「ナルトくん!! 今日はうちの子を連れて来たんだ!!!」

 ヒアシが風見家のナルトの元へやって来て、まずそう言った。
 ヒアシの後ろに男の子が女の子の手を引いて歩いてきた。

「ほら、ヒナタ。挨拶して」
「はじめまして、ひなたです」

 ちゃんと喋っているように書いたが、実際には口が回っておらず、こう言っているのだろうな? と推測しただけだ。

「はじめまして、ネジです」
「ひなたにねじ? なるとだよ」
「なうと、よろしく」
「なるとだって!」
「なうと?」

 難しい顔をして頑張って「る」を言おうとしているヒナタ。

「だから、なるとだって!」
「なぅと」
「ヒナタ、ナルト。ル、だ」
「う〜ぅ〜う〜……なうと!」

 ヒナタとナルトのそんなやり取りに感動したヒアシが拳を握り締めている。


「ひなた、ねじ。あっちいってあそぼ?」

 くいくいっと手を引き、自室に誘う。その部屋は許可無くは誰も入れないようになっている部屋なのだ。

「ナルトくん? 行っちゃうのかい?」
「きょうは、ひなたとねじとあそぶの!」

 来ちゃダメだよ? と言ってナルトはヒナタとネジを連れて行ってしまったのだった。
 ヒアシは少し寂しそうに掃除や片づけをし始めたのだった。




「あ、いらっしゃい。ヒナタにネジだよな?」
「あれ? シカ、知ってたの?」
「その白眼は日向家だろ? それにオレたちに近い年齢なのはヒナタとネジしか居ないからな」
「へぇ〜、そうなんだ。ってわけで、よろしくな!」
「ナ、ナルト?」
「どうした? ……あ、そうだ。これはシカマルね」
「ナルト、これってオレは物か?」
「シカはオレの!!」
「いや、それに関しては否定しないけどな」

 もうすでに、こういう関係になっているようだ。

「ここにはナルトしか住んでいないと聞いたけど?」
「裏口があるんだよ。ネジとヒナタにも教えてやるよ」

 自室の裏から庭に出れる道があり、庭の壁の一ヶ所から出入り自由になっていた。
 最近、ナルトの部屋に入ることを許可されていない親たちは、これらの道を知らない。

「それで、どうするんだ?」
「遊ぶって言っても大した物無いんだよなぁ……」

 一応、親たちがプレゼントとして持って来たおもちゃが無いわけではなかったが、ナルトがいらない、と別の部屋に置いてきてしまったのだ。

「とりあえず絵本でも読む?」
「えほん?」
「そう。最近よく読んでいるんだよ」

 ここ最近のナルトの趣味であり、親たちが楽しげに読んでいるナルトを喜ばせようと屋敷中から絵本という名の付く物は全てナルトの所へ持って来たくらいだ。

「シカマルも絵本を?」

 ネジたちが入ってきた時、本を読んでいた様子だったのでそう尋ねる。

「シカもお気に入りだもんね、絵本」
「あぁ、これは楽しいぜ」

 そして、四人はそれぞれ絵本を見始めたのだった。




「……ナルト〜、庭に行くな〜!」
「おう。オレもあと少ししたら行く!!」

 シカマルがナルトに声をかけて庭に行くのを、ネジは絵本を置いて追いかけていった。

「…………火遁…〜〜術」

 何をやっているのか見ていると、どうやら印を結び、術を発動させているらしかった。


「……ネジ、出て来いよ」
「気付いてたか。何をしてたんだ?」
「あれ? 気付いてなかったか? あそこにあった絵本は全て術について書いてある暗号が載っていたんだぞ」
「はいぃ??」
「何か、ナルトが読み聞かせられてた本だと風見家の書庫に保管してあった絵本を貰ったことに始まったんだけどな」

 それを読んでいたら、文章がおかしい所を発見したらしい。

「で、一緒に暗号を解いてたら術書だということが判ったんだよ」
「……親たちは気付いているのか?」
「気付いて無いんじゃねぇ? 普通、絵本なんてじっくり読まねーだろ」

 子供に読み聞かせをするような仕事の保母さんでも無い限り。

「術がもう使えるのか?」
「ナルトに教えてもらったからな」
「……オレも教えてもらえるだろうか?」
「頼んでみれば、結構あっさりと教えてくれるんじゃね?」

 シカマルとネジが話していると、ナルトとヒナタが手を繋いで来た。

「ねぃにいさん!!」
「ヒナタがネジが居ないって泣きかけてたぞ」
「えぇ!? ヒ、ヒナタ……」

 ネジがヒナタを抱き締めるようにするとヒナタが花がほころぶような笑みを見せた。

「……ナルト、ネジが術とか教えて欲しいってよ」
「術を? ……別にいいけど」
「本当か? 頼む!!」
「……う゛〜……なうと、ちかまう、ねぃにいさん!!」
「…………ち、ちかまう……」

 あまりの変換に頬を引き攣らせるシカマル。

「……仲間外れが嫌ってことかな?」
「ヒナタに危険なことはさせないでくれ」
「いや、別に教える気は無いって。流石に小さすぎだろ」
「実際、年は変わらねぇけどな」

 この年でしっかり喋れるナルトとシカマルの方がおかしいのだ。

「んじゃあ、そういうことで。ここに来れそうだったらそこから入って来い」
「あぁ」

 絵本を読むことと平行にだったが、ネジの修行が一足先に始まったのだった。


後書き

ネジはヒナタを守りたいと決めたので修行を早く始めたのだった。
ヒナタ、ネジとナルト、シカマルの出会いでした〜。

2005/12/24 作成

   戻る