「あっれ〜?こんな所で会うなんて奇遇だねー」

 風見家の10人が結構大きな道を歩いていると向こうから歩いてくる顔見知りの人物に気付いた。

「ホントだ!我愛羅にテマリにカンクロウだな!!」
「久し振り〜v」
「・・・えぇ!?木ノ葉の?なんで全員・・・・・」
「ちょっとねーvv」

 ここは風の国でも火の国でも無い。ナルトたちは神出鬼没なのでどこに現れていてもおかしくないが・・・

「こんな大勢で・・・任務か?」」
「あ、違う違う。ただの旅行だって」
「そっちは任務〜?」
「そんなの答えるわけ無いだろ」

 ナルトたちは家族旅行の真っ最中だったのだ。家に居ると親たちに襲撃されるので、一日ゆっくりしようと旅行に出たのだ。


「暇だったら一緒に食事でもどう?」
「こっちに一泊するつもりで旅館を借りたんだ」
「大勢で食べた方が美味しいからね」
「・・・旅館を借りたって・・・親が何か言わないか!?」
「別に親の金じゃないし・・・」
「自分たちの金を何に使っても構わねーだろ?」
「どうせ、あのかーちゃんたちなら止めねーけどな」
「あははは・・・そうに違いない!」

 自分たちの金と言うが、下忍の給料で旅館を借りたりなどできるのか!?
 そう思いつつも、木ノ葉の面々と話をするのもいいかと思い、同席することとした。
 どうせ今日は里に帰るだけの予定だった上、どこかに泊まらなければいけなかったのだから。




「・・・・・」

 借りてきた猫状態の三人の前に御馳走がズラズラと並べられていく。

「さてと、こんな所で再会した縁に・・・乾杯!」
「かんぱ〜いvV」
「かんぱ〜い♪」

 などなど、風見家の10人は楽しそうにコップを打ち鳴らす。

「か、かんぱい」←引き攣った笑み。
「・・・・・」←無言。
「かんぱいv」

 カンクロウのギクシャクした動きと我愛羅の無言で動かされるコップに皆がクスクスと笑う。
 テマリはサクラ、ヒナタ、いのの三人に囲まれ、楽しく話してたので普通に乾杯をした。

「こんな所に子供だけで旅行に来たのか?」
「家族旅行みたいなもんだからな」
「・・・かぞく・・・?」

 風見家は親戚ですけど、表向きは他人だってこと、忘れてません?

「我愛羅たちは届け物か何かか?」
「・・・そんな所だ」
「って、そんなことより!!うずまきだったよな?」
「それがどうかしたか?」
「あの特徴的な口調はどうしたじゃん!??」
「・・・あ、忘れてた」
「まぁ、これが本来の話し方ってことだ」
「あまり気にすんなって!」

 うっかり普段通りに話していたが、我愛羅たちは知らなかったのだった、としまった!という顔を一瞬だけしていた。



「あぁ、そうだ。酒でもいくか?」
「・・・飲めるのか?」
「運んでもらってあるからな」

 冷蔵庫の中から冷した日本酒やカクテルなどを出す。
 先程までは、お茶やジュースなど普通の飲み物を飲んでいたのだ。

「へぇ〜、結構いける口じゃん」
「そっちこそ、ちょっと意外かな」
「子供とか関係ないからな。我愛羅が一番飲むけど」
「子供とかはうちも関係なかったけどな」

 カンクロウも我愛羅もテマリも飲める方らしく、杯を重ねていく。




「・・・あ゛っ!!」

 皆で楽しく飲んだり食べたり・・・楽しい雰囲気の中、場を壊すような叫びを突然に上げた。

「どうした?サスケ」
「・・・影分身が消えた・・・」
「はぁ!?」
「何ヘマしてんだよ!!」
「んなこと言ったって!陰険眼鏡に毒薬盛られるとは思わねぇって!!!」

 ・・・・・。
 皆が何と言っていいかと口ごもってしまう。

「陰険眼鏡ってあれ?」
「あぁ。あのカブトだよ!新作の毒を飲ませたらしい」
「どうやって?・・・脅しとか?」
「人が飲むお茶に仕込みやがった」
「・・・それはサスケを狙って?」
「無差別」

