ボフンッ!

 その日は、軽めの爆発音で始まった。


「何だ!? 何だ!!? 何が起きたんだ!!??」
「え……? 庭の方から……?」

 風見家のあちこちから子供たちが飛び出してきた。

「ん? ナルトとシカマルは?」
「いねぇな……。…ま、まさか!!」

 先程の爆発音はナルトとシカマルのせいか?と思った8人は音が聞こえた方――庭の方へと向かった。

「……ゲホッ。お前が勝手に入れるから……」
「ゴホッ、そんなこと言ったって…どれくらい入れるかなんて、書いてなかっただろ……?」

 白く煙った中から、ナルトとシカマルの声が聞こえる。

「闇の世界の中で研究してて良かったな……」
「家で爆発させてたら、修理が大変だもんな」

 爆発音が軽めだったのは、闇の世界の中で爆発したからだったらしい。
 軽めとはいえ、闇の世界で起きた爆発が外に聞こえたことから考えて、かなり大きな爆発だったのだろう……


「ナルトォ〜?」
「なんだ?」


 …………あれ?


「シ、シカマル?」
「あんだよ?」


 ………………。



「えぇええぇぇええ!!?」



 どういうことが判りませんね、これじゃ。
 では、解説付きでもう一度。


「ナルトォ〜?」
「なんだ?」←シカマルの声

「シ、シカマル?」
「あんだよ?」←ナルトの声


 ……つまり、ナルトとシカマルが入れ替わっていたのだった。




 8人の反応に不思議に思いながらもシカマルとナルトは見えていないこともあり、全く気付いていなかった。

 そして、やっと白く煙っていた所が見えるようになってきた。


「…シカ……?」
「ナルト……だよな?」

 お互いの顔を見た瞬間、自分が前に居る!?
 ……ま、まさか…入れ替わった!?と考えに至った。


「…マジかよ……」
「……うっわ〜、ありえねぇって!!」

 頭を抱えてしまったナルトとシカマルだった。


「……下忍任務、どうする?」
「変化は出来るのか……?」
「とりあえず、やってみるか?」
「あぁ」

 変化の術を使おうとするが、それを試す前に8人の硬直が解けた。

「ど、ど、どうして!!?」
「何をやったの!?」
「……実験を失敗しただけだよな?」
「そうそう」
「あっさり言うな!!」

 しかし、焦ってもどうにもならないし?と笑っているシカマルとナルト。


「……そろそろ食事にしないと時間が無くなるよ?」
「あ、ホントだ!」

 今日の当番が大急ぎで朝食を用意して並べた。



「……で? そのまま行くのか?」
「シカ? 『〜てばよ』出来るか?」
「全く出来ないとは言わないけどな……」


 シカマルがドベナルトをやる…………


「ごめんなさい、止めてくれる?」
「一応、変化の術が出来るみたいだからそうしてくれ」

 話の最中に変化が出来るか試してみたら出来たので、そういうことになった。





「…………なんでこうなった?」
「……そうね。日頃の行いが悪かったとか?」

 遠い目をしたサスケとサクラが呟いていた。

「え……? ナルト…がアスマの所の奈良、シカマル……?」

 草むしりの任務中にカカシがナルトに抱き着いた拍子に変化が解けてしまったのだ。


「……はぁ。ナルト、ちゃんとチャクラ練ってなかったの?」
「いやぁ……解けるとは全く思ってなかったんだけど……」

 ナルトとしてもビックリだ。演技が飛び掛けるほどには。

「な、な、なんで!!?」
「カカシ、五月蝿い!! ……話すしかないか?」
「……う゛ぅう…限りなく嫌だけど仕方ないってば」
「今日ね、何かの薬品の影響でナルトとシカマルが入れ替わったのよ」
「たまたま二人だけがその薬品を被っちまってな」
「気付いたらシカマルになってたんだってば」

 シカマルの姿のまま(声も)でナルトの喋り方と動き……カカシはフリーズした。


「……ねぇ! カカシセンセー!!聞いてるの!!?」
「…………あ゛…うん……」
「……確実に聞いて無いわ」

 意識を取り戻させるため、鉄拳制裁を加えるようサスケに要請するサクラにカカシは慌てて答えた。

「いや、聞いてるって! ……で、戻る方法は見つかったのカナ?」
「……まだ、よね?」
「まだ…だよな?」
「まだだってばよ!」

 カカシは溜息しか吐かない。

「……。……火影さまに報告はした?」
「……あ゛! 忘れてたわ!!」
「きっと見てるってばよ、あの水晶で」
「……あぁ、それはそうかもな」
「しててもおかしくないわよね……」
「お前ら……仮にも里の最高権力者に向かって……」

