「一年に一回しか会えないんだってさ……」
唐突な綱吉の言葉に訳がわからないといった表情を向ける。
「何、七夕?」
「そう、今日でしょ?」
「そういえばそうだったね」
七月七日、逢瀬の日だと言われているその日。
空に輝く星の集まりは薄曇りに隠され、見えることは無い。
「雨で増水……」
「あれ、ただの星の集まりに見えるだけのものだよ」
川ですら無い、などと浪漫の欠片も無いようなことを言う。
「大空を隠す雲……ねぇ、キョウちゃん、ただ隠れて逢ってるんじゃないかな?」
「あぁ、そうかもね」
夫婦だって言うし、それくらいは逢わないと続かないんじゃない?
「第一、星の寿命から考えたら数秒だかに一回逢ってる計算になるんじゃなかった?」
「……それはそうなんだけど、ロマンが……」
「そんなことにロマンを感じる必要がどこにあるのさ」
ツナと一緒にいられる今があること、続いていくこと、それだけで充分だよ。
サラリと言うことに、それもそうだ、と綱吉は納得して、恭弥の手を握り締めた。
「――なことあったの覚えてる?」
「そんなこともあったっけ?」
あんまり覚えて無いなぁ、と遠い目をする恭弥に綱吉は笑う。
「まぁ、一番最初のことだしね」
あれから何度生まれ変わって、長い時間を過ごしてきたことか……
「いくら寿命が長くても一年に一回しか逢えないなんて言われたら、僕なら咬み殺す」
「そうだねー、オレなら氷漬けかなぁ?」
互いの牙を見せ合い、笑い合う。
こうしてずっと一緒にいること、それが一番大事だから、仕事をおろそかにしてしまったという気持ちもよくわかる。
けれど、仕事なんてほどほどにやるべきものだ。
「人様に迷惑をかけない程度に、ね」
クスリと笑った綱吉が、経理の書類を机に放り投げる。
同じように笑った恭弥が、見ていた書類を放り投げる。
「それじゃ、小旅行でも行く?」
「そうだねー」
誰かに見つかる前に。最低限だけを片付けた状態だから、少しなら大丈夫だろう。
「それじゃ、ちょっとツーでもからかいに行くか」
「そうしよっか」
二人はクスクス笑いながら、そーっと抜け出し、遠い空の向こうへ駈け出した。
正直、織姫周目、は童話パロで提出したお話になりますので、アレですが(苦笑)
そっちのは、企画サイトで当分公開して(公開日未定)その後回収後、O周目の2に変えてリンクしたいなぁとか思っています。
これはただの七夕の話をしているだけですしねぇ、この二人。
あはははw
2010/7/26 再up
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