「え? 運動会なんてあったってば?」
「今年から、アカデミー生の能力を知るために火影様が行うと決めたんだ」
「じっちゃんの気まぐれかぁ……」
「ナルト!! 火影様になんという口の聞き方をするんだ!!!」
イルカ先生の怒鳴り声を無視するナルト。
『へぇ。楽しそうじゃん』
『でも、力隠してそんなんやったって面白くない!』
『楽しくなるように色々すればいいじゃん♪』
『例えば?』
『とりあえず……』
「ぜってー一番になってやるってばよ!!!」
「フン! ドベがどうやって一番になるんだ?」
条件反射でサスケが突っ込む。
「ムキ―――!! サスケなんかギッタンギッタンにしてやる!!!」
『これが考えか?』
『その一つw 後はシカに手伝ってもらうvv』
『は? めんどくせー。オレじゃなくて別の奴連れてけよ』
『ってわけで、授業終わったらじっちゃんのトコ行くぞ♪』
シカマルは溜息をついていた。
「じっちゃん! お願い!!」
入ってすぐ、何の前触れも無くナルトは言った。
「ナルト? 何かあったのか?」
「これから言う条件のどれかをやらせてくれ!!」
1.オレに危害を加えた里人への報復
2.ちょっと歯応えのある任務を十個
3.運動会でのお遊び♪
「……遊びって何じゃ?」
「一番になった奴に何かをプレゼントとか、ちょっと実力出しても誤魔化せる舞台を作っちゃうとかw」
「…………わしに迷惑が掛からないならやっても良いぞ」
自分に迷惑が掛からなければ何でもいいらしい。
「やった♪ じゃ、シカ行こうってば!!」
「……オレが来た意味ってなんだったんだ…?」
ホントに。きっとナルトの暴走を抑えるためだったんだよw
「ってわけで、舞台づくり〜」
「まず何をやればいいの?」
「まずは、観客の記憶を誤魔化せるように働きかけれる幻術込みの結界でも作ろうか」
「は〜い。それはわたしの仕事ね」
サクラがそういった幻術の組み立てから結界維持の札作りまでを行い始めた。
「プレゼントって何を用意するの?」
「ここのメンバーがやる気になるものを用意する必要があるよな……」
悩むナルトを見て、シカマルは付き合ってられるかとばかりに立ち上がる。
「……ナルト、オレはやることあるから部屋にいるからな」
シカマルは部屋に入っていってしまった。
「……シカマルには、風見家初代当主の手記でも用意するか」
シカマルが部屋に消えて少し経ち、ナルトは思いついた。
「手記?」
「書庫に置いてあった日記に手記として術の暗号を残したって書いてあったんだ。読んでみたいって言ってたしな」
日記を読んで、初代当主しか使えなかったという術に興味を持ったらしい。
「へぇ〜。そんなのあるならわたしも読んでみたい!!」
「あたしたちの実験に役立つことも書いてあるかもしれないしw」
「じゃ、いのとサクラも手記にするぞ」
「あ、待って! わたしはあれ欲しい!!」
サクラが指差した所には赤く輝く剣があった。
「桜華か。名前から欲しいってずっと言ってたよな」
「うん!! わたしのためにあるような名前だったから欲しかったのv」
サクラにはその剣に決まった。
「ナルト君、私は裏の薬草畑が欲しいな」
ヒナタは治療に使える軟膏とかを作りたいらしい。
「わかった。ネジは何がいいかな?」
「ネジ兄さんなら叔父上との休暇とかは?」
「あぁ! それでいいな。サスケにはイタチの居場所の情報でも探してくるとして、チョウジは何がいい?」
「僕は皆で遊びに行きたいな。任務とかじゃなくて、完全に休暇として」
「とりあえず遊園地でも行くか?」
「うん! それでいいよ」
「シノとキバは?」
「「波の国の銘酒」」
「ゲッ……こないだ手に入れたこと知ってたのか?」
「あぁ。一歩違いで買いに行ったらナルトに売ったと目撃情報でわかったからな」
「風の国の銘酒でもいいぜ」
「わかったよ。波の国な」
「……ねぇ、ナルト君はどうするの?」
「オレはどうするかな……? 何か考えとく」
赤勝て、白勝て…………
「チーム戦だったこと、忘れてた」
「でも、ちょうど上手く半分に別れたよね」
赤チーム。シカマル、ナルト、チョウジ、ヒナタ、シノ。
