「何やってるの、シカマル?」

 たらいのような物に水を張っているシカマルに、いのは聞いた。

「ナルトの状況を確認しようかと思って」

 と言い、遠眼鏡の術を水に掛けている。
 火影さまの水晶と同じ役割をするものである。

「水晶でもいいかと思ったけど、お前らも見るだろ?」
「うん! わかってるじゃない」

 大人数で見るには、水晶じゃ小さいと思ったから大きなものを用意したらしい。


 ヒナタ、キバ、シノが三人で懇親会を開いている頃、他の子供たちは別の部屋でこんなことをしていた。




「アハハハハハ!!! 火影さま、ブ――ッだって!!」
「鼻血、出過ぎ!! 血の海じゃない!!」
「……まだ止まらないみたいだな」
「……三代目って、血の気多いんだね」

 いや、血の気が多いとかそういう問題じゃないし。
 誰か出血多量を心配する人とかはいないのだろうか?


「あ〜〜〜!! ヒナタたち抜け駆け〜!!!」

 ナルトが森の中で巻物を見ている様子が映し出されている。木の上辺りにヒナタたちが映っていた。

「しかも、お茶とかしてるし……」
「後で文句、言わなくっちゃ!!!」

 皆のナルトを独占したらダメらしい。

「あ、でも毒薬実験が出来そうだね」
「そこら辺はヒナタのお陰よね。仕方ない、文句はキバとシノにってことで」

 ヒナタはいのとサクラの実験をナルトに薦めたことから、苦情から逃れられた。

「帰ってくるみたいだな」
「ナルトの言うことを聞かなかったら、風見として失格じゃない」
「そうなんだけどね。あれ? シカマル。何の準備?」

 シカマルが暗部服を着込み、準備をしている。

「ミズキの連行命令、死影に出てるんだよ」
「そうなんだ。頑張ってね〜」

 その場の皆に見送られ、シカマルは森に向かった。


「何やってるの、皆」
「あ、ヒナタ。おかえり〜。ドラマを見てる、って感じかな?」

 ヒナタたちが帰ってくると何かを囲んでいる皆に近付いた。映像はちょうどナルトがイルカに見つかった所だ。

「遠眼鏡の術? ……まさか、見てた?」
「うん。今回は実験台の提供ってことで大目に見るけど、抜け駆けは禁止だからね!」
「ありがとう、いのちゃん」

 いのとヒナタが話している陰でキバとシノがサクラにやり込められている。

「イルカ先生の怪我、結構酷くない?」
「そうね。至急治療の必要あり、ってとこ」

 ミズキをボコった後、死音がイルカの治療をした。

「放っとくとは思わなかったけど、ナルトの治療は凄いわね」
「ミズキが気絶してるからって、普通に話さないでよね、シカマル」
「ナルトのことは死音って呼んだくせに、いのって呼んじゃダメよね」

 いのが自分の名前を言う二人に文句をつけてた。

「じゃあ、これで終わったことだし、皆で下忍にもなれるし、上演お終いね」
「そうだね。全員卒業ってことで、宴会かな?」
「よし! 準備しようぜ!!」

 お酒や摘み、軽食などを皆で用意し、ナルトとシカマルの帰りを待った。


「ただいま〜」
「お帰り。ってそれ!! ミズキ!?」
「あぁ、実験台としてお持ち帰りしてきたぞ」

 帰るのが遅くなったサラリーマンのようにお土産を持ってきたみたいである。

「ありがとう!! じゃ、意識が戻ったらやろうか」

 宴会の余興扱いされているミズキであった。




「……遅いってばねぇ…………『カカシってのは何やってるんだ?』」

 下忍になり、担当上忍と会うために待っていた。

「どんな先生が来るか知らないけど、何やってるのかしらね?『他の先生方は来たのにねぇ……』」
「いい加減にして欲しいってば!」

 ガランとした大きなホールにナルトとサクラとサスケだけが居た。

「ニシシ。罠仕掛けるってばよ『本気で罠、作っていいか?』」
「止めなさいよー、ナルト『流石に本気はマズイと思うわよ』」

 ナルトは入り口の戸に黒板消しを仕掛けている。
 取っ手に何かをセロハンテープで貼り付けている。

「よし、完成!早く来ないかなぁ……『一応、サクラに言われたからお子様向けにしといた』」
「怒られても知らないからね!『お子様、ね。掛かったらマジにお子様よねぇ……』」

