いつものようにとっても簡単な、しかし体力だけは奪われる任務が終わって彼らはのんびり歩いていた。


「今日も疲れたわねぇ」
「めんどくせー、早く帰って寝てー」
「せっかく先生が奢ってくれるって言うんだから行かなきゃ損だよ」
「甘味だったよな、今日は」

 甘味処へ向かい歩く四人は、路地裏にあるものを発見した。

 里人に暴行を受けているナルトだ。


「…………ムカつくんだけど、あれ」
「……ちょっとムカつくな…」
「そうだね。やっとく?」

 あれが影分身であると判っているから、すぐに手を出すことは無かったが、ムカつくことには変わりない。
 金色の髪は薄汚れ、道に蹲っている。

「おいおい、お前ら。忍は里人に手を出しちゃダメなんだぞ」

 今にも飛び込んでいきそうな部下たちにアスマは注意する。

「う〜ん……バレなければいいか?」
「いいんじゃない? あれは『人』じゃないでしょ」
「人の皮を被った化け物だよね」

 口々に言う猪鹿蝶にアスマは頭を抱えたくなった。

「……影真似の術」

 少し離れた所から影真似で里人の動きを止めるシカマル。

「お、おい! ちょっと待て!!」

 そのまま攻撃に移ろうとするいのとチョウジを止めようとするアスマ。

「アスマは黙ってて! 見なかったことにして帰れば?」
「そうだね。バレるようなヘマしないから大丈夫だよ」

 いのとチョウジは黒い笑みを浮かべてる。

「心狂身の術!」

 以前、シカマルに考案してもらった術を使ういの。相手の心を狂わせ、同士討ちを始めさせるのだ。

「……近くに仲間がいると使えない術だろーが、それ」
「ナルトなら大丈夫でしょ!?」

 ナルトだから大丈夫だと使ったようだ。影分身だからだが、影分身でなくてもナルト、いや風見の人間なら大丈夫だろう。
 自殺をする者や同士討ちをする里人を観察する三人。
 術に掛からなかった男が『殺されたくない!!』とばかりに逃げ出す。

 ドカッ!!

 その男は見えない壁に行く手を阻まれた。

「チョウジ、ナイス!」
「逃がす訳ないよね。証言できないようにしなきゃいけないし」

 チョウジはいい性格をしてると思う。

「くそっ!!」

 結界にぶつかった男が出れないか、壁に拳を叩きつけていく。少しずつ移動していき……
 出口が存在しないことを知ると10班の面々に向かう。

 クナイを構えて。

「やっぱりね……中忍かなぁ?」
「じゃないか? ……もしかしたら上忍かもな」

 クナイを向けられてるとは思えないほど、のんびりと話している。

「ねぇねぇ、あれやってみてもいい?」

 シカマルに聞いたのに、答えを待たずに術を使用する。

「影首縛りの術w」

 いのが楽しげに放った術はクナイを構えた人物をしっかりと捕らえていた。

「おまっ! それ使ったらアスマが驚くだろ!?」
「心狂身を使った時点でアスマも記憶操作の対象だけど?」

 あんな術が使えることはまだ秘密なのだから。

「あぁ、そうだね。じゃあ僕もやろうかな」

 チョウジも影を動かした。シカマルが捕らえていた里人たちの足元に広がる。
 里人が立っている真下に口を開く影。

「闇の世界」

 パクン! と食べられてしまう里人たち。

「……名前、決まったのか?」

 影の中に亜空間を作り、その中で拷問を行ったり、闇の中気が狂うまで放置されたり、といった術だ。

「一応、最終候補」

 しかし亜空間なので、闇の中や拷問部屋だけにしか出来ない訳では無い。普通の部屋に変えることも可能だ。
 ちょっと身体を休ませたい時、遠くへの移動時の休憩場所として利用したりする。

 ちなみに、監禁も出来ちゃうw



「でも、いつまでも入れといたら邪魔だろ?」
「ちょっと待って。もうすぐ洗脳終わるから♪」

 洗脳……ですか?

「……は〜い、終了」

 影から吐き出されるように出てくる里人。

「……なんか怯えてない?」
「そう? そんなことないと思うけど?」

 何もかもが恐ろしいといった雰囲気でビクビクしながら路地から去っていく里人たち。


「大丈夫か? ナルト」
「ありがとうってばよ、シカマルvv」

 影分身なので、本当は皆が強いことも知っているのでニッコリと笑い去っていく。

「さ・て・と。アスマに術、掛けなきゃ!」

 蚊帳の外に居たため、何が起こったのかグルグルした頭で考えていたアスマがビクゥとした。

「お、お、お前ら!! じ、実力、隠してたのか!?」
「うん。そうなるね」
「大して隠してもいなかったと思うけど?」
「だな。とっとと消して帰ろうぜ、怒られに」

 影分身を通して状況を知ってたナルトにきっと影分身なんか放っとけ! と怒られるだろう。

「怒られるのはやだなぁ……早く帰りましょ!!」

 いのが言った時、シカマルがアスマの記憶を消し終わり、路地裏に気絶した里人数人と共に放置された。




 言っていた通り、帰ると同時にナルトに怒られた三人は、笑ってこう言った。

「いくら影分身とはいえ、ナルトが攻撃されてるのが嫌だったの!!」
「影分身もナルトの一部には違いないんだからね!」
「殺さなかったんだからいいだろ」

 ますますナルトが怒鳴ったようだったが……


後書き

心乱身が意識あるけど身体が勝手に動く、ということだったので、
意識がなくなるのがあってもいいかと思いまして。

闇の世界は拍手で言ってた移動術でもあります。
そんな都合いい術があるか!!?とも思いましたが(笑)

それから、秘伝なんで、きっと風見家の皆で伝えちゃえばいいかな?
と思ったので皆使えることに(笑)

流石にいのとかが倍化の術は使わなさそ・・・
ゴメン、やっぱ誰にも使って欲しくない・・・(泣)

2005/7/14 作成

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