例によって例の如く、生まれ変わった。
 それはいつものことだから良いだろう。
 隣で骸がこのお菓子貰いますよ、とか食べてるのもどうでも良い。
 今回女の子になってたのも、もう諦めに近いし。

「なぁ、骸」
「はい?」
「結局二人は生まれてこないな」
「今回はいないだけじゃないですか?」

 次回は何食わぬ顔で現れると思いますよ。

「うん……そうだよな」

 ツナヨシも恭弥さんもいない。
 骸だけでもいて良かったと思うべきか……
 ボンゴレからの使者も無く、平和な日々。
 このまま何事も無く済めばいいのに――



 並盛を数日で掌握したという転校生の話で周囲は持ち切りだった。

「つぐ君」
「うん、きっとそうだよね!」

 骸の視線に頷く。
 並盛の秩序と言えば――


「ぁ、ヒバリさんだ」
「あんまり近付くんじゃねぇよ!」
「分かってるよ!」

 ざわざわと不良たちがざわめく。
 その視線の集まる先にいるんだろう。


「恭弥さ――……ツナヨシ?」

 恭弥さん、と呼びかけようとして、その先にいる人物を目にしたつぐみは呆然として呼びかけた。

「誰のこと? オレそんな名前じゃないけれど」

 素っ気なく言ってはいるが、目が笑っている。

「ツナ君……」
「だから、オレは裕生だって、名前」

 やはり目が――いや、堪え切れなかったらしい。
 クッ、と息を漏らした直後笑い始めた。

「ツナヨシ、何やってんの……」

 何遊んでいるのだ、と笑う背中に声をかける。
 ようようと笑いを収めた彼はニッと笑った。

「ん? あぁ、昨日から並盛の秩序に就任した雲雀裕生だよ、よろしくな!」

 ケラケラと笑いながらそう言った。




「……だから髪の毛黒いんだ?」

 恭弥程では無いが、黒髪黒眼で今までとは色が全く違う。

「前より纏まりやすくて楽だね」

 癖毛の様子が今までと違って落ち着いている。
 ストレートと言える程ではないが、かなりそれに近いのは確かだ。

「キョウちゃんは?」
「並中の応接室確保に行ってもらってる」
「え? 転入してくるの?」
「そういう噂の内容だっただろ?」

 来週から予定だったから、先にやってたんだけど。

「違います! キョウちゃんとの関係は!?」
「双子」

 せっかくボンゴレ関係無い場所に生まれたと思ったのに〜……

「ガッチリガードには持ってこいのポジションだけど」
「あぁ、結婚できませんものね、兄弟姉妹じゃ」

 それは文句も言いたくなるだろう。
「でもそんなの関係無くない?」

 今更結構にこだわらなくても、と言ったつぐみを見て。

「全く関係無い場所でパラダイスしてたかった」

 ときっぱり言う綱吉につぐみは苦笑した。





ちなみにこれが拍手レスでツナ様ごめんなさい状態になったから、と言ってやることにしたツナ様ご希望の転せ……
「んなわけあるか!」
だから聞いたじゃない、条件。
「これは違うだろ!」
性別は一周目と一緒で、ボンゴレと関係無い場所、キョウちゃんと一緒に過ごす。ほら。
「ほら、じゃねぇ!!」
希望とどっか違う?
「言わなくても大前提くらい叶えろ!」
そんなの私に言う方が間違ってる〜♪
「もうやだ、この作者……」