 あまりの暴言の数々に苦笑を漏らすカカシ。

「あぁ、もう、カカシセンセーにバレちゃったし、アスマ先生にも話してシカマルを回収しましょ」
「……そうだな。そして火影さまの所へ行かなきゃな」
「そうだってばね。シカマルの所へ行くってば!」

 ナルトはそう言って、変化の術でナルトに変化しなおす。

「じゃ、行きましょ!」

 サクラの言葉でサスケとナルトは歩き出す。


「…………あ! ま、待ってよ〜」

 居なくなるまで反応できなかったカカシが、見えなくなったナルトたちを追いかけて走った。




「シカマル〜」
「いの〜」

 7班の三人が走ってきて、声を掛けた。

「……ナルト?」
「サクラ、どうしたの? ……あ、サッスケく〜ん!」
「はい! そこまで!!」

 サスケに抱きつこうとするいのを近付いた瞬間に止める。

「なんで止めるのよ〜、サクラ」
「なんでわたしたちが来たか考えなさいよ!」
「……もしかしてバレたの? ナルト」

 考えて見るとそれしか理由が思いつかない。

「あはははは〜。さっき解けちゃった、かなぁ〜?」
「ってわけで、火影さまに報告を忘れてたからな」
「あぁ、そういえば。すっかり忘れてたね」
「……仕方ねぇなぁ。んじゃ、行くか?」
「おうってばよ」

 6人は火影邸に行こうとアスマに背を向ける。

「ちょ、ちょっと待てよ! ど、どういうこった?」
「これからカカシの奴が来るから、聞いてくれ!」
「火影さまの所に居るから〜……」

 慌てて呼び止めるアスマを軽くあしらうと、伝言だけを残して去ってしまう。

「……おいおい。説明になってねーって」
「――アスマ〜! ……ナルトたちは?」

 ちょうどよいタイミングでカカシがやってきた。

「火影さまの所へ行っちまったぞ? それより、何があったんだ?」
「早くナルトたちを追いかけなきゃ!」

 説明もせずに走り去ろうとするカカシの首根っこを掴み、睨みつける。

「話してから行けよ!」
「……ナルトとアスマの所の奈良シカマルが薬の影響だかで、入れ替わったんだって!」
「……はぁ? 何言ってんだ?」
「言いたいことはわかるけど、ナルトの変化が解けたらシカマルくんだったんだから仕方ないでショ?」

 諦めて話すカカシにアスマはちょっと考え込み……

「……火影さまに詳しく聞くか」
「そうした方がいいかもネ」

 ナルトたちを追いかけて火影邸に向かった。




「じっちゃん、見てただろうから知ってると思うけど」

 上忍から見えなくなると同時に、6人は瞬身で火影さまの前に現れた。

「見ておったけどな。……シカマル、どれくらい時間がかかる?」
「……多分、数日。下手したら一週間くらいか?」
「同じ薬を作るのは今日中に出来るけどな」
「あたしたちも手伝うわよ〜」
「もちろん、それも入れての数日だけどな」

 三代目は任務依頼状況を確認して、現在ナルトたちでなければ出来ないような任務が存在しないことを確認する。

「わかった。それなら大きな仕事が入らない限り休みとする!」
「もちろん下忍もだよね?」
「当たり前じゃろう。カカシたちには伝えとくから三班全員休暇とする!」
「よし! じゃ、帰るか」

 カカシとアスマの襲撃を前に火影邸を辞したのだった。




「今日中どころか、こんな早くに同じ物は出来た」

 シカマルがコレを混ぜれば入れ替わる薬となる状態の試験管を二本、手にしている。

「人が居る場所でやったら誰が入れ替わるかわかんねぇよな」
「誰も居ない場所でやればいいだろ?」

 ナルトの影分身がシカマルが手にしていた試験管を受け取り、闇の世界から出てゆく。

「死の森辺りでいいだろ?」
「だな。一応、確認しとくか」

 闇の世界の居間の部分に移動し、テレビを点ける。

「……よし、着いた。じゃ、やるぞ」

 ナルトの影分身が薬品を混ぜた。

 ドカンッ!!

