「遅いな」
「今、何時だと思ってるんだろうな・・・」
7班の任務の待ち合わせ場所。彼此三時間は経っている。
「今日の待ち合わせ、珍しく遅かったわよね」
「三時、だったよな」
午後三時に待ち合わせで、今は六時過ぎ。
「確実に明日に任務は持越しよね」
「あんなんが里の顔でいいのか?」
「今度、じっちゃんに降格させてもらえないか聞いてみる」
上忍は里を代表する忍者だ。代表として遅刻のし過ぎはダメだろう。・・・いや、人間としてダメだろう。
「サスケくぅ〜んvV久し振り〜!!」
「いの!離れなさいよ〜」
「そういうサクラこそ邪魔よ〜」
「あぁ、もう来てたのか?」
「・・・は?どういう・・・意味、でしょうか?」
10班の面々がやって来て、アスマが話しかけてきた。いのと言い争っていたサクラはもう来てたという言葉に不思議そうな顔をしている。
「えっと、今日はこれから下忍全員で肝試しをやるんだぞ?・・・まさか、聞いてないのか?」
肝試しをやる、待ち合わせ場所が現在地らしい。
「「「・・・ふふふ、どうしてやろうか・・・」」」
アスマの話によると7班は今日、任務が無かったらしい。
・・・のに、延々と三時間も待たされた三人は怒っていた。
「おい、ナルト。めんどくせーこと、止めとけよ?」
「・・・わかってるってば。サクラちゃん、今度な?」
「仕方ないわね。次回持ち越し、ね」
次回持ち越し、ってことは明日とかにやるのだろうか。
暗くなるのを待ち、同時にカカシが来るのを待ち続ける。
暗くなった頃、カカシはやっと姿を現した。
「ごめーんネ。準備に時間が掛かっちゃったよ」
どうやら、カカシが仕込みに借り出されていたらしい。
「センセー?これからは連絡をちゃんとしなきゃダメですよ?」
「狼少年だってばね」
黒いオーラを纏ったサクラに軽蔑した眼をしたナルトとサスケ。
嘘を吐き続けると信じられなくなる、という教訓的お話の狼少年だが、カカシは嘘だけでなく、遅刻をし過ぎで、遅刻なのか用事があるのかまで信じられなくなってしまってる。
「・・・わ、わかったよ・・・サクラ」
引き気味のカカシが頷かさるを得ないような内なるサクラでも放っていたのだろうか?(内なるサクラは刺客?)
『しっかし、たかが肝試しでこれは大げさじゃないか?』
『確かにな』
脅かし役や安全を確保するための人員に何故か暗部が混じっているのである。
『それにしても、表側でネジに会うのは久し振りだな』
『リーとテンテンも懐かしいだろ?』
『リーは出来れば会いたくなかった』
『あぁ。最近、ガイの影響で益々濃くなってるしな』
上忍たちが肝試しの説明をしている裏で隠話で話し続ける。
『・・・暗部が借り出されてる割にはチャチくねぇ?』
『むしろ必要性が判らない』
『肝試し、って言うけど、こんなんで肝、試される?』
『試せないだろ、こんなんじゃ』
『えぇとね、お化け役や仕掛けしか無いみたいだよ?』
『やっぱり楽しくないわね』
「・・・というわけで、順番に行こうか!!」
ガイが、肝試し・・・青春だ〜!!!と叫んでいる。
『ごめん、聞いてなかった!』
『オレも。何だって?』
『班毎に森の奥の祠に札を置きに行くらしい』
『代わりに置いてある飴玉を持ってくるんだって!』
『ありがとー。んじゃ、適当に』
そして、班毎に出発した。
「キャ――――!!サスケくぅ〜んvvV」
とりあえず、怖がっているように見せかけてあげようと思ったサクラがサスケに抱きついた。
「・・・離れろ、サクラ」
と言いつつも、掴まらせたままにしておく。
「サスケ!ずるいってばよ!!サクラちゃん、オレに・・・」
「今度ね」
肝試しそのものより、表側の演技をすることの方が楽しそうである。
『ホントに暗部が可哀相なんだけど・・・』
『別に任務じゃないんだよな?これ』
『もしかしたら任務なのかも。真面目にやってるし』
7班はこんな風に移動していた。
「チョウジ?また食べてるの?」
「いのも食べるー?おいしいよー」
「遠慮しとくわ。シカマル、何かあった?」
「いや、別に」
何事も無く、進んでいく10班。
「・・・キ、キバ君・・・見えてるの?」
「夜目は利くからな、オレ!シノ、サングラスしたままでよく見えるなぁ?」
「・・・いや、見えていない」
「なら、外せよ!!」
こちらも何もなく進んでいく。
「夏の風物詩、肝試し!・・・青春です!!!」
「リー、少し落ち着いて。ネジ、皆可愛いわねvV」
「・・・そうだな(可愛い!?天使の皮を被った悪魔たちが!!?)」
ちょっと離れた所で全ての班が見えていたので年長組はほのぼのとしている。
