吸血鬼や魔女、ミイラ男。透明人間、カボチャ男など沢山の仮装をした人々が集まっていた。それ以外にも色々と仮装した人々が居るが、何に仮装しているのか不明な人が多い。意味不明と言うか……
 というか、可愛らしい子供たちが頑張って仮装した後なのだ。ここはアカデミーの校庭。
 数年前、ハロウィンパーティーを企画した子供が居たのだ。アカデミーの全生徒でパーティーをする! とその子が言ったため、先生を含め全員でパーティーをするのが恒例になったのだった。
 放課後に着替え、それから騒ぎ続けていたため、もうすでに空は紅く染まり、お開きの時間が近付いてきていた。

「イルカ先生! 先生は仮装してないってば?」
「おぉ、ナルト……か? お前たち、それは何だ?」

 イルカはナルトたちが着ている物を見て戸惑いつつも尋ねた。

「オレたち、暗部にしてみたんだ! どうだ、先生!」

 黒いマントに白い面。中に着ている服も黒で揃えている。
 言われて見れば、確かに暗部だと判る。

「……あぁ、白い動物面か」
「えへへ〜v」

 嬉しげに面を被ったり斜め掛けにしてみたりしている少年少女たちが数人そこには居た。

「木ノ葉の死神〜v なんちゃってvv」

 木ノ葉の死神という噂がこの里にはあり、それは子供姿をしたとても強い暗部だという話だ。

「誰の発案なんだ?」
「これ? キバとナルト。ちょうどその話をしていた時に一緒に居たから皆で着てみたの」

 誰もが黒い服くらいは持っているから、白い面とマントを用意すれば良かったからだ。

「マントはね、あたしたちが作ったの」

 女の子たちで黒い布を裁断し、縫ったのだ。

「服を作るよりは簡単だった!」
「クラスの皆に見せるってばよ!!」

 ナルトの呼び声にゾロゾロとイルカ先生から離れ、奥の方に行く。


「……ま、仮装だから大丈夫だよな」

 イルカはそう結論付けた。




「……誰が行く?」
「ナルト、行く気か?」
「あぁ。ちょっと動きたいからな」
「じゃ、オレも行く」
「ゴメン、あたしたち友だちに呼ばれてるから行けない」

 女の子たちが皆から離れて行ってしまう。

「そっか。シカマル、二人で行っておいでよ」
「大勢で消えると目立つしな」
「……オレは見られてるから無理だ」

 サスケは女の子に大人気だから多くの視線を一人占めしている。

「わかった。じゃ、行ってくる」

 シカマルとナルトは少しずつ離れてゆき、スッと消えた。



「お? ナルト、どうした?」
「ちょっとトイレだってばよ」
「そうか。……あ、ちょっと待て!」

 ナルトの面に汚れが付いているのを見つけ、拭おうと手を近づける。

「あ、ダメだってば! キレイすぎて暗部っぽく無いって言われたからわざと汚したんだってばよ!」

 イルカの手から逃れようと離れる。

「……ナルト、それ、本物じゃないか?」

 ちょっと近くで見たら、その面がどうも本当に暗部が使用している面のように見えたのだ。

「先生、わかるってば?」
「受付業務が長いからな。多少はな」

 受付の最中に暗部を見掛けることはよくあることらしい。

「……これはじっちゃんに貰った物だってばよ」
「貰ったって……それは無いだろ?」
「小さい頃、これで遊んでいたら『気に入ったのか? 仕方ないのぉ……失くすんじゃないぞ』って言ってくれたってば」


(……火影さま…………)

 イルカは心の中で呟き、遠い目をした。

「ま、まさか全員、本物じゃないよな……?」
「あははは!! あの時貰ったのは二つだってばよ」
「なんで二つ?」
「シカマルと一緒に遊んでたからだってばよ」
「めんどくせぇけど、そう。快くくれたぜ」
「……そ、そうか…。お前らが本物を持ってるとは誰も思わないだろうが、失くすんじゃないぞ?」
「いっつもは大切に仕舞ってあるから大丈夫だってば。ね、シカマル?」
「そうそう。滅多に使わねぇし」

 イルカは納得して去っていった。


『良かった〜。流石に触られたり間近で見られたりしたらバレるよな?』
『だよな〜。たった今殺してきた敵の血だってな』

 そう。先程、誰が行くとか話していたのは、侵入者を発見して誰が始末に行くかという内容だった。

『それにしても、全員本物じゃないなんて、嘘吐くなよな』
『嘘じゃないだろ。最初に貰った、あの時はシカマルと二人だけだったし、二つだろ? それに本物じゃないなんて一言も言ってないからな』
『そう思うように誘導したくせに……』

 今日してきた仮装は、全員本当に暗部任務する時に使用している物だ。皆が嘘を吐いて仮装をしている中、真実を見せてみただけだ。
 マントはそろそろ新調しようと話していたこともあり、女の子たちで作ったのだ。だから嘘は一つも吐いていない。

 そしてその後、里中を<Trick or Treat!>と皆で回ったのだった。




「イルカ先生! 楽しんでるってば?」
「おぉ、ナル……お前、何してるんだ?」
「折角だし、仮装してきた!」

 吸血鬼やかぼちゃ男、魔女の格好などをしている下忍たちがいた。

「アカデミー卒業して、ハロウィンも卒業したものだと思ってたぞ」
「年に一回しかない機会だからだってばよ!!」
「そうか。……それで、また暗部姿か?」

 イルカが眼をやった先には、暗部面をしっかりと被り顔を隠している少年が居た。

「何、顔隠してるんだってばよ? ネ・ジ♪」
「…………はぁ=3」

 バラされては仕方ないと面を外すネジ。

「お前も巻き込まれたのか……?」
「……まぁ、そんな所です」

 そんなネジにイルカは苦笑を漏らす。

「せっかくだから楽しめよ?」

 そう言って、笑いながらイルカは去った。



「……じゃあ、頑張れよ。死闇、死光」
「あぁ、わかってる」

 今日の任務はヒナタとネジの二人で行うことになっていたので、この二人が暗部服を着ていたのだ。いなくなっても目立たないように、キバとシノも暗部服を着ている。

「じゃんけんで負けたの、お前らだから仕方ないだろ?」
「ご、ごめんね、ネジ兄さん……」

 二人一組でじゃんけんだったので、負けたヒナタが責任を感じて謝る。

「謝らなくていいから、ヒナタ」

 そのまま甘い空気を醸し出しそうになった所で任務の時間が来てしまい、ヒナタとネジは消えた。

「ほら! 楽しむぞ!!」

 二人が居ない内に楽しみ、二人が帰って来た頃には終わってしまっていたのだった。


後書き

一応、ここで一つ。
ハロウィンって悪霊が出てきて子供を攫って行くから
仮装して化け物の仲間だと思わせたとか・・・

微妙に間違っている可能性もありですが、こんな話だったと・・・
なので、皆、嘘を吐いていると仮定してみました。


2005/10/29 作成

   戻る   

題名は思いつかなかったので、適当で変なお題。より借りました。