「え?幻の薬草?」

 それはひょんなことから手に入った情報であった。

「そうなんだってさ。でも、風見関係からの情報じゃないから信頼性は低いよ」
「そうなんだ・・・でも、欲しいな」
「・・・だね」

 いのいち伝いにナルトたちの元へと入った情報。
 それは、月藤草という、月夜にしか花を咲かせない薬草の情報であった。
 遥か遠く、海を越えた地に咲く花だという話で、薬効成分がいい感じならしい。

「どこにあるって?」
「水の国の大名の妾邸だって」
「へ〜・・・んじゃ、行くか」

 大名の妾が綺麗な花を見たいとねだった結果、植えられた花で、庭の花の中にあるとのことである。

 一株でいいから取ってこよう、とナルトたち10人は水の国へと出かけていった。




 暁のとある場所にある隠れ家の一室。

「・・・任務なのか?」

 暇そうに粘土を弄っていたデイダラがパートナーであるサソリを振り返った。

「そうだ、水の国から植物を盗んで来いって」
「そうか・・・」

 サソリがヒルコを着込み、デイダラと共に水の国に旅立った。
 まさか、風見家の彼らとブッキングするとは思わずに・・・・・




「・・・あ゛っ!」
「・・・え?」
「まさかこんな場所で会うとはな、うん」

 水の国のとある場所、目的の屋敷より程よく離れた街道で出会った。

「や〜ん・・・なんでサソリそれ着てるの〜?」
「・・・ヒルコのことか?」
「そうよ!だって、普段の姿の方が可愛いのに〜」
「可愛いと言われて喜ぶ男は居ないぞ?」
「あぁ、それは知ってるんだけどね?」
「・・・それにオレをいくつだと思ってる?」

 憮然とした声で睨みつけるサソリを笑い飛ばす。

「あははv知ってるよ〜♪」
「知ってるならそんなこと言うな」
「えぇ〜?でもわたしたちが嬉しいんだよねv目に楽しくって」
「あ〜、もう!サクラもいのも落ち着け!」
「今日は諦めるけど、今度は脱いで来てね?」
「・・・・・あぁ、わかった」

 サソリは押されて頷いてしまった。

「どうしてここへ?」
「ある薬草を手に入れにね〜♡」
「へ〜・・・」
「そういうお前らこそ、こんな場所でどうしたんだ?」

 一般人並みに抑えた状態で12人は話しながら歩いている。

「ボスが植物を取って来いって言ったんだな、うん」
「植物〜?・・・まさか月藤草とか言わないよな?」
「・・・え?なんで知って・・・?」
「うわっ、マジかよ・・・」

 額を押さえてアイタタタ、と言うキバ。

「ブッキングか・・・」
「こっちは譲る気は無いぞ?」

 ・・・風見家を敵に回す?
 無理ありすぎる・・・サソリとデイダラの考えは一致した。

「・・・あき・・・らめるか?」
「でも・・・一応、任務なんだな。うん・・・」

 止めることは出来ない・・・か。
 困ったようにナルトたちを窺う。

「早い者勝ち、でいいか?」
「頼む」

 そんなサソリとデイダラにナルトたちはそう提案した。
 それをあっさりと受け入れたのは、早い者勝ちだとしたら、あまり戦わなくて済むだろうと考えたからだ。

「じゃ、今夜零時からってことでいいか?」
「あぁ・・・」

 よーい、ドン!でスタートらしい。

「今夜まで時間潰すか・・・」

 昼過ぎだったから、そんなことを言って街の方へと脚を向ける。


「じゃあ、じゃあ!サソリ、それ脱いで〜v」
「え・・・?」
「んで、一緒に買い物行きましょ〜vデイダラも、ねv」
「・・・わかったんだな」
「いや、オレは・・・休・・・うわっ!」

 ズリズリとサソリはヒルコから引っ張り出されて街中へと引っ張られていった。


「うわ〜・・・ご愁傷さま」
「サクラといのの勢いには勝てないよなぁ・・・って、あれ?ヒナタは?」
「一緒に行ったぞ?」
「えぇ?」
「ヒナタも買い物は好きだから・・・」

 ネジが遠い目をしている。前に巻き込まれたことでもあるのだろう。

「オレたちはどっかで休むか?」
「サソリとデイダラを羨ましがらせるか?」
「嫌がらせだな〜」

 ケラケラと笑いながら、のんびり休憩していた7人であった。




「・・・疲れた・・・」

 零時を前に、12人は集まっていた。

「お疲れさま、サソリ」
「これから競走なのに、大丈夫か?」
「・・・どうにかする」

 直前まで連れ回され続けていたようだ。


「サソリとデイダラのファッションショーは楽しかったわv」
「そうね!・・・今度は王子さま系のは?」
「コスプレね♪いいわね〜v」

 何をされていたのか・・・男性陣から同情の視線を向けられた。

「さ、早速行くんだな・・・」
「そ、そうだな・・・」

 流石に冷や汗を掻いている二人がいた。




 (無理だ〜!!)
 (・・・なんでオーケーしたんだろう)

 競走を受け入れたことに対して失敗した〜!と後悔しきりのデイダラとサソリ。

「うわっ・・・」
「油断大敵、だな」

 デイダラの足止めにクナイを何本か投げつけられ、サソリへは手裏剣が飛んできている。

「ちょっ・・・人数から不公平、だっ」
「攻撃したの、キバとシノだけだし」
「大丈夫、大丈夫!サソリとデイダラなら」

 そんな感じで目的地である庭へと走っていく12人だった。


 サソリもデイダラも頑張ったと言えるだろう。
 なんだかんだと言って、庭には辿り着けていたのだから。


 ・・・が、やはり風見家には敵うはずも無く。



「・・・任務失敗致しました」
「?・・・お前らが失敗したのか?」
「無理なんだな、流石に」
「どういうことだ?」
「できるわけが無い!死音たちを出し抜くなんて!」
「・・・・・」

 流石に沈黙する。

「・・・ブッキングしたの・・・か?」
「そうなんだな、うん」
「・・・悪かった」

 すんなりと認め、何のお咎めも無しで自室へと二人は帰れた。


 それというのも・・・

「死音さまたちへの献上品候補から削除か・・・」

 という呟きから察してもらえるとありがたい。


 つまり、死音たちへの貢物として珍しい植物などを手に入れようとしたようであった。

 サソリとデイダラはそんなこととは露知らず・・・
 ・・・確実に、知らずが仏ですよね。


後書き

かなり適当な名前の花だ・・・
えっと、イメージは藤の花だけど月夜に輝いて、
月下美人のように夜しか咲かない花ってことで。

こんな駄文でよろしかったでしょうか?


2006/7/16 作成

   戻る