その日は、三班合同任務の日だった。
 木ノ葉の里に程近い山奥で薬草の採取の依頼があったのだ。
 種類も量も多く必要としていたために、三班合同となったのだ。

 実は、依頼の薬草は全て風見家の傍で手に入る。
 でも、風見家以外は知らず、里から少しだけ離れた山奥に行かないと手に入らない物だ。
 そんなこともあって、やる気の欠片も無いが、演技はしないとな〜と9人はその場に居た。



「うわっ!」
「ナ、ナルトッ!?」

 休憩中にナルトは川岸に寄り過ぎたのか、ボチャンと大きな波飛沫を上げて落ちた。

「は、早く引き上げなきゃ・・・」

 深い川だったようで、流されかけているナルトにヒナタが慌てている。
 実力を出せば問題なく出れるのだが、せっかく演技をしていたのだから、とそのままだ。
 流石に見かねたシカマルが川に足を踏み込み、ナルトを引き上げた。

「大丈夫か?ナルト」
「サンキュってばよ、シカマル」
「ナルト!大丈夫!?」
『何やってるのよ〜?』
『演技だけど?』
『無理すんなよ』
『は〜い』
「ほら、こっち来て!」

 サクラがタオルを手に呼ぶ。
 何があるかはわからないので、用意万端だ。
 その横でサスケが薪を集め、火遁を使っている。

「服脱いで絞りなさい」
「わかったってばよー!」

 いくら焚き火に当たっても、濡れた服を着たままでは意味が無い。
 ゴソゴソと肌に張り付いて脱ぎにくい服を脱ぎ始める。
 濡れた服を早く脱ぐことを優先しているが、傍で嫌な視線を送っているカカシの姿がある。
 時間の余裕があれば、沈没させてから脱ぐのだが・・・

「・・・え゛っ!?」×8

 脱いでいるナルトに眼をやっていた8人が一点を見つめている。

「どうした・・・・ってb?」

 《てば》を付け忘れたことに気付いて慌てて付けようとする。
 ・・・が、全員の視線を辿り、途中で固まった。


「ナニ、これ・・・」

 パニックを起こした全員は氷像のようであった。




「ナ、ナルト・・・変化なんてしてるんじゃないわよ?」
「・・・してない」
「・・・確実にお色気の術だと思うが?」
「そんなん今するメリットがね――!」

 (・・・確かに)×8

「じゃ、じゃあ・・・いつから?」
「朝は無かった」
「当たり前だ!」

 シカマルがボソッと言ったのに対してナルトが怒鳴っている。
 シカマルは朝一、起きた時のことから言ったが、担当上忍たちは朝会った時のことだと思っている。
 それから、先程からナルトに《てば》が付いていない。
 誰も指摘しない所見ると、全員まだパニック中なのだろう。

「変な物、食べた?」
「口にしたのは、家から持ってきたコレだけ」

 持っていた水筒を示す。
 風見家特製ブレンドティーで、風見家独特の調合をしてあるものだ。
 今日は全員がそれぞれそのお茶が入った水筒を持ってきていた。
 ↑実はピクニック気分でした。

「じゃあ・・・さっきの川に何かあった?」
「それが原因だったら、オレを引き上げたシカマルもなってるはずだぞ・・・」

 ガクリと頭を垂れるナルトの言に、全員が一斉にシカマルを見る。

「なってない、なってない」

 手をヒラヒラと振って否定する。
 ナルトとは違って、もし女になってたとしたら一目瞭然の服だが(笑)


「とりあえず変化で戻っておこう」

 うん、それがいい。
 ナルトは変化を使ったが、姿に変化は何も無い。

「・・・なんでだ〜〜〜〜〜!!?」




 髪の長さは短いまま。
 身長も変化は何も無く。
 ・・・だけど、どことなく女の子っぽくなっている。
 顔立ちがまろやかになってると言うか・・・

 女の子たちは(・・・かわいいかも)とちょっと悔しげだ。
 ナルトが本当に女の子だったら負けると思っている。

 (・・・いや、別に男の子のままでも勝てるとは思えないけど)


 男の子たちは何故ナルトが女の子になったのか?そして、どうすれば戻るのか?ということを考えている。
 そんなことを考えながらも、

 (髪が短い女の子になっても可愛いんだな・・・)

 などと考えている人たちや、

 (顔が変わったわけじゃないのに・・・)

