彼は後ろから掛けられた声にビクッと肩を揺らせ、振り返ることを拒否した。
「兄さん、やっと見つけたよ」
もう一度、声を掛けられ、諦めたように振り返る。
「……サスケ…」
イタチはとある国の甘味処でサスケに見つかっていた。
「兄さん、木ノ葉に帰ろうよ!!」
「オレは抜け忍だ」
仕方なく、口を開くイタチ。
「……イタチさん、誰ですか?」
「弟だ」
「あぁ。例の……」
鬼鮫はイタチから話を聞いていたらしい。
「兄さん……」
「帰れ! オレを殺す覚悟が出来てから来い!!」
「兄さん、ナルトからも許可は得た。帰ってこれるんだよ!!」
「帰れと言っている」
「兄さん!!!」
「五月蝿い! ……月読」
イタチはいつまでも居続けるサスケに月読を仕掛けた。
「うわっ! に、兄さん……」
サスケはしっかり術に掛かり、それを置いてイタチは鬼鮫と共にその場を離れた。
「良かったのですか?」
「何がだ」
「貴方が弟のことを大切に思っているのは暁の全員が知っているのですよ?」
何だかんだと言ってもブラコンなイタチのことを皆知っているのだ。
「……オレはうちはを滅ぼした男だ」
「えぇ。うちははイタチさんと先ほどの彼、サスケくんを残して滅んだんですよね?」
「そうだ。その時、あれにはオレを殺せと言った」
「帰ってきて欲しいみたいでしたね」
「帰れるわけが無い」
「あの様子では諦めないのでは?」
「…………そ、そうかもしれない」
「兄さん! 何だったら一緒に暮らさなくてもいいから!!」
「…………はぁ」
もう撒いたかな、とイタチが油断し始めた直後、後ろからサスケの声が聞こえた。
「今、オレは風見で皆と暮らしているから、うちはには誰も居ないから!」
「……天照」
ナルトたちと暮らしているという言葉に怒りを覚えたイタチは、天照を仕掛けていた。
「……流石、兄さん…強い……」
ボロボロになって倒れるサスケ。
「い、イタチ…さん」
大切な弟に容赦無く天照を掛けるイタチに恐怖を覚える鬼鮫。
「何だ? 鬼鮫」
「……いえ、何でも」
サスケを放置してイタチは歩き始めた。
「に…兄さん……」
後姿を見つめながらサスケは呟く。
「……諦めなさそうですね」
「いい加減、殺す気で来てくれないものか……」
「無理そうです」
天照を仕掛けられても不屈の精神で起き上がるサスケに鬼鮫は言い切る。
「……イタチさんが根負けするのが先な気がします」
「…………」
イタチは言葉も無く、チラリとサスケを振り返った。
「ナルト〜、やっと兄さんが分かってくれたよw」
風見の家に、幼児返りを起こしているようなサスケの声が響いた。
「へぇ。やっと諦めたのか」
「で? そのイタチは?」
ナルトとシカマルがサスケの傍に誰も居ないことに疑問を発した。
「誰にも見られたくないし、うちはの家に居るって。それから、また出てくらしいけど連絡はくれるって言ってたよv
だから、オレは家に帰るよ」
「わかったよ。連絡はサスケにか?」
「うん♪ 兄さんが月に一回はくれるって言ってたv」
「……良かったな」
「じゃあ、また明日〜」
やはり幼児返りをしてるとしか思えない言葉を残して、イタチの元へ帰っていった。
「やっぱサスケに落とされたな」
「だな。情報収集でいいかな?」
「それしかないだろ。月に一回ってのも、サスケの粘り勝ちなんだろうな……」
「うちは家ってストーカー気質?」
「……粘り強いって言ってやろうぜ」
ナルトとシカマルは疲れたように溜息を吐いた。
後書き
きっと根負けするまで続いたのでしょう
手の進むままに任せたら、イタチが負けるまでストーカーなサスケでした。
ゴメン、嫌いでは無いんだけど、そんな役になってしまうんだ。
ここで謝っておくよ。イタチ、サスケ、ごめん。
あれ?鬼鮫がいつの間にか消えてる・・・
どうしたんだろう?
2005/7/4 作成