突然、親たちがやって来て言いました。
「かんぷーかい?」
「それって、何?」
子供たちが聞いたことがない言葉に不思議な顔をしている。
「あぁ、そうか。今までちゃんと働いていることになってなかったから、知らないか」
「簡単に言えば、一年間お疲れ様ってゆー慰安旅行みたいなもんだな」
「慰安・・・」
もっと平たく言えば、社員旅行である。
「そんなんあったんだ・・・」
「年一回って決まってるんだけど、暇が無いこととかもあってここ数年は潰れ続けてたからね」
「知らなくても仕方ないかもしれないわね」
やっても数人ずつの少人数での旅行だったから・・・
「それで急にどうしたんだ?」
「これから・・・明日からになるけど、行くことになったから」
「えぇえ!!?」
「きゅ、急すぎない?」
突然の出来事に付いていくのが大変だ。
「で、どういうメンバー?」
「風見の関係者全員」
「・・・え゛っ・・・!?」
皆の頭の中では事態を受け入れられず、現実逃避に変なことを考えていた。突っ込んでたとも言うが・・・
とりあえず、突っ込みたいことから上げていこう。
・全員って何人だよ!?
・んなにいっぺんに居なくなって、この里大丈夫かよ!?
・どこ行く気だよ!?
・んな大所帯、どこが泊めてくれるんだよ!?
まだまだ突っ込みたいことは一杯だが、ひとまず止めよう。
現実逃避を止め、誰かに説明を求めようと見回す。
「・・・あっアヤ姉!アヤ姉たちも全員!?」
「そうよ〜vvV」
大人たちを見回していたら、隅の方にアヤカが居ることに気付き、驚いた。
「ホントに風見の関係者全員なのね・・・」
木の風楼の皆も居るし、情報収集に行ってた人も何人か居た。
その上、
「ここに居ない人たちは現地集合だからw」
親たちはそうのたまってくれました。
火の国から出て、山奥にある温泉宿に行きました。人の数が多いので、貸切です。
「一泊二日しか時間が取れなかったから、ゆっくりしろよー」
「この宿は10人で貸切な」
風見の子供たち全員で貸切の少し小さめな宿や、風見の関係者が別れて泊まっている宿などがある。
風見の人間だけで温泉街全てが貸切になっているのだ。
「10人で泊まるには大きすぎない?」
「どうせ、宴会をする内に皆集まってくるだろうから、これでいいんだよ」
「あぁ、それもそうか・・・」
宴会をしていると乱入者が必ず現れて、段々大事になっていくのがいつものパターンだ。
「温泉にでも浸かってゆっくりしなよ」
「オレらも入り終わったらまた顔を出すからよ」
「ナルトくん、また後でね!」
などなどと言いながら大人たちは消えてゆく。
「・・・とりあえず温泉に行く?」
「そうだな」
あまり深く考えないことにして、今を楽しもうと宿の中に入って行った。
「ナルト〜!飲んでるかぁ〜?」
「おっちゃん、くっ付くな。飲んでるから!」
「うちの子は冷たいなぁ・・・」
「おい!いつナルト君がお前のうちの子になった!!?」
「けっ!そんなんずぅっと前からだ!!」
「何を〜!!?」
ナルトを取り合い、喧嘩に発展してゆく。これもまた日常。
「またやってんのか?親父たち」
「いつもどおりな」
「・・・ちょっと涼みに行かねぇ?」
「だな。ちょっと人数多くなって暑いし」
シカマルとナルトがそぉっと席を外していた。
「・・・何故わたしはここに居るのでしょうか?」
「・・・頼む、帰らないでくれ!」
「でも、イタチさん。わたしは風見の人間じゃないんですよ?」
「それでもだ!出来ることならオレも今すぐ帰りたい・・・」
イタチが無理やり同行させている鬼鮫を留めていた。