 と見惚れている人が居る。



 そんな感じでそれぞれが思いを馳せている中、カカシがナルトに纏わり付いていた。

ナルト、かわい〜vV先生のお嫁さんになってv
「嫌」

 ナルトの返事は一言だった。しかも速答。

恥ずかしがっちゃってvホントかわい〜んだからv
「うざい。邪魔」

 反応をする余裕も本当は無いが、言わないでいると好き勝手な解釈をし始めるのだ。
 だから、いくら悩んでいても、一言で切捨てだとしても、反応だけはしているのだ。



「・・・・・」×8

 ギュッとクナイを握り締めている子供たちの姿がある。

「お、お前ら・・・?任務を終らせた方がいいんじゃないか?」
「そ、そうよ。その分早く帰れるわよ?」

「・・・・・」×9

 それもそうかと思ったのか、ガサゴソと今までに集めた薬草を引っ張り出す。

「わたしはこれだけ」
「あたしはこれね」

 バサバサと同じ種類を纏めていく。

「足りるんじゃない?」
「大丈夫よね、アスマ?」
「あ、あぁ・・・」

 ((まだこの山に入ってそんなに時間が経って無くって、こんなに集められるわけが無いんだけど・・・))

 アスマと紅の思ったとおり、実際こっそりと前に家の裏で集めた物を混ぜてた。

「ってことで、いいよな?」
「ちょ、ちょっと待ちなさい!」
「何だよ、紅先生」
「帰っていいから止めてちょうだい」

 お願い!!と紅は手を合わせている。

「・・・オレたちはまだ止まるかもしれないけど」
「もうすでに、止まらなくなっちゃった人が居るみたいだね」
「・・・仕方ないけどね」

 そうなっても当たり前だとしか思っていないため、子供たちに変化は無い。


「まさか・・・」
「・・・シカマル?」

 紅とアスマが頬を引き攣らせ、ナルトとカカシが居た方へと眼をやる。



いや〜vかわい〜♪
「・・・覚悟はいいな?」
「しかまるぅ〜・・・」

 カカシがナルトの手を掴み、逃げられないようにしていることにナルトは困っていた。

 (逃げれる、逃げれるけど・・・)

 と、困った表情を浮かべていたが、シカマルが来てくれたことにホッとしている。

 実際はホッとしている場合ではない。
 強さがバレたくないのならば、ここで止めておくべきだ。
 ・・・もし、ナルトが止めようとしても止まらないと思うが(笑)




「ってことでさ、僕たちも行くね」
「・・・・・」

 無言と言うことは了解を得たということにして、シカマルの後を追う。


 近付いて見れば、しっかりとカカシはシカマルにやられている最中。

「あたしにもやらせてよね〜」
「僕たちだって怒ってるんだから」
「・・・あぁ」

 シカマルもそれを止めようとはしないので、カカシへの攻撃は威力を増していく。

「ナルトくんはもうちょっとこっちね」

 今まで立っていた場所から、カカシから更に1メートル離れた場所に移動させられる。
 そんなナルトの斜め前に立ったサスケが火遁を使おうとしているのが見えた。



 色々、色々と攻撃され続けたカカシが一言呟いて倒れた。

「・・・ナルト、ラヴ・・・・・」

 呟いた言葉はそんな言葉で、変態すぎて全員が更に攻撃したとのことだ。




「・・・それにしても、どうしてこんなことに」
「まぁまぁ。とりあえず帰ろうぜ」
「うん」

 シカマルに声をかけられてナルトは頷いた。
 ナルトとシカマルを先頭に全員がゾロゾロと帰宅していく。


 ――カカシだった物体を残して。


 ちなみにアスマと紅は、途中で諦めて火影への報告へと帰還したので、もう居ません。




 帰宅するナルトたちの上の方で。

《それにしてもカワイ〜vちょっと三重に似てる・・・》

 楽しげに呟く九重の姿があったが、誰の眼にも留まることはなかった。
 姿はしっかりと消した状態である。

《正解だったな・・・》

 ニヤリとした笑みを浮かべた九重のことを知れば、いくらナルトでも怒ったことだろう・・・


後書き

こんな感じで良かったでしょうか?
一応、数日で戻れたらしいですよ?


2006/12/13 作成

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題名は思いつかなかったので、適当で変なお題。より借りました。