 食事時に飲むお茶の一つに誰が飲んだとしてもいいや、と仕込んだらしい。
 それがたまたまサスケの元に辿り着いたということだ。

「・・・向こうは騒ぎになってるか?」
「あぁ。早速、捜索するらしいな」
「・・・早く帰った方がいいか?」
「だな。せっかく皆で遊びに来たのになぁ・・・」

 残念そうに口を尖らせながら窓を開き始めた。

「見つけた!!!!」
「サスケさま!何故こんな所に居られるのですか!!!!」

 その開いた窓から追っ手が入ってきた。

「・・・早すぎ。いくら隣の国で国境近くだとは言え・・・・・」
「確かに。・・・サスケ、自分で始末しろよ」
「分かってるよ」

 サスケはこれは自分の責任だからと追っ手たちを一人で片付け始める。


「え?え?え?えぇえ・・・?」
「どうなってるじゃん」
 カンクロウとテマリと我愛羅が混乱して、サスケを手伝った方がいいのかと立ち上がろうとするが皆に止められていた。

「ほらほら、飲んでv」
「これ、美味いぞ?」

 風見家の皆はあれくらいなら軽いと思っているからか、のんびりと食事を楽しんでいた。

「はい、終了。・・・ナルト、新しい影分身を里の裏の森で修行していたように見せかけて出したから今日はやっぱり・・・」
「いいぞ。大丈夫だと思うなら好きにしろよ」

 そして元の場所に座り、飲み始める。


「・・・・・なんなんだ〜〜!!!!?」

 テマリが周りの雰囲気に流されかけた沈黙の後、大声で叫んだ。

「ただの追っ手だから気にすんなって!」
「・・・あっさり殺してなかったか?」
「いやいや、大したこと無いってvv」

 我愛羅の疑問に笑って誤魔化そうとするナルトたち。

「なんか聞いたことがあるじゃん・・・」

 カンクロウが青い顔をして呟き始めた。

「先日、うちはサスケが里抜けして音隠れの里に行ったって・・・・・」
「・・・耳が早いな、カンクロウ」
「情報通ね、意外だったわ・・・」
「バレバレ、だな」

 カンクロウの情報にナルトたち全員が白旗を揚げた。

「さっきのは音からの追っ手で、サスケを探しに来たんだよ」
「向こうに置いてきた影分身が消えたから」
「えぇえええぇぇえ〜〜〜!!?」
「ちょ、ちょっと待つじゃん!!」
「・・・お前ら、強いのか?」

 あっさり殺していたことや、里を抜けたはずの人物と旅行に来ていることなどに驚いていた。

「もうサスケが殺した所見られたしな」
「だな。そう、オレたちは強いぞ」
「・・・手合わせしてくれないか?」
「今は楽しく飲んでるからダメ〜!」

 サクラといのが楽しそうに手をバッテンにしている。

「・・・里抜けしたのは何でだ?」
「情報収集のために。つまりスパイだな」
「火影の命令なのか?」
「いや、これはナルトの・・・」

「あいつの〜〜〜!!???」

 テマリの叫び声にナルトたちは耳を押さえ、旅館の人間が来ないように結界を張っていて良かったと安心していた。

「・・・サスケ、さっきからミスしすぎだ」
「すまん」
「ま、いいけど。オレはとある一族の当主なんだ」
「で、あたしたちは全員その一族なのよ!」

 驚きすぎで、三人とも眼を丸く見開いたまま固まってしまっていた。




「・・・・・あれ?また来た?」

 遠くから一直線にこちらに向かってくる気配に首を傾げるナルトたち。

「見つけたぞ!!!覚悟しろ!!!!」
「・・・今度はオレたちが原因のようだな」
「なんだ、合流前に任務があったのか?」
「そうなんだよ。どっかの大名の暗殺だったんだけど・・・」

 軽い暗部任務を貰って、会う前に終わらせてきていたのだ。

「主人の仇!成敗する!!」
「・・・流石に大きな城だったから大名と数名しか殺さなかったんだよね」
「へぇ〜。めずらし〜」
「あ?何がだ、サスケ」
「だって、そういう時は城ごと消したりしてただろ?」
「五代目にそこまでご心労をお掛けする訳にはいきませんからね」

 城ごと消したりしたらまた噂が凄いことになるだろうし・・・
 今でさえ、尾びれに背びれでやってないことまで木ノ葉の死神として噂になっているのに。(注:ほぼ真実です)