「覚悟しやがれ!」

 まんま、やられ役なセリフを口にした不良たちが目の前に立ち塞がった。

「抵抗するんじゃねぇぞ」

 この女が傷付けられたくなければな!
 そう死亡宣言だろう言葉を口にした不良が武器を突き付けたのは――

「キョウちゃん!?」

 恭弥の姿に裕生は悲鳴を上げた。

「ねぇ、ツナ。これ貰っても良いのかな?」

 ニィッと引き上げられた唇の笑みは、獰猛な獣のもの。
 戦闘欲に支配されたそれに、ただ頷く。

「なら……」

 どこからともなく取り出したトンファーを手に、恭弥は踊り出た。


「これに懲りたらキョウちゃんに手を出そうとしないことだね」

 死屍累々と倒れている不良たちを見下して言う。

「オレの弱点なのも確かだけど、最強だからな」
「ツナには敵わないけど?」
「そんなこと無いでしょ」

 謙遜みたいな言い方だが、恭弥は真剣に言っている。
 客観的に言えば、二人とも強すぎるわけだが。

「それより帰ろう?」

 今日はハンバーグだし! と綱吉の手を引く恭弥に頷く。

「お腹もすいたしね〜」

 ほのぼのとした笑みを交わし合う二人は、つい先程凶行に及んだとは思えない穏やかな雰囲気であった。




「ただいまー」
「お帰り、恭弥、裕生」
「ご飯は?」
「用意してあるけど、恭弥もただいまくらい言いなさい」

 そんな小言を恭弥は耳に入れていない。

「ツナ、行こう!」
「はいはい」

 二人が仲良く居間に入ってゆく背中を追いながら。

「ツナって……どこから来た呼び方なのかしら?」

 何度か注意しても直らなかった呼び方に、母である弥生は首を傾げた。
 裕生――ゆうき、から掛け離れた呼び名にまた疑問を持つのだった。





こんな世もあるだろう、っていう。
ボンゴレ関係無い場所で生まれても、並盛の秩序になってたら同じことじゃないか、と思わなくも無い。
一応、この話のボンゴレのネタがあるので、完成したら更新します。

2010/04/21 作成




「てめぇに恨みは無いが、死ね!」

 襲い掛かってきた金髪の男を見てつぐみは瞳を瞬かせた。

「誰が理由?」

 歌うように、骸? 恭弥さん? ツナヨシ? と名前を並べ立てる。
 その最中にも飛んでくる武器や攻撃を軽くあしらう。

「いきなりだし、きっと秩序関連かな?」

 つい先日秩序になったばかりの裕生のことを思えば、そうだろう。
 今回は大人しくしている恭弥や、今までずっと一緒に過ごしてきた骸が理由では無いだろう。

「オレを狙うってことは、恭弥さんにもう手を出した後かな?」

 ツナヨシの中での優先順位は低いと理解しているから。

「でも、とりあえず、殺意向けられるのは流石にアウトかな?」

 クスッと笑った大人っぽい笑みが妖艶に感じられ、恐怖からの感情も重なって背筋をゾクリと冷たいものに撫でられた心地になった男は、向けられる攻撃をただそのまま受け止めた。




「つぐ君、暴力的になりましたね……」

 わざとらしく目元にハンカチを当てる骸が後ろに立っていた。

「いたなら助けろよ!」
「充分じゃないですか?」

 僕の力なんて無くても、と骸は笑う。

「石橋は叩いて渡るもんだぞ?」
「嫌ですね〜、つぐ君でも僕でも、叩いたら壊れちゃいますよ?」
「……そうなんだけどな」

 言われなくても分かっている。
 全力でやったら壊すだろう、骸でも、つぐみでも。

「でもオレ今非力だもん」

 炎の補強が無いと無理〜。

「なんで女なのに恭弥さんとか、できるかな?」

 奈津美も、骸が女になってもできるのに。

「本当に不思議」

 何となく釈然としないよな、と炎の補強も無く男たちを撃退したつぐみは呟いた。





「おやおや……?」

 起きた事態に骸が感嘆の声を上げる。

「それで止めるなよ、なぁ、骸!」
「いえいえ、分かってますよ」

 まぁ、どうとでもなりますよ。

「うん……骸だけが頼りだよ、オレ」

 涙を浮かべて骸を見上げた。


「自覚してないのは分かってますけど、ちょっとは気を付けてほしいものです」
「……?」
「つぐ君、また襲われたくないでしょう?」

 涙目で潤んだ瞳で男を見上げるのは、色々とヤバイ。
 骸自身は慣れてるから良いものの、人前で甘えるようにされてしまうのは止めてほしいのだ。

「?? ……うん、しないようにする?」

 理解してないが、つぐみはそう頷いた。

「――で? オレはいつまで無視されるんだ?」

 つぐみの家庭教師に、と現れたリボーンはボソリと呟いた。
 人前、イコール、リボーンの前だったのである。

「まだいたんですか?」

 冷ややかに骸は見下ろす。

「つぐ君を変なことに巻き込まないで下さいね」

 軽く釘を刺し、つぐみにコーヒーをいれるために、つぐみを連れて行ってしまった。


 マフィアのボスにするために来たリボーンの、終わりなき戦いはこの時始まった。





「ボンゴレリング?」
「あぁ、これはハーフリングで、ハーフリングを持った者同士が戦って勝った方が守護者として相応しいと認められるんだ」

 そして、その認められた人数が多い方の陣営がボスとなるんだ。

「いや、それは分かってるんだけどね」

 オレ、別に戦う気無いよ?

