「こら、いのぶた!離れなさいよ!!」
「うっさいわね!フフン、羨ましいなら貴女もやれば〜?でこりんちゃん」
「キー!!」
サスケを真ん中に挟み、いのとサクラは言い争っている。
サスケは両腕を二人に掴まれ、逃げようが無い状態であった。
「今日もサクラちゃんは元気だってばねぇ・・・」
「お?サスケなんて構わないでオレを構えってば〜?とか言わねぇのか?」
「・・・流石にあそこに入ってくのはキツイってばよ」
「・・・確かに」
男の子たちはサスケに同情を覚えつつも仲良く話していた。
「皆、元気だねぇ・・・」
「それにしてものんびりできるいい任務ねぇ」
「変な心配もあまりなくてな・・・」
カカシ、紅、アスマの三人が騒いでいる9人を見ながら少し離れた場所から見ている。
本日の任務は、花見の場所取りであった。
明日あたり満開になるだろう、という予報が出たため、かなり早くから場所取り用のゴザがあちこちに敷かれている。
そんな中にナルトたち7・8・10班の9人は居た。
「え〜?明日の任務、花見の場所取りだってば〜!!?」
「そうだよ〜。修行も何も出来ないってことで、3人だけじゃ寂しいだろうから合同任務ね」
「・・・合同で・・・?」
カカシの言葉に不思議そうな表情の三人。
だって、その程度の任務にそんなにお金を出すとは思えなかったから。
「そうそう。8班と10班と一緒に、だから」
しかも三班ですか!?・・・お金持ちですねぇ・・・・・
「何時に何処に集合だってば?」
「朝8時に現地集合。場所はわかるよね?」
「木ノ葉公園でしょ?場所取りまでしなきゃいけないような場所って言ったらそこでしょ」
「場所指定されているから間違えないように」
昨日、こんな会話があったため、本日の7班は遅刻せずに済みました。
・・・まぁ、カカシはいつものように遅刻でしたけどね。
「センセー、お腹すいた〜!」
「チョウジ?お菓子食べてなかったか?」
「そんなのもう食べ終わっちゃったよ〜」
「そ、そうか・・・」
かなりの量をゴザの上に広げていたことを覚えていたアスマは困ったように笑っていた。
「えっと、じゃあ買ってこい」
「いいの?」
「あぁ、こんだけ人数が居るんだから、数人離れても問題ないだろ」
そう考えるとこの人数もある意味では良いとも言える。
「チョウジ、これで人数分のジュースとお菓子を買って来い」
「わかった〜」
とても嬉しそうにお金を受け取ると、立ち上がるチョウジ。
「一人じゃ無理だよね。男の子たち全員で行っておいでよ」
「は〜い」
ただずっと座って話しているだけじゃ詰まらなかったナルトたちが立ち上がり、チョウジとともに離れていく。
お菓子を楽しみに先頭を行くチョウジに、それへ走って付いていくキバ。
キバの後ろをたんたんと歩いているシノが居て、その後ろを楽しそうに走りたいのだがシカマルが遅れるのが気になりシカマルの手を引っ張って歩いているナルトが居る。
「チョウジ、キバ、シノ、ナルト、シカマル・・・サスケは・・・あぁ、あれは無理だな」
離れていくナルトたちを見て人数を数えているとサスケが足りないと気付いた先生方はゴザを振り返り、不憫そうな眼をした。
サスケはいのとサクラにしっかりと両腕を掴まれ、離れようにも離れられず、男の子たちに買い物を頼まれたのを好機と立ち上がろうとするも二人に邪魔されていた。
「・・・春野と山中がこの中で一番強いかもしれないわね・・・」
「そうだねー」
とりあえず不幸な状況に陥っているサスケの姿は見なかったことにし、カカシ、紅、アスマは周りを見ていた。
本当に何の問題も無い、場所取りはたんたんと時間が過ぎていった。
他にも場所取りをしている人が多く居るような桜の名所である木ノ葉公園である。
こんな場所で襲ってくる他里の忍や馬鹿な人も居ない。
だから安心してのんびりしていられたのだ。
「センセー!いつまでここに居るんだってば?」
「依頼者が来るまでだな〜」
「だいたいいつくるかわからないの?」
「さぁ?夕方くらいじゃないか?」
「それくらい聞いておいて欲しかったな・・・」
「ごめんなさいね」
朝からずっと場所取りである。
