「シカマルー! 今日も秘密基地作り、やるってばよー!!」

 アカデミーの授業が終わり、生徒が次々と帰っていく中、ナルトの声が響いた。

「あぁ、わかった。チョウジたちは先に行ったのか?」
「そうだってばよ! だから早く行くってばよ」

 楽しみにしている様子で、ナルトも一目散に駆けていきたかったみたいだ。

「ナルト? お前たち、秘密基地を作っているのか?」

 突然、背中から声を掛けられ、慌てて振り返るナルト。

「あぁあ!! イ、イルカ先生……き、聞かなかったことにしてくれってばよ〜。オレたちだけの秘密なんだってば!」
「ハハハ。わかったよ」

 秘密基地と言うくらいだから、仲間たちだけの秘密だったのだ。

「秘密ならあんまり大声で言うなよな、ナルト」
「む゛〜。シカマルのバカ!」
「こらこら、喧嘩するなよな」

 イルカは微笑ましげに笑っているだけだ。

「ほら! 行くんだろ? キバたちが待ってるぞ」
「わかってるってば! 先生〜、また明日〜」
「おう」

 イルカ先生に別れを告げて秘密基地へと走り出す。


(……よくやるな、お前)
(これくらいでどうしたよ?)
(で?どうして秘密基地の存在がバレるように話したんだ?)
(ん〜? ……ただの悪戯?)
(……悪戯かよ。んじゃ、行くか)


 周りに誰も居なくなったのを見計らい、影を使った移動術を使い、影の中に入っていった。




 先日、ナルトの希望でシカマルとチョウジが協力して作り上げた、影を使った移動方法。
 亜空間と繋げるということはどんな空間でもいいんだよな! と楽しげに言ったナルトはまず空間作りから遊びにしてしまったのだ。

 繋げる先の空間を色々と作ってみることにしたナルトたちは風見家の一室を完璧に再現してみたり、森を作ってみたり、と忙しかった。



「おっせーぞ! ナルト!!」
「わりぃ。んで?次、何作るか決まった?」

 風見の子供たち全員で次に作る空間を話し合って決めていた。

「次は火影邸の執務室を再現してみようかと思うんだが……」
「いいじゃないか。じいさんが気付くか招待でもしてみるか?」

 シカマルが面白いことを思いついたと笑う。

「となると、完璧を目指さなきゃな」
「じっちゃんなら、チャクラの欠片も洩らせないな」
「だな。んで、仕事の流れもおかしくするとバレるな」
「あぁ、そうね。なら書類の受け渡しにも気を使わなきゃいけないわね」

 面倒ね、と言いながらも顔はとっても楽しげである。

「じゃ、作り始めるか!!」



 色々な亜空間を作り始めてから、あまり時は経っていないが、いくつもの亜空間を作り上げたナルトたちは出来上がるたびに悪戯などに活用していた。
 アカデミーのセンセーから逃げる時に迷子にさせるために利用したり、暗部任務で捕まえた忍を拷問する時の部屋に利用したり……

 使い勝手が良いと判断したら保存しておいて、いらないと判断したら処分していた。



「出来た〜!!♪」

 作り始めてから数時間。ディテールにこだわったので時間が掛かってしまった。

「それで〜、すぐにやっちゃうの?」
「任務貰いに行くついでに、という形でやるか」

 これから任務を貰いに行って、すぐにやってみることになった。

「実際に任務に行くのと様子の確認及び仕掛け、どっちがいい?」
「え〜、どっちも捨てがたいって、それ」
「ちょっと見学してから行けないのかな?」
「……任務の内容によるけど、多分無理」
「だよな。う〜ん……どうする?」

 悩み続け、最後にはヒナタとネジが任務に行くと言った。

「後でどうなったか教えてくれよ?」
「私たちで行ってくるから。それでいいかな?」
「わかった! 記録も撮っておくからね!!」

 影の中の居間の場所で見れるようにビデオでも撮っておくのだろうか。




「じっちゃん! 今日も何か任務ある?」

 火影邸の三代目を襲撃して任務を奪おうとする。

「何じゃ、ナルトか……」
「あれ? お疲れ?」
「まぁの。あぁ、それで任務じゃったか」
「そう! 今日は無い、とか言わないよね?」
「そうじゃの……これでいいか?」
「サンキュー! う〜んと、今日は死光と死闇だったよな?」
「そうだったはずだ」
「んじゃ、じっちゃん。無理するなよ?」
「わかっとるわい。……頼んだぞ」
「御意」

 三代目の前を辞する瞬間に発動。違和感を感じさせないように移動させるのに気を使う。


「よっし! 成功!!」
「上手く移動させれたな」
「さて、次は、っとv」

 うきうきと弾んだ声でナルトが準備を始める。



「あぁ、やっぱり気付かないみたいね」
「気付かないうちに影の中に取り込めるなら、これから色々と使えそうねw」

 ふふふ、とばかりに楽しそうに言ういの。


「……チョウジ、お前ヤバイもの開発したな」
「やっぱりそう思う? 僕もそろそろヤバイかな、って思い始めてたんだ……」

 ははは、と乾いた笑いしか出なくなっている。

「い、いや。でも、便利になったからいいんじゃないのか?」
「そ、そうだよな! 移動も楽になったし、倉庫も出来たし、すげぇよな!」
「そ、そうだよね。ナルトも喜んでくれたしね!」

 ポジティブに考えないとねv



「もうそろそろ終わりにするか!」

 三代目を影の中に入れてから二時間。ヒナタとネジも帰ってきたので、バラすことにした。
 報告書を手に三代目に会いに行く。

「じっちゃん! 終わったよ」
「おぉ、お疲れ様じゃ」
「後でヒナタたちに言ってやって。シカ、種明かし」
「あぁ。じいさん、この部屋から出てもらえませんか?」
「急にどうしたのじゃ?」

 不思議そうにしながらも言われたとおりに執務室から出ようとする。

「……ぬぅ…」
「お疲れ様です、火影さま」
「一杯飲みますか?」
「お茶が良ければお茶を入れますよ?」
「それともお食事を用意しますか?」

 次々と三代目に声を掛ける皆。

「これはどういうことじゃ? ここは……風見家か?」
「違うよ。ここは……」

 影の中の居間に居た皆は飲み物を出したり三代目を座らせて反応を楽しみにしている。

「は? 影の中?」
「そうだよ。影の中に亜空間を繋いでるんだ」
「わしはどうしてそんな所に居るのじゃ?」
「任務を貰いに行った時に気付かれないように入ってもらったからw」
「……今後、そういうことはせぬように」

「は〜い♪」

 三代目はそれからナルトたちと食事後、仕事放棄して風見家に行ったのだった。
 風見家で一泊して帰った三代目だが、捜索されてました。影の中を通り元のように何事も無かったように座っている三代目に火影が居なくなったと探していた人々は驚いていた。



 そんな結末を迎えた今回の遊びは、三代目を巻き込まないという条件の下、その後は別の人物に仕掛けられたのだった。

「うわぁ〜〜〜!!?」

 火影とは違い、森の中か拷問部屋か何かの部屋だったようですが……


後書き

先日、友だちに借りたマンガに秘密基地が出てたので、
小さい頃に秘密基地を作った記憶がよみがえりました。

お前、いくつだ!?って感じですね。
友だちの取り壊し予定の倉庫を秘密基地って呼んでただけです。

誰にも秘密の場所→影の中は誰も入れない→秘密基地を作ろう
ってな発想で書いてみました。

最後の人物は誰か決めてません。お好きにどうぞ


2005/8/15 作成

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