

「んなー!?」
「死ね」

 リボーンが死ぬ気弾を撃ち、綱吉は死ぬ気で復活した。
 復活した綱吉はまず窓に近付き、リボーンを獄寺と山本の方へと連れてきた。

「そこに正座しろー!!」

 獄寺と山本はその声に何となく従い正座する。
 リボーンは何故こんな行動になっているのか分からず首を傾げている。

「人様が居る部屋に無断で入るのは犯罪だ!」

 どうやらそこから説教が始まるようだ。
 攻撃をしたことに対しても怒っており、獄寺にはそう易々とダイナマイトを使用すること自体も怒っている。

「じゅ、じゅうだいめ・・・」
「いいから、反省しろ! あと、リボーンもだ!!」
「何だ?」
「全部分かった上での犯行だろ、お前は!!」

 ガミガミと怒っている。
 その少し後ろでは恭弥が見なかったことにして、風紀の仕事を片付けている。

「・・・次、人に迷惑をかけたら、こんなもんでは済まさないからね!」

 わかった!? そう怒鳴っている。

「第一、りゅうざ・・・いや、やっぱこれはいい」

 怒りのままに口にしようとした言葉は死ぬ気状態が終わったのもあり、途中で途切れた。
 そんな怒りの説教により、獄寺は沈み込み反省している。
 山本も顔から笑顔が消えており、反省しているようだ。
 全く反省した様子が無いのはリボーンだけだ。

「・・・リボーン、覚えていろよ」

 死ぬ気は終わったものの、怒りのままに綱吉はそう言った。

「・・・終わったなら、とっとと出てってくれる?」
「あぁ! すみません、ヒバリさんv」

 リボーンを引っ掴み、慌てて綱吉は獄寺と山本の背中を蹴飛ばしながら、応接室から出て行った。



 ヒバリは役に立つ男だぞ。
 そう言ったリボーンは交流を深めておこうと思ったのだろう。
 あれから少しして、恭弥と接触を図ろうとしていた。

「・・・・・何で居ない?」

 どこを探しても恭弥を見つけることは出来なかった。
 それと言うのも――


「キョウちゃん、ダメだよ! 学校来るの禁止!!」
「・・・何でさ」
「危ないでしょ! それに、性別バレるよ」
「・・・・・」
「オレはバレても良いんだけど、キョウちゃんは嫌なんだよね?」
「・・・・・わかった」

 という話があり、結局恭弥は家で大人しくしていたのだ。
 大人しくしている代わりに綱吉が毎日訪問することや、風紀委員への指示は携帯電話を使うこと、草壁の出入りが一週間に一度あることなどを条件に。


 そんなことを知らないリボーンは学校や町中などをずっと探しており、発見することができないことにジリジリとした焦燥感を覚えていた。

「何でどこにもいねーんだ?」

 風紀委員はいつもと変わりなく動いているし、何かがあった訳でも無いと言うのに・・・恭弥だけが見つからない。
 隣の家に住んでることも知らず、探し続けていたのだった。