流石に疲れてきたこともあり、いつまでやればいいのか?と聞いてきていた。
そんないらいらしてきていた矢先、声を掛けられた。
「お疲れさま」
「ごめんね、ちょっと遅くなってしまって・・・」
「料理とかしていたから・・・」
申し訳無さそうに・・・そして、楽しそうに声を掛けてきたのは。
「パ、パパァ〜!!?」
「お、お父さん?」
「父上・・・?」
「・・・か、母ちゃん・・・」
などなどと子供たちの声が上がったことからも気付いてもらえると思うが、皆の父親たちであった。
「ど、どうして!?」
「宴会のセッティングをしただけだよ」
「はたけ上忍、猿飛上忍、夕日上忍、いつもお世話になっております」
「本日の任務はここで解散にして頂けると助かるのですが・・・彼らも一緒に花見をしたいので・・・」
「そ、そうですか・・・」
「そ、それなら・・・・・」
名家旧家の当主たちに向かってあまり強いことを言えない、と先生方は任務終了の報告にアカデミーへと向かっていった。
「・・・マジに突然、何なんだ?」
カカシたちが見えなくなると、ナルトは尋ねた。
「最近、忙しそうだから休憩も兼ねて依頼したんだよ」
「ついでに今晩の任務も無くしておいたから飲もうぜ!」
「・・・・・」
しっかりとお膳立てされていることに無言になってしまう9人。
「せっかく用意したのになぁ・・・」
「・・・・・飲む」
チラリと手元を見、全員即答した。
それだけ貴重な酒だったようだ。
「それにしてもさ〜、やりすぎだと思うんだけど・・・」
「そうかぁ?こうでもしないとナルトと酒なんて飲めないだろ?」
「ってか、邪魔だ!」
「はいはい。んじゃ、ナルト、愚息をよろしくな〜」
邪魔扱いされたシカクがナルトから離れていくのを見ているシカマル。
「夜桜・・・綺麗だよな・・・」
「そうだな・・・」
夕方から始まった花見酒は、全員がとても強いこともあり、夕焼けに染まる桜や夜闇に白く映えている夜桜を見ながら真夜中と言っていい時間にまで続いていた。
「サスケ、今日はお疲れ!」
「・・・原因を作ったお前が言うな」
「あたしたちだって疲れるのよ?ね、サクラ」
「そうよね〜」
お詫びを込めてか、サクラといのから酒を注がれ、桜を見上げる。
「綺麗ね〜」
「だけどさ、ここでやる意味無いわよね」
風見家の裏山には素晴らしい桜の隠れた名所や、自宅にもしっかりと桜が植えられている。
「たまにはいいんじゃないかしら?」
「・・・そうね」
桜を見上げ、微笑むサクラといの。
「ち、父上!!な、なんでハナビが居るの!?」
「ハナビがヒナタに会いたいと付いてきただけだ」
少し離れた場所に居たヒアシがそのまま答えている。
「・・・来たのはいいが、その飲み物を離しなさい、ハナビ」
「嫌です」
注いである紙コップを持っているのだが、離す気はサラサラ無いようだ。
「ハナビ、貴女にはまだ早すぎるわ!!」
「未成年なんだから・・・」
「未成年は姉さまたちも同じことです!」
「・・・・・」
鋭い突込みである。それを言われてしまったら言い返せない・・・とネジは黙り込む。
「・・・それでもダメ!」
「む゛〜・・・」
ヒナタに取り上げられ、詰まらなさそうな顔をして拗ねていた。
「やっぱりうちの子たちは可愛い!」
「そうだなぁ・・・」
「夜桜にサクラ・・・ピッタリだv」
「お〜い!戻ってこ〜い!!」
女の子の父親たち三人がうっとりと自分の子を見つめ、別の世界へと旅立っているのを連れ戻そうと声を掛ける。
「放っておきなよ。それより・・・」
三人を放置し、ツメとシビとチョウザは別のことを話し始めた。
夜中も夜中、いい時間となっていたため、花見客は風見家を除いて全員帰宅してしまっていた。
そして、収拾がつかなくなる一歩手前まで騒ぎ続けたのだった。
後書き
場所取りしてる9人が浮かび、こんな内容になりました。
最初は異世界のつもりでしたが、こんな依頼をしそうな親は風見家です。
なので、風見家となりました。
それより、本当に書くのが遅くてごめんなさい!!
下忍任務で場所取りって、なんかありえそうだと思いませんか?
2006/3/28 作成