 やはり、朝の爆発は闇の世界からの音だったから軽めの爆発音だったらしい。

「この煙の成分を調べるぞ」
「影分身に回収させてる」

 煙の成分を調べて戻す薬を作らなけれ……ば?
 発言中に煙が晴れ、そのまま疑問調の発音になってしまった。

「……カカシとアスマが居るんだけど…?」
「確実に入れ替わり範囲内に居たみたいだな……」
「入れ替わってる可能性は……?」
「100%……だな」
「実験材料確保! 気絶させて回収」

 ナルトの命に従い、ネジとキバとシノが拾ってきた。

「……入れ替わってたか?」
「入れ替わってる」
「鏡を見せず、一人一人閉じ込めた」
「僕のテリトリー内だから、逐一動きは把握してるよ」

 拷問用の闇の世界内に閉じ込めたため、拷問道具に多少怯えているらしい。

「へぇ。実験用の薬を創るか」
「だな。検体が手に入って良かったよな」
「あいつらなら死なねぇだろうし、いくらでも出来るな」

 ちょっとくらいの無理だったら大丈夫だろう。




「…これ……効くの?」
「…………多分……」

 多分としか言えないのは仕方ないかもしれない。
 実験体用に調合した薬品は、毒薬と言われるものが沢山使われていた。

「でも、あれを無効にするとしたら、これしかないし……」

 使われていた薬品の反対の効用の物が毒を有している物ばかりだったのだ。

「とりあえず実験だ」
「はい!」

 実験体を眠らせた状態で一緒の部屋に入れる。

「準備終わりました」
「混ぜるぞ」

 今回はシカマルの影分身が薬品を混ぜた。

 ドッカ〜ンッ!

「…………」
「今回は音が大きいな」
「……シカマル、どうした?」

 眉根を寄せているシカマルにナルトが尋ねた。

「ダメよ、シカマル。ナルトの眉間に皺が残っちゃうわ」
「うっせー! ナルト、あいつらが死にそうだ」
「……え?」
「やっぱ毒草入れすぎたんだろ。今、影分身が救命活動を行ってる」
「あぁ、実験体が居なくなると困るものね」
「そうそう。んで、命だけは別状無くするから」
「そっか〜。やっぱりこれはダメか」
「別のアプローチが必要だな」
「オレたち、考えてくるからそっちはよろしく!」

 シノ、キバ、ネジ、ヒナタが別の方面から考えるということで、隣の部屋へ移動していった。

「わたしたちはもう一度、成分研究してくるわ」
「毒を無くする方法もついでに調べてくるから」

 サクラといのも別の部屋に去る。それに付いて行くサスケとチョウジ。

「……シカマル、実験体は生きてるか?」
「大丈夫だ。……それとな、今さっき影分身がな」
「……どうしたんだ?」
「……カカシとアスマ、戻ってやがる」
「は?」

 ありえない言葉を聞いた気がする。

「毒で苦しんでは居たが、元には戻ったらしい」
「……マジで?」
「……オレも嘘だと思いたい」
「…………オレたちもあれ飲むのか?」
「…………できれば遠慮したい」
「………………オレはギリギリ無事な気もするけど……」
「………………オレは死ぬな、あれは」

 顔を見合わせるナルトとシカマル。

「毒を無くする研究に希望をかけよう」
「解毒薬の研究もしておこう」
「……そうだな」

 他の皆にはこのことを知らせず、ナルトとシカマルは知らなかったことにした。




 いろいろ研究した結果、毒を無くした戻る薬を作れた。

「無事戻れて良かった〜!」
「ホントにな」
「これで任務再開できるわねw」
「結構休んじゃったから休み無く入れられるかもね」
「休みくらいは欲しいけどねぇ……」
「皆でやればすぐに終わるよ」
「だな」
 研究の過程で毒性を強くしたものや、治療薬として使えそうなものなどが出来ていて、いのたちを喜ばせていた。

「……あれ? 実験体は……?」

 ナルトとシカマルがカカシたちは戻れていたことを隠蔽してから彼らは放置されていた。

「…………こ、このまま忘れとこう!」
「そ、そうだな!」
「一週間放置してたら流石に……ね」
「うんうん。さて、任務に行こっか」

 カカシたちは拷問部屋に放置されたまま、忘れ去られたのだった。
 数日後、三代目にどうしたのじゃ?と聞かれて、慌てて病院に運び込むことになることはまだ知らない。


後書き

シカマルの誕生日小説です。

なんか誕生日ということを全く触れてない小説ですけど。
一応、いのの誕生日小説と同じテーマだからです。

シカマル、誕生日おめでとうw


2005/9/20 作成

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題名は思いつかなかったので、適当で変なお題。より借りました。