「って、何これ〜〜〜!!?」
「それはドクロ病っていう不治の病だ。ツナ死ぬぞ」
「いきなり――!!!」

 突然に死ぬ気弾の副作用で死ぬのだと言われ、驚く。

『恋人は美人さん♪』
『はじめては食べられちゃいました』
『学校で初体験』

 そんな書かれた言葉の中に、こんな言葉が混ざっていた。

『半年くらい後には一児のパパ☆』

 なんていう言葉に、綱吉は恭弥へ連絡しようと決める。
 そうだ。オレはこんな所で死んで、キョウちゃんとまだ見ぬ子供を置いていくわけにはいかない! と。

「ん?」
「・・・え?」

 そんな覚悟を決めて携帯を手にしていると、シャマルが何かに気付いたかのような声を上げた。

「お前・・・漢だな」
「・・・は?」
「うんうん、その若さでそれは流石のオレでも敵わないぜ!」

 と指差した場所には先程気付いた、一児のパパの文字が・・・

「頑張れよ!」

 そして、オレにその奥さんを紹介しろ! と治療してくれたのだった。

「・・・・・」

 紹介する訳が無いし、手を出そうとする前に芽は潰しておこうと決める綱吉だった。




「もうすぐだね」

 綱吉が恭弥の腹部に手を当て、話しかけている。

「早く産んじゃいたいんだけど・・・暇すぎるんだよ」
「・・・咬み殺しに行っちゃダメだからね、キョウちゃん」
「・・・・・わかってるよ」

 渋々返事を返す。

「今の間、何ー!?」
「でも、そろそろ並盛が心配なんだよ。長く巡回できてないし」
「そんなの行っちゃダメ!!」
「早く産んじゃいたい・・・」
「キョウちゃん!! 出産終わっても暫くは安静なんだからね! わかってる!?」
「・・・・・」
「何で返事無いの――!!?」

 綱吉は怒っているが、どこ吹く風とばかりに恭弥は聞き流していた。



* * * * * *




 それから数ヶ月。
 辺り一面が白い雪に覆われ、リボーン発案で雪合戦を行うこととなった。
 場所は並盛中グラウンド。
 ここで騒ぎを起こせば恭弥が現れるかもしれない、という打算も込みでの選択だった。


 そんな雪合戦だったが、全員脱落し綱吉だけが残った。
 綱吉はレオンTURBOを追いかけ走っていく。
 その最中に転んでしまい、レオンを眼で追っていると取り上げた人が居た。
 それは誰だ、と綱吉が顔を上げると、恭弥がいた。

「何これ? あと、そのデカいカメ」
「キョ、キョウちゃん!?」

 ガバッと起き上がり、慌てて恭弥と向かい合った。

「キョウちゃん、こんな所で何してるの!?」
「何って・・・学校が気になったから来ただけだけど?」
「まぁ、確かに数ヶ月来なかったら気になるとは思うけど・・・」

 風紀委員長としても数ヶ月学校を空けていたら気になることは間違いないと思う。
 思うけど・・・

「まだ安静にしてろって言われてる時期じゃないですかー!! 帰りますよ!」
「はいはい」

 レオンを恭弥から受け取り、それをリボーンに投げ渡す。

「リボーン、オレ帰るから」
「雪合戦の優勝が決まってないぞ」
「そんなのリボーンでいいんじゃない? それより重要なことがあるから」

 急がないと! と何やら慌てている。

「待て、ツナ! お前、ヒバリと一緒に帰るのか?」
「うん。リボーンはちゃんとこれの後始末をしていけよ」

 早く帰らないと、キョウちゃんこんな格好だし、風邪とか引いちゃうよ。
 そんな理由で慌てていたようだ。

「オレも帰るぞ」
「邪魔しなきゃいいけど」

 そんなのどうでもいいと、恭弥のいる場所に戻る。

「ねぇ、キョウちゃん。・・・一人にしてきたの?」
「ううん、奈々に預けた」
「あ〜、まぁ、居候たち全員ここに居るから、大丈夫だとは思うけど」
「預けた時に学校だって言ってたから、それもあって来てみたんだけど」
「あ、そうだったんだ。ごめんね」

 二人の会話は二人にしか分からないように進められている。
 その会話を聞いて、リボーンは不思議そうに首を傾げる。

「ツナ、何の話だ?」
「あ〜・・・家に帰れば分かるんじゃない?」
「一目瞭然、かもね」
「うん。あ、キョウちゃん、上着もマフラーも何もしてきてないの!?」
「うん」
「ダメだよ!」

