最近、親たちがおかしい。

 暇さえあれば、風見家に顔を出し、自分の子どもやナルトに構って、ウザがられて逃げるように帰っていく。
 以前まではそうだったはずだ。

 ここ二週間くらいはそれが減った。
 いや、減ったとは言っても、あるのだが……
 一日に何回も誰か彼かが来ていたのが、一日一回あるかないかになっただけ。

 一日一回くらいなら、特にそこまで邪険にされることがないと学んだのか……?
 それならば問題ない。

 ……が、家に来なくなった分、里の中で数人集まって話している姿を見かけることがあるのが気になる。
 声を掛けると掛けた相手を構いだし、何をしてたのかと聞くと何でもないと答える。


 何があったんだ……?




「最近、平和だなぁ……」
「は? どうしたんだ、ナルト?」
「騒ぎもなく、任務も忙しくないし、こんな日が続くのもいいなぁ」

 珍しくナルトが平和を喜んでいた。

「ナルトがオレみたいなこと言うなんてな。でも、確かに平和でいいな」
「シカマルじゃないけど、平和な日々ってのも嬉しいよな」
「だよな」

 シカマルの部屋でのんびりと二人は話していた。
 誰も居ない部屋でくっ付いて平和を堪能していた。

「……そういやお前、誕生日だったよな」
「へ? ……あ、今日10月10日だったか?」
「そうだぞ。自分の誕生日忘れるなよな」
「いや、なんか平和だったから忘れてた」

 毎年、10月10日には慰霊祭が行われるため、その頃になるとナルトに対してギスギスした雰囲気が漂ってくる。それが無かったから気付いていなかった。

「……あぁ、確かに今年は何も無かったな」
「だろ? あまり外に出てないことも関係してるのかもしれないけど、下忍任務も普通にあったし」

 風見家の中でのんびりしてることが多かった。

「ま、何も無いに越したこと無いだろ?」
「そうだな」
「でだ。これ、誕生日プレゼントな」
「サンキュー!」

 シカマルが照れた顔で手渡したプレゼントにナルトは嬉しそうにはにかんだ。




「……これはなんだ?」

 お昼過ぎの時間帯になり、居間で皆と話でもしているか、とナルトとシカマルは居間に入った。
 入った瞬間、ここは何処だ……? と思ってしまった。

 まず、テーブルの上には大皿に載ったご馳走が沢山。
 ……まぁ、これはナルトの誕生日だとサクラたちが作ったとみて間違いない。

 次にでっかいケーキ。
 いや、でっかいとかで済ませていいものじゃない。一番イメージに近いのはウェディングケーキだろう。ちゃんと、Happy Birth Dayとは書いてあるが。

 プレゼント包装をされた箱の山々。
 ……これ、ナルト一人分ですよね? そう聞きたくなるくらいの山。確実に身長より高い、いや、天井に着いてるな。

 そして、それらを用意したと思われる笑顔の大人たち。
 ……あの、今日、慰霊祭じゃなかったですか? 名家旧家の当主たちでしょう? ここに居ていいんですか!!?
 ナルトが風見の当主に就任した時も3歳の誕生日だったのだから、その時も良くここに居れるものだと思ったが……あの日は夜だったからと納得した。けど、今はまだ慰霊祭の真っ最中じゃないですか!?


「……ナルト、殺気はしまってくれない?」
「じゃあ説明してくれるか? サクラ」
「朝からナルトの誕生日だからと御馳走作ってたら、急に入ってきてあんなことに……」

 やっぱり思ったとおりだったか。

「名家旧家ノ当主サマガタ、今ハ何時デスカ?」
「二時くらいじゃないかな?」
「慰霊祭ハ何時マデデシタッケ?」
「三時までだが?」

 …………

「何考えてんだ―――!!!」

 とうとう怒鳴りました。

「ナルトくんが当主になってから10年だろ? だからお祝いに」

 10年目なので、無理をしたらしい。

「火影さまには許可を得たよ」

 無理やりのように奪い取ったらしい。(流石、風見の子供たちの親だ……)


「……慰霊祭が終わってから出直して来い〜!!!」

 バキッ!

