風見家の居間、今日は春野が当番の日。サクラと遊んでいたな、と思うとナルトがテコテコと近付いてきた。

「春野さん。ちょっとお願いがあるんだけど……」

 今までは親に対しては全部平仮名で話していたが、漢字を使っても気付かれないと分かったナルトは普通に話しかけた。

「うん? どうしたんだい? ナルトくん」
「オレ、当主になったんだよね?」
「そうだよ」
「毎日、来なくてもいいよ? オレ、料理も出来るようになったし、シカとかサクラとか皆が遊びに来てくれるし……」

 三歳を過ぎた年齢で完全に一人暮らしをしたいというのは流石に早すぎないか!? と春野は驚く。

「……え!? ……ちょっと早すぎないか?」
「う〜んと、子供たちで遊ぶのを邪魔されたくないの」
「…………。……わかったよ」
「お願いね?」

 上目遣いでキラキラとした眼を向けられた春野は親たち全員を説得することを決めたのだった。



「……スゴイね、ナルト」
「そんなことないよ。じゃあサクラ、あっちでいのと遊ぼうか?」
「うん!!」

 ナルトの部屋になっている奥には、現在いの、チョウジ、サスケの三人が居る。こっそり遊びに来ているのだ。

「今日はシカも居ないし、お昼寝でもしようかな?」

 ナルトはサクラたち四人が遊ぶ中、お昼寝したのだった。




 ガタンッ!バタンッ!!

(……ん? なんか、うるさい……?)

 物が倒れるような音に、ナルトは眠い眼を擦りながら思った。

「さくらなんてきらい〜!!!!」
「いののバカ――――!!!!」


 サクラといのの叫び声が聴こえる。

「ちょっと!二人とも!!ナルトが起きちゃうよ〜!!!」
「ナルトにきらわれるぞ?」

「「だって!いの(さくら)がっ!!!!」」

 チョウジとサスケの制止の声も、逆に二人をあおる結果にしかならない。


「……どうしたんだよ?サクラ、いの」
「あ、ナルト……ごめんなさい」

 サクラがまずナルトを起こしてしまったことにしゅんとして謝る。

「なると、きいて!? さくらが!!!」
「はいはい。順を追って話せって」

 ナルトの質問に対して得られた答えは、サクラといののどちらが可愛いかということで言い争いになり、取っ組み合いになりどっちが強いかということでまで争い始めたらしい。
 らしい、というのは、ちょっと判別しない所をチョウジとサスケの説明で補ったためだ。

「……二人とも同じくらい、という妥協はないのか?」
「だきょう?」
「ちがうもん! あたしのほうがうえだもん!!」
「いのなんかきらい!!」
「仕方ないなぁ……二人ともやったこと無いことをやってみて、それで決めるとかは?」

 ナルトはそう言ったが、好奇心旺盛な子供たちである。子供で出来ることはほぼ全部やったことがあるということだ。
 そして、ナルトは術を教えてみることにした。それで上手に出来た方の勝ちということにしたのだ。

「ズルイよ! ぼくたちだって教えてもらいたいよね?」
「あぁ。そんな所でサベツしないよな?」

 チョウジとサスケはそう言って一緒に教えてもらうことになった。サスケの差別という言葉はイタチと一緒に居た時に聞いたことがあったため、知っていたのだ。



 その結果、どちらも同等で勝負がつかず、サクラといのの両方に勝負がつくまで色々教えて!!と言われてしまい、ナルトは皆に術などを教えることになったのだ。

「分かった、教える。でも、いいか? これは大人たちには内緒だぞ?」
「ナイショ、ナイショ♪」
「うん!! ヒミツだよね?」
「わかった。約束する」
「いわないよ〜」

 そうして、ナルトが教師となり、教えることとなったのだった。





 ナルトの一人暮らしがしたい! というお願いを受けた親たちは全員集合していた。

「何!? ナルトくんが!!!?」
「一人暮らし!? そんな!!!」
「子供たちとは仲良くやっているらしいが、大人に邪魔されたくないらしい」
「何!?」
「そういうわけで、毎日交代にあちらへは行けなくなったから」

 決定事項だけを淡々と告げる春野。

「ナルトくんと約束してきたのか〜!!!!」
「まぁ、そういうことになるな」

 ぎゃあぎゃあと叫んでいる親たちの中で静かな者も居る。

「……子供たちとは会うのよね?」
「そう言っていたな」
「わかったわ、そういうことで」

 それが分かればいいとばかりに帰ろうとする。

「犬塚! どうしてそんなあっさりと……」
「だって、子供を連れて行けばちょっとでも会えるでしょ? それに、目的のナルトくんのお友達にしよう大作戦が上手くいっている証拠じゃない」

 自分の子供をナルトの友達にし、家に来てもらうことも不可能じゃない!!という想いの元、行ってきた作戦だ。子供たちは無事に仲良くなっているから、子供をナルトの所へ連れて行けばいいのだ。

「そうか!!」


 翌日から、ナルトに自分の子供たちを預けるように連れて行き、それから仕事に行くといった親たちの姿が見られた。


 ……ナルトたちにとっては好都合だったのだが。


後書き

当主就任後の一コマ、でしょうか?
こうしてほぼ一緒に住んで居るような状況が作られたのだった。

2005/12/25 作成

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