 慌てて綱吉は自分がしていた防寒具を恭弥に付けていく。

「いいよ。綱吉も寒いでしょ」
「そんな問題じゃないから! って、またサラシもしちゃってるし・・・」
「はいはい、どうでもいいから帰るよ」

 これ以上問答を続ける気が無くなった恭弥は、マフラーをなびかせながら歩いていく。

「・・・さら、し?」

 サラシって何だろう? と首を傾げているリボーンは二人を慌てて追いかけていった。




「ただいま!」
「お帰りなさ〜い」

 楽しそうな奈々の声に笑みを浮かべつつ居間へと向かう。

「ほら、ルナちゃん。帰ってきたわよ〜」

 抱いている赤ん坊に言う。

「ありがとう、母さん」
「いいわよ、ルナちゃん可愛いもの。それに、半年も前から預けられることは覚悟していたもの」

 奈々からルナを受け取り、ベットに寝かす。

「ツ、ツナ? その子供は・・・?」
「ん? オレの子供」
「はぁ!?」

 流石にとんでもない発言にリボーンが驚いてる。

「リボーンちゃんも驚くわよね。私も聞いた時驚いちゃったもの」
「うん・・・ごめんね」

 綱吉は謝る。
 その間、恭弥はルナに構っている。

「どういうことだ!」
「う〜ん・・・あれは――」



 入学式の日、押し倒されてそんなことがあった後。
 数ヶ月した時だろうか、応接室で二人でいた時に恭弥が言った。

「何かできてたみたい」
「はい?」
「まさかとは思ったんだけどね・・・」
「って、まさか!」
「うん。で、産むから」
「ちょっと待って! 少しは考えようよ!!」
「言ったじゃない。産めばいいでしょ、って」
「そんなあっさり〜!!」

 とんでもない発言をする恭弥に綱吉は頭を痛そうに抱えた。

「えと、まずうちの母さんと弥生さんと裕恭さんに話しましょうか」

 流石に話さない訳にはいかないことだろう、と綱吉の言葉に仕方なく恭弥は頷いた。



「母さん、ちょっといい?」
「何かしら?」
「えっとね・・・ちょっと言いにくいんだけど」
「またテストで赤点でも取ったの?」
「それだったらどんなにいいことか・・・」

 ふぅ、と一つ溜息を吐く。

「えっとね、実はさ・・・妊娠したらしいんだ」
「誰が?」
「・・・キョウちゃん」
「え?」
「うん・・・それで、オレの子供なんだよね」
「・・・って、ツー君! 何やってるの!!!」

 一瞬、内容が頭に巡るまで多少の時間がかかり、大声で綱吉を怒鳴った。

「あはは・・・ごめん」

 遠い眼をして笑みを漏らしている。

「で? 堕胎費用とかそういう話?」
「いや、もうちょっと厳しい問題・・・キョウちゃんが産むと言ってて」
「えぇぇ!?」
「・・・母さんからも説得、協力お願い」
「わ、わかったわ・・・やよちゃんに連絡しないと・・・」
「ご迷惑おかけします・・・」

 母親にとても迷惑をかけている事実に、ただただ頭を下げるしか無いのだった。




「・・・な、感じ?」
「で、そこに子供が居るってことは、説得失敗したんだな」
「うん、そういうこと」
「・・・全く気付かなかったな」

 ヒバリが女性だったことも、妊娠していたことも・・・
 そして、綱吉と付き合ってたこともだ。

「それはそうじゃない? 学校行くのは綱吉に止められてたし」
「流石に止めますよ! いや、別に行ってても何も言えないんですけど・・・中学ですからね」

 性別がバレることに関しては、綱吉はいいと思ったらしい。
 けれど、年齢と出産のことを考えると学校に行かせる訳にいかなかったのだ。

「じゃあ、この赤ん坊はツナとヒバリの子供か」
「そうなるね」
「将来有望そうだな」

 ニヤリ、と笑ってポジティブに考えたようだ。

「って、何言ってんの!? 危ないことに巻き込むなよ!!」

 そう綱吉は慌てて突っ込んだ。







という訳で、見た夢でした。
本気でどんな夢見てんだ、私(笑)
見たのは雪合戦から最後までです。

もし、第一話のあの時点で妊娠してしまっていたら。

そんな内容ですね。
計算すると、この頃に出産です、はい。

この話なら・・・と考えて思いついた応接室襲撃とその後は書き足しですv

2008/2/16 作成
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