「おはよ」
「はよ」

 いつもと同じ朝。
 何も変わらないようで、いつもと違う朝だった。


「サックラ〜、はい。ホワイトデーのお返しね」
「ありがと〜、いの。これ、お返し」
「ありがとーv」

 ニコニコ〜っと笑い合って嬉しそうにお互いに受け取る。

 いののプレゼントは髪留め。サクラの花があしらってある桜色の髪に映えるもの。
 サクラからはブレスレット。いののピアスと同じようなシンプルなもの。



「あ、今日ホワイトデーだったっけ」
「何か買ってくる」
「いいよ。私も忘れてたし」
「そういうわけには……」
「わかった。じゃあ、デート行こう?」
「うん、そうだな。ヒナタがそうしたいのなら」

 そう言って、火の国から出て行ってしまったヒナタとネジ。



「キバ、この前売り場で『本命にはマシュマロを』って書いてあったから……これを送るのが正しいんだよな?」
「あ、サンキュー。わりぃ、オレ用意してないや」
「別に気にしなくていい」
「……シノはマシュマロだよな。なら、クッキー、買ってくるわ」

 シノの本命には……というのは、何を送るのがいいのかわからず、ホワイトデーで一番メジャーなのはマシュマロなのだろうと思ったからである。
 実際、マシュマロは嫌いという意味があったり、本命へのお返しという意味があったり……どうなのかは不明なのだが。



「シカ、何欲しい?」
「静かな時間」
「じゃ、家には居れないね。行こ」

 これからきっと親たちが押しかけてくると考え、ナルトとシカマルは闇の世界へと消えていった。



「そうだよね〜。これから来そうだよね」
「だよな〜。チョウジがしっかりと配ったもんな」
「そりゃ、そうでもしないと収まりそうになかったからね」
「だな」

 バレンタインのプレゼントのチョコをチョウジが配ったので、お返しに来るはずだ。

「サスケは用事無いの? 送ったんでしょ?」
「予定無いし。送ったけどお返しなんてくるはず無いよ」
「押しかければいいのに……」
「だからと言って、家にチョウジ一人だとキツイだろ?」

 これからクッキーを買いに行こうとしているキバとシノ。
 居間の端には、いのがサクラの髪を芸術的に結い上げている姿があるが、親が来ると分かっていて二人が出かけないはずが無い。

「そうだね……付き合ってくれると嬉しいな」
「あぁ、だから何処にも行かない」

 そう親に対することをチョウジとサスケが決めていると、玄関のチャイムが鳴った。

「噂をすれば……かな?」

 チョウジとサスケが玄関へと出て行く。



「に…にいさん?」
「サ、サスケ…………お、お返しだ!」

 サスケの手にプレゼントを押し付けて走り去ろうとする。


「…………サスケ?」

 サスケの影がしっかりとイタチの足を止めていた。

「兄さん、せっかく来たのにすぐ帰らないでよ!」
「いや、でも……その、な?」
「兄さん、ありがとう」

 手のプレゼントに嬉しそうな笑みを浮かべるサスケに、イタチは頬を赤くし言葉を無くした。

「さて、今の内だ」

 一瞬止まったイタチをしっかりと居間へと連れていき、お茶を用意する。

「サスケ、僕ちょっと出てくるよ」
「チョウジ、行ってらっしゃい」

 チョウジが親に会うために玄関の方へと移動していくのを呆然と見詰めるイタチ。


「サ、サスケ」
「なに?」

 ニコニコ〜と邪気の無い笑顔で笑っている。

「バレンタインな……すごく嬉しかった」
「ううん、兄さんにあげたかったから」
「とても美味しかった」
「ホントに? 良かった〜」

 凄く笑顔のサスケとバレンタインのチョコが嬉しかったのと美味しかったのをどうにか伝えようと言葉を探しているイタチ。


 いくら話しても上手く言えない!! となったイタチはお茶を飲み干すと席を立つ。

「に、兄さん?」
「し、仕事が溜まってて……」
「なら、オレも行く! 今日は休みだから!!」

 皆、外出しているし、休みだから今日は帰らなくてもいい。

「いや、来なくていいぞ?ゆっくり休め」
「兄さんと一緒に居たい!」

 イタチの腕に縋るように掴まり、離れようとしないサスケに、諦めて許可するイタチ。

「わかった。仕方ないな」
「やった! じゃ、闇の世界使うよ」

 それに、仕事も手伝う!!
 そう嬉しそうにサスケはイタチに甘えるように飛びついていた。




「……やっぱりサスケは行ったみたいだね」
「そうよ〜。かなり甘々な雰囲気で行ったわよ〜」
「あ、いの。居たんだ」
「これから出かけるの。チョウジも行く?」
「一緒に行ってもいいの?」
「ケーキを食べたり、買い物の予定で良ければね」
「うん、行くよ!」

 親に会おうとしたが、家に居なかったので諦めて帰ってきたチョウジはサクラといのと出かけたのだった。




 そして、誰も居ない時に親たちはやってきて、会えなかったことに意気消沈していたようだ。


 帰ってきた皆は、居間にある親たちからのお返しの山にどうしよう……? と悩んだのだった。


後書き

親たちからのプレゼントはクナイなどの消耗品のセット。
人数分なので、×10ですね。
イタチの暴走は少なかったけど、サスケは暴走ですね。

こんなのでよろしければ、フリーとさせて頂きます。
バレンタインとセットでお持ち帰り可です。
現在はお持ち帰り期間終了してます。


2006/3/14 作成

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