白チーム。いの、サクラ、ネジ、キバ、サスケ。
「ま、同じ物を景品にした人が一緒のチームじゃなくて良かったよな」
勝ったチームの人全ての約束が叶えられることになった。
徒競走、借り物競走、障害物競走、玉入れ、棒倒し。
運動会の定番と言われる競走が次々と行われていく。
「なぁ、忍ならではの競走って、障害物だったのか?」
「いや、次のクナイと千本の投げを競う競走じゃねぇ?」
障害物はクナイが飛んできてたり、まきびしが撒かれてたり、チャクラを使わなきゃ登れそうも無い壁があったりした。
ナルトたちは景品目的でかなりいい成績をキープし続けているが、他のチームメイトたちが足を引っ張りいい勝負だ。
皆、実力を出してしまっている所もあったが、幻術の結界のおかげか全員誤魔化されている。
「最後は定番! リレーだ!!!」
イルカ先生の号令によってリレーが始まった。
リレーのメンバーは、
赤チームは、チョウジ、ヒナタ、シカマル、ナルト。
白チームは、サスケ、ネジ、いの、キバ。
全力で走るメンバーは隠話で駆け引きをしていた。
例えば、
『兄さんの手がかりを教えてもらえるって言うからには、負けるわけにはいかない!!!』
『サスケの気持ちは良くわかるけど、皆で遊びたい!』
『チョウジ、譲ってくれないか?』
『ダメだよ。それに、僕だけじゃなくて、ナルトやシカマルのこともあるからね』
二人は全力疾走。ほぼ同時にバトンを渡した。
『ネジ兄さんの願いとして、叔父上との休暇を提案したのは私だけど、負けるわけにはいかないの!』
『ヒナタは何が欲しいんだ?』
『風見家の裏の薬草畑。皆の怪我した時の治療薬作りに必要なの』
『……畑なら手伝ってやるから諦めてくれないか?』
『だって、あそこでしか作れない薬草があるんだもの』
こちらも同じく全力疾走。同時にバトンが渡された。
『シカマル〜。負けないからね!!!』
『いの、お前も手記を狙ってるんだってな』
『だって、面白そうだったんだもの』
『……次に作る予定の術は、心乱身の発展系の術だぜ』
『…………シカマルに任せるわ。でも、後で読ませてねvv』
ここで、いのがちょっと遅れてバトンを渡した。
『ナルト! 負けないぜ!!』
『オレに勝てると思ってるのかよ?』
『シノと一緒に酒盛りの予定なんだ!』
『……シノはオレのチームだから、どっちが勝っても飲めるんじゃないか?』
『!? ……そう言われてみればそうだな』
『今回は諦めとけよ』
言い含められたキバはナルトに追い着くことが出来ず、そのままゴールイン!
「優勝は赤チーム!!」
イルカ先生の宣言があり、赤チームは喜びに沸いた。
「やったってばよ!!!」
「勝てたな」
「うん。(薬草畑♪)」
「良かったね」
「くそ―――――!!!!」
ガチンと椅子を叩くサスケ。
「やられた!!!」
同じく悔しそうなネジ。
「ま、仕方ないよな」
ナルトに言い含められたキバはあっさり。
「あ〜あ、欲しかったのにな……」
「今度、貸してもらえるように、一緒に交渉しましょ」
「ホント!? いのが一緒なら借りれるかも」
いのとサクラは、いのがシカマルと密約を交わしているからナルトから借りることが出来そうだ。
「で、ナルトはどうするの?」
「温泉旅行♪ 行こうってばよ。その帰りにでも遊園地に行くってのはダメかな?」
「あ、それならそれでいいよ。僕の希望も盛り込まれてるし」
「温泉かぁ……」
シカマルの表情がどことなく嬉しそう。
「ナルト! 今度は温泉卓球で勝負だ!!」
「……そんな風だと、どっかの熱い人みたいだよ」
「それは遠慮したい」
青春がモットーのあの人は皆苦手のようだ。
イタチの情報を得ることが出来なかったサスケが落ち込んでいる以外は温泉旅行を楽しみに運動会の幕が下りたのだった。
ちなみに、ネジは切り替えが早く、今度の機会に会えるように頑張ろうと前向きになっていたので問題無し!
後書き
いい加減、日向の話を書かなきゃと思いました。
先週の土日に運動会が多くて、昨日練習の声が聞こえたので、今日は運動会ネタで。
2005/6/2 作成