突然、ナルトはそう言った。
今日は下忍任務も無く、皆、風見本家の居間でのんびりとしていた。
「どうした? 突然……」
「遊びに行こうと思ったからw」
楽しげに言うナルトに皆は『川……?』と考えていた。
(川……水遊び?)
(キャンプか何か?)
(この前、イカダ下りのポスターを見てたような……?)
そのポスターってのは、自作のイカダで川を下るレースで、奇抜なイカダを作り転覆しないで下まで下れる者が勝利する、というものである。
要は鳥人間コンテストの川版のようなものである。
(川下りと言えば、ラフティングってのもあるな)
ラフティングってのは、ボートで急流を下るもので、数本のオールで漕ぎながら川を下ってゆく。
これは別に普通のスポーツである。
(普通に修行の一環じゃないよな?)
「何するんだ?」
「う〜んと、ボートで川下りでもしようかと……」
「……そうか」
大して意味も無く川下りをしたかったのだろう。という結論に達した皆は軽く準備をして、出発した。
「では、まず、ボートを膨らませて下さい」
全員が乗れるような大きなボートは存在しなかったので、二組に別れ乗ることになった。
「ナルト、先に着た方がいいんじゃないか?」
「あぁ、そうだった。ライフジャケットを着よう」
がさごそと着替え、ボートを膨らませた。
「なぁ、なんでこんなのが家にあったんだ?」
「さぁな。風見家だからなぁ……」
それで済ませていいかは不明だが、家から全てを持ってきていた。
「どっちが先に行く?」
「ナルト、先に行け」
「わかった。先に出るぞー!」
ナルト、シカマル、サスケ、ネジ、ヒナタが乗ったボートが先に出発した。
「ん?あれ、どうしたんだ?」
後ろのボートが途中で前のボートが進まなくなっていることに気付き、不思議そうに近付いていった。
「あれ? ……って、あ! ヒナタが落ちたわ!!」
投げ出されるようにしてヒナタが落ち、慌ててネジがオールで拾い上げている。
「……おい。中に水が入ってきているようじゃないか?」
「……ホントだ。助けに行くか!!」
ボートを岸に上げ、駆けつける。
「……おい! どうしてこんなトコに填まってるんだよ!!」
「んなことより、水を掻き出せ!! 沈む!!!」
流れと流れの狭間に填まったナルトたちのボートは抜け出れなくなったらしい。
「ヒナタ!! 大丈夫か!!!」
「う……うん。ど、どうにか……」
何度も水に落ちたせいか、真っ青になり震えている。
「こら! サスケ!! 落ちるな!!!」
無茶なことを言いながらボートの上に拾い上げる。
「わ、悪い。……ナルト! まだか!!」
「今やってる!! しゃべってる暇があったら手を動かせ!!!」
「……うわっ! 近付きたくない雰囲気だね……」
「でも助けなきゃ、後で何言われるかわからねぇぞ」
「だね。……いのとサクラはボートとかオールが流されないか確認してて!」
「わかったわ! 流されないようにね!!」
ロープを持ってきて、キバたちがナルトたちのボートを引き上げにかかった。
「頑張れ!! もう少しだ!!!」
水を掻き出す者、
ボートを狭間から出そうとする者、
ボートに括りつけたロープを引く者。
全員が力を合わせ、やっとボートが出ることが出来た。
「良かった〜。……とりあえず、下まで下りないとね」
下に荷物を置いて来たものだから、仕方なく、もう一度ボートを出す皆。
その後、バシャーっと水を被るラフティングの楽しさを味わい、何事も無く下に辿り着く。
「……ヒナタ、大丈夫か?」
身体がすっかり冷えたヒナタがガタガタと震えていた。
「…ネ、ネジ兄さん…………」
「ナルト! ここら辺に温泉が無かったか!?」
「確か傍にあったはず。シカマル!」
「あぁ。こっちだ」
シカマルの先導で温泉に向かったのだった。
そして温泉に入り、冷えた身体を温めた皆は『また来ようね』と言って帰ったのだった。
おい! こんなことがあったら『もう来ない』ってのが正しい反応じゃないのか!!?
後書き
二年以上前ですが、ラフティングに行った時の経験から書かせて頂きました。
あれはGW。初めてのラフティングでした。
私のボートではありませんでしたが、一緒に行った友だちのボートが
ナルトたちのボートと同じ状態に・・・!?
こんなことは滅多に無いそうで、結構安全なはずなんですけど・・・
ちなみに、雪解け水の多い5月くらいが一番楽しいらしい。
で、夏はあまり波が無いので面白くないという話でした。
ちなみに、ヒナタみたいになった女の子は最終的には
『楽しかったね!』と言ってました(笑)
2005/7/16 作成