今日も今日とて、カカシを待って7班は待ち合わせ場所に居た。

「遅いってばねぇ……」
(とっとと出て来いよな。何、見てんだよ!!)

「ホントにねぇ……そろそろ本気で怒るべき?」
(あんな変態のこと、気にしちゃダメよ!!)

「フン! ウスラトンカチめが……」
(そうだぞ。何時間も待たされても、そこに居ることが判ってれば、まだやりようがある)

(ん? どういう意味?)
(例えば、ナルトが手裏剣投げの練習をする)
(あぁ! なるほど!!)
(それ以外にも術の練習をしてみてもいいかもな)

 やはりいつも遅刻するカカシの所業に耐えかねていた三人は、だんだん黒くなる会話を楽しんでいた。



「おっ待たせ〜。今日はね、寝てるところを爆発させられちゃってね……」

「「はい、嘘っ!!」」


(こいつの嘘吐きはどうにかならないのか?)
(一度絞めたら大丈夫……だといいね)


「いっつもいっつも、嘘じゃないもん!!」


(大の大人がもん! とか言うなよ……)


「そんなことより!! 今日の任務は?」
「……今日は、火影様の家に七夕飾りを作ること!」


(七夕だ!? 何、考えてやがる、じっちゃんは!!)
(別にいいじゃない。簡単に終わる仕事で助かったじゃないの)


 今日は、風見家で飲み会の予定だ。『天の川』ってゆー酒が手に入ったから。

「じゃ、とっとと終わらせるってばよー!!」
「ナルト! 待ってよ!!」

 ナルトが先行する形で火影邸に走っていく7班であった。




「ナルト〜、センセーとナルトって彦星と淑女みたいだねv」
「わけわからないってばよ!!」

(間に天の川を挟んで、一年に一回しか会わなくていいなら、二度とオレの前に顔を出すな!!!)


 むしろそうしろ!! とばかりに不機嫌そうなナルト。

「さっき火影さまに遅刻のこと怒られたってのに懲りないわね、センセー?」

 サクラは次にナルトにくっ付こうとしたら三代目にお仕置きしてもらおうと考える。

「サクラ? 終わったのか?」
「えぇ。サスケ君も終わったでしょ?」
「あぁ。ナルト、帰るぞ」
「わかったってばよ!!」

 カカシの手から素早く抜け出し、サクラとサスケと帰ろうとする。

「ちょ〜と待った!! まだ終わってないじゃないか」

 呼び止めるカカシ。終わってないという言葉に振り返る三人。

「……笹も立てたし、飾りとして折り紙も折ったわよ?」

 見た目、完璧な笹飾り。

「ちが〜うよ。短冊が無いじゃない」

 そう、短冊が無い。願い事が書かれた短冊が無いとカカシは言ってたのだ。

「だって、木の葉丸が作るんでしょ?」
「火影様は、お前達にも書いて欲しいみたいだったよ」

 実際は、無理に書かせるとどんな目に遭うか分からないので、特に強制はしていなかった。
 けど、ナルトの願いを見てみたかったカカシは強制した。

「…………仕方ないってばね」
「子供だましなことしやがって……」

 嫌がりつつも三人は短冊を手に取ったのだった。




「はたけカカシが遅刻をしませんように」
「皆とずっと一緒に居られますように」
「兄さんに会えますように」

 三人が書いた短冊は火影邸で揺れることになったのだった。

 ちなみにカカシはナルトの遅刻しないように、という願いを叶えられるように頑張ろうと思ったが、無理だったようです。


 カカシの解釈は、サクラは7班の皆で一緒に。サスケはイタチに復讐のため。だった。

 まぁ、正しくは、サクラは風見家の皆で、サスケは帰ってこないかなぁ? って感じだったんだけどね。




「よぉ! 楽しんでるか?」

 猪鹿蝶(父)がやって来て言った。

「親父!? 何持ってんだよ……」
「パパ? それ笹飾り?」
「そうだよ〜。三代目が皆にお裾分けって言ってたよ」
「……ってそれ、オレらが作ったやつだし」
「しかも、わたしたちの短冊付いてるし」

 三代目がせっかく七夕だからと笹飾りを持たせたらしい。

「父さんたちは任務無いの?」
「これからあるぞ。その前に渡して来いって火影様が言ったからな」

 猪鹿蝶が去ってからも、風見家の庭での飲み会は子供達だけで続けられた。




「ん? これがナルトの短冊か?」
「はたけカカシってフルネームなのが切実な感じだね」

 ちらりとチョウジとシカマルの視線が交わった。

「あ! 皆も書けよ。オレたちだけってのは不公平だろ?」

 ナルトの言葉により皆、短冊に思い思いの言葉を書いた。




「平穏な老後……って、シカマルが望むのは平穏な日々じゃないの?」
「そうだけどな。日々に関してはナルトと付き合ってる限り、今は無理だ。だけど、老後ならその頃にはナルトへのちょっかいも減ってるかな? って思ってな」
「あぁ、それもそうね。チョウジは何?」
「世界平和。僕たちが怪我したり死んだりすることは無いと思うけど、平和な方がその可能性も無くなるからね」
「平和な時代の方が暗殺とか増えそうだけどな」
「あはは。いのはアスマが奢らなくなるように?」
「そうよ! 奢りはいいんだけど、その分、時間が無くなるのが嫌なのよ。サクラと実験の約束してても帰れないし」
「あぁ! なるほど。まぁ時間は無くなるけど、カカシが遅刻して帰れない七班の方が可哀想じゃない?」
「それもそうね。ヒナタとネジも書き終わったの?」

 笹に括りつけているヒナタとネジに声を掛けた。

「うん。皆が怪我をしませんように」
「風見の人間が変なことに巻き込まれませんように」

 ネジの願いは自分の父親なども含んでいる。

「オレも書けたぜ。こうやってずっと飲み会が出来ますように」
「暗部任務が無くなりませんように」

「ま、現状維持ってのが皆の願いってことだな」

 ナルトとサスケを除いたら皆、現在に満足している。ナルトとサスケだって満足しているけど、もう一つこうだといいなぁ、って感じ。

「天の川も綺麗に見えるし、淑女と彦星も叶えてくれるだろ」

 酒を傾けながら空を見上げる10人だった。






 ドッカーン!!

「……カカシが飛んでくるんだけど…」
「そうね。誰の仕業か知らないけど」
「上手く待ち合わせ場所に飛んでくるなぁ……」

 翌日、待ち合わせ場所に居た三人は空を見上げていた。


「待ち合わせの一分前発動、ってとこだな」
「……ここまで上手く飛ばせれるのはうちの人間しかいないでしょうね」
「誰でもいいじゃねーか。ナルトの短冊に書いた願いが叶ったってことで」

 昨日のカカシの言い訳が本当になった日であった。


後書き

とりあえず七夕なので、書いてみた。

それから、犯人はシカマルとチョウジとサスケです(笑)
おまけになってた部分を一緒にしました。

2005/7/7 作成

   戻る