ネジはあまりにも詰まらない肝試しに、今回の企画をした人物への報復について隠話で話していることを知っている(聞こえている)ので、微妙に顔色が悪くなっていた。
「皆、楽しんでるみたいだね〜」
「良かったわね(・・・あまり楽しんでないように見えるのは、気のせい?)」
「火影さまと話し合って肝試しの企画を通しただけのことはあったな」
「だね〜。頑張ったもんね〜vVナルトったらビクついてかわい〜vvV」
そんな話をしている上忍たちの言葉はしっかりと風見の子供たちには届いていた。
『企画者はっけ〜ん♪』
『カカシとアスマと三代目、だねv』
『どういう報復がいいかな?』
『はい!オレは肝を試すのがいいと思います!!』
キバは、自分たちが肝を試されると思うようなことを仕掛けよう♪と提案した。
『あたしはぁ闇の世界に入れて、恐怖を感じるようなことに遭わせるといいと思いま〜す』
『オレはどれでもいいが、カカシが反省してくれればな』
『『それが一番難しいから!!!』』
揃っての突っ込みに笑いが広まる。
『じゃあ、闇の世界に入れることは決定な』
『どういう目に遭わせるかが問題だな』
『数日掛けて用意するのもいいわねぇ・・・』
『ちょっと凝るか?』
『だな。どんな罠がいいかなぁ・・・vvV』
祠に札を置き(手を合わせて御礼もしてた)、飴玉を持って帰ってゆく皆。肝試しは静かに終わっていった。
「紅先生〜、おはようございます!」
「おはよう、キバ。今日も元気ね」
「今日ね、ナルト君たちと肝試しやるの。紅先生も・・・参加しない?」
ヒナタが紅を誘うが、紅は嫌な予感がしたのか、断った。
「私が参加したら楽しみが減りそうだから。ヒナタ、楽しんでらっしゃい」
「はい!『紅先生は不参加、と。別にいいよね?』」
『いいだろ?企画者じゃなかったんだし』
『これで先生をヒドイ目に遭わせたら悪いだろ?』
『そうよね』
「センセーってば!いつまで憑いてくるつもりだってば!!」
「ずっと〜。それより、ナルトはどこへ行くの?」
「肝試し、よねwナルト」
「そうだってば!・・・センセーも来るってば?」
「行くよ!ナルトが行く所へはどこへでもvvV」
影でニヤリと笑う三人。
『しっかり引っかかったな』
『流石はナルトよね〜』
『後はアスマとじっちゃんだな』
『三代目は問答無用で落とすんだったか?』
『そうそう。でも、先にこっちな』
「アスマ、今日はナルトたちと肝試しをやるのよ♪」
「へぇ・・・前回が楽しかったか?」
「・・・アスマも参加する?楽しめると思うよ」
アスマの質問に答えず(楽しくなかったのに楽しかったとは言えないだろう)、別のことを聞く。
「そうだな。行っていいのか?」
「(ニヤリ)歓迎するよ」
テーブルにお菓子を広げ、大画面のテレビ(のようなもの)を見る風見家の面々。
「あ!引っかかった!!」
「あれはナルトが作った仕掛けだったか?」
「そうそう!上手くいったなぁ・・・」
森に足を踏み入れた瞬間、闇の世界が発動!
自分たちも中へ落ちていきながら、降り立つ場所を別にしたのだ。
つまり、カカシとアスマは肝試し会場へ。風見家は上演会場へと。
「アハハハハッ!誰だよ、あの髪型変える仕掛け作ったの!!」
「あ、あたしー。髭熊だから邪魔な髭とか無くしたかったのよねー」
「じゃあ、あの若返るのは・・・?」
「勿論、わたしvV一度、子供の頃の姿を見てみたかったのよね」
画面の中では、カカシとアスマがいろいろな罠に掛かってゆく。
「あ!じっちゃんを入れるの忘れてた!!」
「あの二人だけでも充分楽しいけど?」
「流石にね、私たちが試されるような仕掛けだと、火影さまにはキツイと思うの」
「・・・だな。今日はあの二人だけってことで」
その後、酒なども出てきて一晩中、カカシとアスマが罠に掛かるのを観賞していたのだった。
翌日、よれよれのカカシとアスマが森から帰ってきた。下忍たちに会った瞬間、怪我一つ無い彼らに、
「凄い仕掛けが一杯じゃなかった?」
「何言ってるの?楽しい仕掛けしか無かったわよね?」
「うんうん、そうだってば。簡単に避けれたってばね」
「楽しかっただろ?カカシたちも」
「・・・・・・・・・うん、そうだね(泣)」
ホロリと涙を溢したのだった。
後書き
こ、こんな感じでよろしいでしょうか?
肝試しは一応してます。
真っ暗でおどろおどろしい雰囲気の森で、ちょっとした仕掛けと脅かし役の人々。
普通なら怖いはずですが、暗部任務でそんな所へは
幾度となく行っている風見家の皆にとってはただの遠足みたいなようでした。
そして、どうやら実際に肝を試されたのは上忍ズのようです・・・
2005/7/26 作成