 本気で仕掛けて取っ手に触れたら連鎖反応でクナイやら起爆札だとかが発動するようにしたかったナルトは、後一時間、来なかったら罠を変える予定で用意をしている。



 ガラッ、プスッ。

「痛っー!!」

 ボフッ。黒板消しからチョークの粉がもうもうと立ち込める。


「「「「…………」」」」



 上から順に説明しよう。まず、取っ手に手をかけたカカシは取っ手についた画鋲で手を刺した。
 痛みに気を取られたのか、黒板消しが頭に当たったのだ。黒板消しはナルトが汚してから仕掛けたので、チョークの粉が舞い、辺りが白くなったのだった。

「ん―――…なんて言うのかな。お前らの第一印象はぁ……嫌いだ!!」
「「…………」」
『……お子様だ!』
『ちえっ、後ろの戸から入ってくれば良かったのに……』

 サクラがそう言ったのは、後ろ側にはナルトが本気で仕掛けた罠があったからだ。

『嫌いだ! って、お前はいくつだ!!』

 こんなのが担当上忍だなんて、と溜息が吐きたくなった三人だった。




「そうだな……まずは自己紹介をしてもらおう」
「……どんなこと言えばいいの?」
「……そりゃあ好きなもの、嫌いなもの…将来の夢とか趣味とか……
 ま! そんなのだ」
「あのさ! あのさ! それより先に先生、自分のこと紹介してくれよ!」
「そうね……見た目ちょっと怪しいし」

 ナルトの言葉にサクラが賛成したのでカカシから自己紹介をすることになった。

「あ……オレか? オレは『はたけカカシ』って名前だ。…………(以下省略)」
「……名前しかわからなかったってば」
「真似しちゃっていいんじゃない?」

 カカシがまずは女の子から、と言ってサクラからになった。

「私は春野サクラ。好きなものはぁ…ってゆーかぁ、好きな人は……えーとぉ…将来の夢も言っちゃおうかなぁ……キャー!!
 嫌いなものは時間にルーズな人です!」

 途中までは演技してたんだけどねぇ……

「オレさ! オレさ! 名前はうずまきナルト!
 将来の夢はァ、火影を超え、大切な人たちを護ること。
 好きなことは皆で遊ぶこと。嫌いなのは大切な人に危害を加えられること」

 風見家に危害を加えようとする者はいないと思うが、そういうことが嫌だ。

「うちはサスケ。好きなものも嫌いなものも特に無い。将来の夢はある人物を捕まえることだ」

 自己紹介を聞き、ちょっと話と違うぞ? という疑問を心に浮かべながら、カカシはサバイバル演習の説明をして解散した。




「……あれだけじゃ甘かったな」
「後ろから入ってくれば良かったのにね」
「あの罠は回収したのか?」
「した。流石にあのままにはしておけないからな」

 家に帰るとすぐに、上忍の愚痴を皆に言い、文句を言い続けた。

「……じっちゃん、あんなんだって言って無かったよな?」
「言ってないわね。一度、絞めとく?」
「後でやろう。先にサバイバル演習であのバカを絞めないと」
「だったら、こういうのはどう?」

 話し合った結果、カカシは酷い目に合うことが決まった。


 下忍認定後、カカシが何者かに襲われ、入院したのだった。


後書き

最初の方は、風見の他の子供たちが何をしていたのか?
と思ったので、ちょっと書いてみた。

思いっきり続いているので一緒にアップしようと頑張っていました。

遠眼鏡は本当にそういう名前の術らしいのですが、
多分、水には掛けられないと思います。


2005/7/23 作成

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