「・・・・・シカマル、そんな喋り方してるの?」
「少しずつ崩していって、最終的にはこれにすっけど?」

 五代目をからかうように一番最初にこんな喋り方をしてしまったのだ。

「うっわ〜、五代目騙されてる〜〜!!」
「サスケが言うことじゃねぇと思うけど?」
「ま、それはそうかもな」

 サスケの里抜け自体が五代目を騙していると言っていいだろう。
 そんなことを話している間に終わったらしい。
 話しながら始末していたりしていたのに、早いもんだ。


「・・・任務って・・・何やってるんだ?下忍なのに・・・・・」
「それを言ったら我愛羅だって多少はやってるんだろ?」
「少しはな」
「一応、裏側にも籍を置いてるってだけだよ」
「え゛・・・?木ノ葉の・・・暗部?」
「そうそう。死音とか言ったら結構有名だろ?」
「こっ・・・木ノ葉の死神・・・!!」
「正解〜♪その噂はきっとここに居る全員の物だろうけど」
「何やってるじゃん・・・全員で・・・」
「だって、楽しいじゃないv」
「暇つぶしよ、暇つぶしv」

 カンクロウが力尽きたように突っ伏し、そのまま酒が回ったのか沈没したのだった。




 ちょっと時間は戻るが、音隠れの里。

「キャー!!サ、サスケくんが〜〜〜!!!」

 お茶を飲むと同時にガクッと膝をつき、近寄ると霞のように消えてしまったサスケに大蛇丸は泣き出した。

「・・・あれ?ただの毒だったはずなのに・・・・・」
「か、か、カブトッ!!!あ、あんた何やってんのよー!!!!」

 カブトが毒を盛った犯人か!?とお怒りの大蛇丸。化粧が涙で落ちてちょっと凄い顔になっている。
 カブトは顔から目線を逸らしながら話を逸らした。

「大蛇丸さま、今のはどう見ても影分身だったと思うのですが?」
「・・・でも、私たちに気付かれず?」
「そうですよね。まだまだそんな実力は無かったはずですよね」

 まだ音に来てそんなに経っておらず、中忍レベルがいいとこだったはずなのに?

「気付かない内に実力をつけていたんですね」
「は、は、早く探さないと!!」
「すぐに捜索隊を出しましょう」
「早くして〜!!!」

 パニックを起こしつつも捜索隊が編成されたのだった。



「さ、さ、サスケくん!!」
「え?カブト・・・?」
「ど、どうしてこんな所に居るんです!!」

 里から少しだけ離れた森の中、修行をしているサスケをカブトは発見した。

「あれ?影分身、置いてきたはずなのに・・・」
「そんな術、使えたんですか!?」
「写輪眼でコピーしたからな」
「・・・あぁ、なるほど」

 ナルトを思い出させてしまったことにカブトは少し焦る。大蛇丸に木ノ葉に関することを思い出させるようなことはするな!と厳命されていたからだ。

「さぁ、帰りますよ」
「あぁ、見つかったら仕方ないもんな」

 カブトに続いて、あっさりと里への帰還を選んだサスケにホッとする。


「・・・サスケくん、いつの間にあんな術を完璧に使えるようになったのですか?」
「あれが使えれば修行に行けるかと思って・・・」

 サスケが使えるようになった理由がもっと強くなるためだったことに安心し、大蛇丸への報告の必要性を感じなかったのだった。




 翌朝、

「・・・うずまきナルト」
「ん?我愛羅?どうした?」
「お前は火影になるんだったな。・・・オレが風影になるからよろしくな」

 一瞬の間にナルトは「いや、別に・・・」と言おうとしたが、我愛羅に遮られた。

「テマリ、カンクロウ、帰るぞ」
「あ、ちょっと待ってよ!!」
「待つじゃん!置いてくなって!!」

 テマリとカンクロウは我愛羅が風影になるつもりだと聞いて、力になることを心に決める。

「じゃあな!」
「また、こんな機会があるといいな!!」

 テマリとカンクロウの言葉が聞こえ、そのまま三人は行ってしまった。


「・・・ナルト、火影にならなきゃね」
「いや、特になる気は無いし・・・」
「十年後とかになればいいじゃない」
「それくらいなら里を黙らせることが出来るしな」
「だから、なる気は無いって!」
「そのうち変わるかもしれないし、準備はしましょうか」
「そうね。じゃ、早速」

 こくり、と頷き合うと、サクラといのが中心になってナルトを火影にしようと動き始めるのだった。


 ・・・まぁ、まず始めは今までも少しずつ行っていた、ナルトに危害を加える人物たちの排除なのだが。


後書き

どうだったでしょうか?
砂の三兄弟っぽく書けたでしょうかね?
今回は、風見家の世界でやってみました。
これで良かったですか?斐莢さま


2005/12/23 作成

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