「兄さん♪一緒に飲もv」
「イタチさん。サスケくんもこう言っていることですし、わたしは帰らせてください!」
「え?鬼鮫さんも一緒でいいよ?」
「・・・サスケもこう言っていることだし、帰るな」
とりあえずサスケと二人きりよりは鬼鮫が居た方がいいのだろう。
「・・・・・わかりました(泣)」
自棄酒とばかりに日本酒を呷る。
酒を呷っている鬼鮫にいのが近付いてきた。
「鬼鮫さん?はじめまして、いのって言います」
「いのさん?ですか?」
「はい。サスケくんと一緒に仕事してるんですけどね」
「あぁ、そうなんですか」
一応、一流の忍なのでこの場に居る人々の強さを把握している鬼鮫は敬語を使っている。(風見は九重の血を引いているせいか、皆とっても強いのだ)
鬼鮫はイタチから離れ、いのの方に近付いた。
「いっつもサスケが迷惑を掛けているようで、お疲れ様です。それにイタチさんも・・・」
「そ、そんなことありませんよ」
「ま、本題に入らせてもらおう。えっとね、イタチさんのそっちでの話を聞かせてもらいたいのw」
「暁での・・・ですか?」
「そう。酒の肴程度でいいから・・・ダメですか?」
「いえ、そんなことは!」
いのはサスケに対する切り札としてイタチの話をゲットしたのだった。
庭に出たナルトとシカマルは山の方を見ながら散歩していた。
「・・・綺麗だなぁ・・・」
「風流、ってか?」
「紅葉狩り、行きたいな・・・」
「今年はここで我慢しておけよ」
「・・・だな」
色鮮やかに紅葉した山が、月に照らされていた。
「ヒナタちゃん?どうしたのかなぁ?」
「ア、アヤさん・・・。な、なんでもありません」
ビクビクと後ずさっている。
「嘘は駄目よ〜wほ〜ら、お姉さんが何でも解決して、あ・げ・るv」
アヤカたち木の風楼の皆がヒナタとネジを取り囲んでいる。
「う〜ん、きっとネジ君とのことよね?」
「そうよねv噂によると付き合ってるらしいし?」
「な、な、な、な!!何言ってるんですか!!?」
「隠さなくていいわよ〜v皆知ってるんだからv」
真っ赤になったヒナタとネジは逃げたのだった。
「あれ?ナルトが居ないぞ」
「あ、さっきシカマルと一緒に出てったよ」
「チョウジ、止めなかったのか?」
「なんで僕が?止める訳無いじゃない」
「そうよね。父さん、戻ってきてから巻き込めばいいじゃない」
「戻ってきてから、また飲みますか」
「そうだな」
そしてまた杯を飲み干す。
ナルトとシカマルが戻ってきて、宴会はますます盛り上がってゆく。
潰れた者を除いて徹夜で飲み続けたのだった。
「う〜、頭痛っ」
「まだまだだな、サクラ」
「ちょっと飲みすぎただけだもん!」
「徹夜だからちょっと頭が痛いだけよね」
話しながら宿を後にする。
「家帰ったらちょっと眠らないと、辛い」
「また任務があるだろうが」
「お前らはまだいいだろ?若いんだし」
「おっちゃんは元気だよね」
「・・・下忍任務、無かったっけ?」
「・・・あった気がする」
「行きたくねぇ・・・」
「じゃんけんで負けたやつが影分身な!」
じゃんけん〜、ぽん!あいこで、しょ!
本気でじゃんけんをして、ぐっすりと眠った者と疲れたものが居たのだった。
後書き
観楓会ですから、紅葉を見てみました。
まだ残暑厳しい今日この頃、って感じなので早取りすぎですけど。
それから、うちの職場の観楓会はお食事会ですから、旅行ではありません。
他の職場は旅行の所もあるらしいけど。
ってな感じで、夏じゃなくて秋になったと思いましたので、こんな風になりました。
よろしければお受け取り下さい、美千琉さま。
2005/8/31 作成