ここは風見家のある場所。その三人はお茶を啜りながら話していた。他の人は別の場所に居るか、出ているのか。
 とりあえず、ここには居ないことだけは確かだ。

「めんどいね……」
「ん? どした?」
「下忍からやるんでしょ? 実力隠さなきゃいけないし」
「あぁ、それか。確かにな」
「名家の子息がこれくらい簡単に出来なくてどうすんだよな!」
「ホントに。ってか、常識しか習わなかったよね? バカにしてない?」

 アカデミーで習っていたことは基礎の基礎。彼女らにとったら常識のことでしかない。

「……でも、実力を隠せという命令だから仕方ないんじゃないか?」
「そうなのよね。……ストレートに中忍・上忍って上がってく?」
「ナルトが許可したらな」

 全てはナルトの指示に従うだけである。




 今日、アカデミーの卒業試験があり、それに楽々受かった風見の皆はのんびりとしていた。
 いや、ナルトだけはそうもいかず、今頃任務についているわけだけど。何処からの情報だったかは忘れたが、先日風見の関係者からミズキが裏切ろうとしているという報告を受けた。その芽を潰すため、ナルトが任務についているのだ。


 合格した風見の子供たちは、ちょうど9人だったこともあり、三代目より三人ずつ振り分けられていた。

「この班で任務につくのじゃ!」
「何でシカと別れなきゃいけないんだよ!」
「いろいろ考えた結果じゃ! 親が猪鹿蝶でコンビだから、っていうのもある」
「それにサスケと一緒ってのは、これからもずっと演技をしなきゃいけないから嫌なんだけど」
「担当上忍の関係もあるな。はたけカカシは写輪眼の持ち主で、四代目の弟子だからの」
「……わかったよ!」

 なんていうことが卒業試験の一週間前、ミズキの裏切りについて報告した時にあったのだ。


「今頃ナルト君、火影さまを倒したかなぁ……?」

 そうヒナタが言うと、シノとキバが笑った。

「見に行くか?」
「……見に行っちゃおうかw」
「だな」

 同じ班になったことだし、という理由で懇親会を開いていた三人はナルトの様子を窺うため移動した。




「じっちゃん。禁術書、借りるよ?」

 そう言い、書庫へと入っていく。そんなナルトの後をついていく火影。

「……それが狙いだったのか?」
「そうみたいだな。これを見れば下忍になれる、だとさ」
「禁術書を見れば、か? 無理があるじゃろ、それは」
「そうだよなぁ。でも、これで下忍(オレ)が使える術が増えるってわけだ」
「そうじゃな」

 笑い合うナルトと三代目。ナルトの笑みがニヤリに変化した。

「ってわけで、お色気の術!」

 ボワンッ。
 ブ――――ッ!!


 ご丁寧にナルトが盗んだ様子を作るためだけに、悪戯も兼ねて術を使ったのだった。(三代目には無断)




「さてと、何が載ってるかなぁ?」

 時間があれば、全部使えるようになってても可笑しくないよなぁ♪と鼻歌交じりに巻物を開く。

「多重影分身ね。これは便利な術が載ってるな♪」

 下忍になった時に活用する予定なのだろう。それ以外にも使い道はいろいろあるが……

「それから〜穢土転生? ……これがミズキの目的なのかなぁ?」

 などなどと言いながら捲っていく。

「ふぅ。こんなもんか。さて、修行した様子を作り上げて、と」

 術の練習をしていたように見せかけるために辺りを荒らす。そして、木の上を見る。

「いつまでそうやってる気だ? ヒナタ、シノ、キバ」
「あれ、バレバレ? まぁ、ナルト君が気付かない訳無いんだけどね」
「よ! 大変そうだな」
「まだまだ時間が掛かりそうだし、お茶でも飲まないかと思ってな」

 水筒に入れて持ってきていたお茶をコップに注ぐ。

「気が利くなぁ、シノ。サンキュ!」
「あ、お茶菓子にどうぞ」

 ヒナタも持ってきていたクッキーを渡す。
 そして四人で座り込み、お茶をし始めた。

「で? どうするんだ?」
「ミズキが来たら抹殺だよな?」
「状況に応じて、だろ。最終的には殺すけど」
「だったらいのちゃんたちの実験台にしちゃったら?」
「それもいいな」

 そろそろ誰かが近付いてきそうだとヒナタたちは風見家に帰らされた。




「ナルト!!!」
「あ、イルカ先生。(チッ!先生が居たんじゃ無理は出来ないな)」

 適当に返事をしながら、近付いてきたミズキの様子を探る。
 ナルト目掛けて放たれた手裏剣を受けイルカは怪我をした。


(さて、どうしようか。イルカ先生を助けた方がいいか?
 あ、でも大したこと無さそう)


 ナルトは大したこと無さそうと思ったが、深い傷で出血多量の心配がある。



『あ、シカマル?どうしたんだ?』
『ミズキのことを引き取りに来たんだよ』
『あぁ、そうか。じゃあ、とりあえず倒しますか』

 イルカの指示で逃げていたナルトは暗部の格好をしたシカマルと隠話で話しながら戻っていった。




「……つっかれた〜」
「お疲れ、死音。さっさと火影邸に連れてくぞ」
「わかってるよ。……ちょっとボコりすぎた?」
「それくらいが妥当だと思うぞ」
「ならいっか」

 影分身のナルトとイルカが去っていく姿を見ながら、暗部姿のナルトとシカマルがミズキを引き摺りながら話していた。

「こいつに何か聞くことあったっけ?」
「別に全部わかってるから何も無いんじゃないか?」
「そうだよなぁ……じゃ、じっちゃんに許可貰って実験台にしようかと考えてるんだけど」
「毒薬と新術とどっちがいいかな……」
「ついでだから両方やったら?いのたちも楽しみにしてるだろうし」

 その後、ミズキがどんな目にあったかは、誰にもわからない。

後書き

下忍になるまで、ですね。

なんとなく8班の三人に喋らすことが目的でした。
なので、他の風見の人が余り出てこない。

あ、そうだ。暗部やってますけど、カカシと面識ありませんから。
だって、風見家の面々だけで付き合い閉じちゃってますから。人数多いし。


2005/7/23 作成

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