 殴りつけると強制送還した。

「ナルトくんたちだって影分身使ってるのに〜!!」
「プレゼントは受け取ってくれ〜!」

 そんな言葉を残して慰霊祭会場まで行ってしまった。


「…………」
「……ナルト。と、とりあえずプレゼントとやらを開いてみたらどうだ?」

 怒りのあまり震えているナルトにサスケは状況を変えるために提案した。

「……そうだな」

 プレゼントの山を崩しながら開いていく。

「あ、先日見つかった新しい理論の術式の本……」
「里一番と評判の砥ぎ師によるクナイと手裏剣」
「同じく忍刀」
「…………これ全部、そんなの?」

 どれもナルトが欲しいな、と思ってた物だったり、活用できる物とか……どれもお値段が張る物ばかり。

「オレたちに気付かれないようにこれだけ集めるのって大変じゃないか?」
「……だから…」
「最近、静かだったのね……」

 最近、親たちがあまり来なかったのはこれらを用意していたからのようだ。

「あ〜ぁ。折角ナルトにプレゼント用意したのに霞んじゃうな」
「ホントにね。こんなのの中に入れちゃったら負けちゃうわ」
「あのね、ナルトくん。気持ちだけは籠ってるから受け取って?」

 全員がバラバラとプレゼントを渡す。

「いのとサクラが作った薬?」
「そう。カカシセンセーにでも使って」

 ナルトに近づけなくなるようにする薬とのこと。

「ヒナタとネジのは傷薬?」
「最近では一番の出来の薬草なの。必要ないかもしれないけど……」
「サンキュー、ヒナタ」

 嬉しそうに笑い合う。

「これは兄さんとオレからの。一応最新情報」

 他里の情報などを纏めたもの。

「もう知ってるかもしれないけど」
「いや、助かる」

 チョウジとシノとキバは三代目に休暇を貰ってきた。

「三代目が休みやるから遊びにでも行ってこいって」
「カカシたちには任務を与えてるから静かだしって」
「サンキュ」

 その後、慰霊祭を終わらせた親たちが戻ってきて、騒がしく夕食・宴会と続いていったのだった。



「あ、そうだ。ナルト、これ母ちゃんから」
「え? ヨシノさんから?」

 シカクに手渡されてナルトが受け取ったのは鍵だった。

「もう家の一員だから、いつでも来いってさ」
「何、抜け駆けしてる―――!!!」
「抜け駆けじゃねぇよ。ただ母ちゃんが渡しただけだ」
「それが抜け駆けだと言ってるんだ―――!!」

 ヒアシがシカクに怒鳴り続け、耐えられなくなったヒナタが闇の世界に落とした。

「ナルトくん。気にしなくていいからね☆」
「……あ、あぁ…」
「親父もいい加減にしろよな」

 シカクは楽しそうにヒアシを煽っていたことからシカマルが溜息混じりにそう言った。そうでもなければ、ヒナタに闇の世界に落とされそうだったのだ。

「わかったよ。じゃ、ナルト、待ってるからな!」
「ヨシノさんの招待なら行かないわけにいかないからな」
「……ナルト、行かない方がいいんじゃないか?」
「なんで?」
「全部の家に行くことになるぞ」
「大丈夫だって」

 ナルトは笑ってそう言ったが、後日あちこちの家に行くことになったのだった。


後書き

最初の方、題名と合ってない・・・
いや、でも、これ一応、父親たちのミッションというイメージで作ったんだけど。
ミッション=子どもたちにバレないように誕生日会をする!

ま、いいや。ナルト〜!誕生日おめでとう!!


2005/10/10 作成

   戻る   

題名は思いつかなかったので、適当で変なお題。より借りました。