「最近、母さんが女の子なのに怪我ばっかりして、って心配してるしね」

 このリングはその相手に渡すから、今度逢う機会作ってよ。

「ダメだぞ。相手は暗殺部隊ヴァリアーのボスだ」

 勝ったらお前ら全員を殺すつもりだ。

「死にたくないなら戦え」
「嫌だって。ね、骸」
「そうですねぇ、僕がつぐ君とキョウちゃんとツナ君は守りますから大丈夫ですよ」
「うん、それだけいればいいな」

 素で獄寺や山本たちの存在を忘れ去り、コクコクとつぐみは頷く。

「お前ら、命かかってるのに軽すぎだぞ!!」

 怒鳴るリボーンを無視し、骸に綱吉へと電話させ、ヴァリアーの並盛での拠点の位置を教えてもらおうとするのだった。





リングはそのまま渡した←
攻撃は多分みんなあっさり避けて排除した。
っていうか、ヴァリアーにやられるわけないよね、この四人が。
ザンザスが10代目になります、この後。
ぇ?そのあとボンゴレどうなるか?って?
そんなの崩壊するに決まってるじゃん(笑)

一応、九代目の遺志ということで、リボーンはそのままかてきょーとして残ります。
あわよくば、つぐみにボスになってもらえるように。
ま、無理なんだけどねw





「お前なぁ〜……もう結婚できる年齢なんだから、ことあるごとに骸の所駆け込むの止めろよ」

 男なんだぞ?
 何度か骸にも注意されてるだろ?

「付き合っても無い相手にベッタリは流石にどうかと思うぞ?」

 そう言ったリボーンに、骸の首にしがみついたまま首だけで振り返った。
 数秒リボーンを見つめた後、骸の方に顔を戻した。

「むく、結婚可能年齢まで後どれくらい?」
「次の誕生日なので――あぁ、もう来月ですね」

 月日が経つのは早いものです、と言いながら自分の膝から滑り落ちそうになっているつぐみを支えた。

「ふぅん、じゃ、出しといて」
「いいですよ」

 軽く頷いた骸に満足そうに笑う。

「……なぁ、それって」

 今の会話の流れでその発言って、つまりは――

「うん、婚姻届ね」
「付き合っても無い癖に何言ってやがるー!!」

 どこまでも軽い二人にリボーンはブチ切れる。

「えぇー? だって男嫌いだし」
「お前が抱き着いてるのは男だ!」
「違うよ、骸」

 骸だから、とそれで説明は終わったとばかりに骸に懐く。

「それで結婚生活が成り行くかぁ!」

 怒鳴り付けるが、つぐみは無視している。

「ん〜、どっか旅行行く?」
「ツナ君たちと南の島でも行きます?」

 確か最近の新婚旅行の一番人気だったはずです。

「暑い場所で燃え上がれ?」

 それでいっか〜。

「だから! 男女の関係も無いのに結婚なんかすんな!!」
「リボーンうるさい。今からでもエッチしてくればいいって言うの?」
「できるのかよ、男嫌い!」
「まぁ、骸なら〜?」

 別に構わないと言い切ったつぐみに、リボーンは頭を抱えた。

「骸はそれで良いのか?」
「つぐみ相手なら何一つ文句無いですから」

 あっさりと答えられ、こいつらは付き合ってなかっただけなのでは無いか、と今更ながら気付いた。
 そういや昔から付き合ってる噂話は町中で有名だったか、と。





って辺りで終わる。
ちょっと書きたかっただけなんだもん、この話。
まぁ、どの周回の話だったとしても、拍手等でどこそこどうなった、とか聞かれて、小説にできるだけ私の中で膨らんだら書くんだけどね。

そうそう、裕生ってのは、裕恭さんと弥生さんの残りの漢字の組み合わせなだけですよw

2010/4/22 作成
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